あぶねぇ!!もうヒトツやり忘れてた!!
さて、これやったら次はいよいよフミちゃんもレッツゴー
☆学校って何?
ある日、俺の家にある大きな包みが送られてきた。
また親かと思った。俺の親はいつも海外で飛び回っていてほとんど帰ってこない。
たまによくわかんない物を送りつけてくる。しかし、俺の私立の金、仕送り(かなり多額)もしてくるので俺には自慢の両親だ。
しかし、今回は違った。
俺の高校の理事長、月宮 英司 からだった。手紙が付いていてこう書いてあった。
杉宮 行人 へ
君の家の素敵な猫を我が校に入学させることにした。
箱の中に一式揃っている。耳はカチューシャなどで隠しておいてくれ。
じゃあ、頼んだよ。
理事長 月宮 英司
と、新聞の切り抜き見たいな感じで脅迫文みたいに作ってある。
あの悪趣味め・・・・・・・そんな情報をどこから・・・・・・・。
サキ「マスター?どうしたんですか?」
そこに狙ったようにサキが様子を見に来た。
俺は隠しても無駄だろうと思ったから普通に説明してやる。
行人「あぁ・・・・・・サキ、明日から、学校に行けるらしいぞ」
一瞬何を言われたのかわからずサキはキョトン、としている。
しかし、次第に意味を理解したのか目をランランに輝かせてこちらを見つめてきた。
サキ「え・・・・・・・わっ私・・・・・マスターと同じ学校に・・・・・・・行ってもいいんですか?」
行人「あいつが言うんだからな、間違いはないだろう」
サキ「あいつ?」
行人「俺のとこの理事長だよ」
サキ「り、”りじちょう”?」
行人「要するに学校で一番偉い人だ」
サキ「あぁ、なるほど」
サキはポン、と手を叩く。
行人「とりあえずこれを開けてみるかな」
俺は包みを開封、中には本当に制服やら、教科書やらかばんやら一式そろっていた。
サキは大好物を見るような目で包みの中身を見ている。
行人「とりあえず必要最低限のものは揃ってる。おまけに筆記用具やらノートやらも入ってる。福袋みたいなだな」
サキ「・・・・・・明日から・・・・・学校・・・・・マスターと一緒・・・・・」
サキはなんか目がどんどん怪しい光を放ってきてる。
サキ「あ、でも・・・・・・・・これどうやって着るんですか?」
行人「・・・・・・・・あ」
・・・・・・・・・・・・・・沈黙。
しょうがないので俺が教えてやった。
きわどい所はなるべく見ないようにした。
月宮め・・・・・・わざとだな・・・・・・。
そんなこんなで朝。
よりによってサキが「マッマスター、これどうやって着るんですかぁ〜〜〜〜〜」などと半裸で俺の部屋に飛び込んできたりしたがそれ以外は普通だ。
サキ「フンフン♪フ〜〜〜〜ン♪今日は〜〜〜〜学校〜〜〜♪」
よほど嬉しいのかサキはよくわからないメロディを奏でている。
時たまクルッ、と振り返り
サキ「エヘヘ・・・・マスター、どうですか?似合ってますか?」
行人「あぁ・・・・・・似合ってるぞ」
サキ「嬉しいです♪」
満面の笑み。
まぁ・・・・・・・悪い気はしないかな。
今日は普通に紹介した後に理事長の所に呼ばれてるからそこに行くことになっている。
学校についてまず担任の大河原にサキを連れて行く
行人「先生、転校生を連れて来たんですけど」
大河原「おぉ、杉宮か、よし、俺が理事長の所に連れて行こう、その後教室に連れて行くからな」
熊のような体格の数学教師の大河原がのっそりと立ち上がりサキを案内しようと職員室を出る。
サキ「では・・・・・マッ・・・・杉宮さん・・・・・また後で」
行人「あぁ・・・・・・じゃ俺は教室に行きますんで」
大河原「あぁ分かった。よし、えぇ・・・・と杉宮、行くぞ」
サキ「あ、はい」
サキは大河原のあとをトテトテ付いてゆく
サキが俺を変な呼び方をしたのは学校で「マスター」と呼ばせるわけにはいかないからだ、苗字も俺と同じ杉宮になっている。
さらに、箱の中に耳を隠す為のカチューシャ付きだ。
俺はサキを見送ってから教室に着く。
俺の席は窓際の一番後ろだ、その前に佐野(御馬鹿な同級生)が居る。
佐野「おっ!!来た来た、なぁなぁ行人よぉ♪
今日転校生が来るらしいぞ!!しかもかなり可愛いらしい」
行人「なんでそんな事知ってんだ?」
俺は席につきながら話を聞いている。
佐野「理事長が掲示板に貼ってたぞ、見てないのか?」
行人「はぁ!?」
おもわずいすから落ちそうになった。
あのくそ理事長・・・・・・・事を大きくするなよ・・・・・・。
佐野「何やってんだ?変な奴だな」
行人「いや、なんでもない」
そうこうしてると、大河原が教室に入ってきた。
大河原「あぁ〜〜〜〜、今日は転校生の紹介があるぞ」
雄「はい!!先生!!男ですか?女ですか?」
大河原「女だ」
雄(俺と女子を除いた)「YAHOOOOOOO!!」
大河原「静かにしないか、あぁ〜〜〜入っていいぞ」
サキ「失・・・・礼・・・・します・・・・・」
サキが申し訳なさそうに入ってくる。
サキ「・・・・・・・きゃ!!」
・・・・・・・・何も無い所で転んだ・・・・・・・・・。
サキは緊張すると妙にドジになる。
サキ「いたた・・・・・・」
妙に低姿勢な雄の集団にも気付かずにゆっくりと立ち上がり大河原の隣に立つ。
大河原「えぇ〜〜〜〜、じゃあ自己紹介」
大河原がサキの名前を書いてから言う。
サキ「あ、はい。えっと・・・・・・杉宮・・・・サキです。
皆さんどうかよろしくお願いします」
ぺこりとお辞儀をするサキ。どこからか俺に冷たい目線があるき気がするが気のせいだろう。
大河原「よし、皆仲良くしてやれよ!!
席は杉宮 行人の隣だ」
サキ「あ、はい」
こうして、お披露目は終了。
今は屋上に居る。
俺達は佐野がサキの歓迎会を開きたいと言い出したから屋上が一番だろうと思い今ここに居る。一人遅れてるが後で来るらしい。
佐野「では、サキちゃんの入学を祝って!!乾杯!!」
行人「乾杯!!」
サキ「あ、ありがとうございます」
普通に乾杯を交わした。しかし、ここで佐野が思わぬ行動に出た。佐野「で、ここで質問なんだが、サキちゃんと行人は同じ苗字だよな?関係あるのか?」
行人「あるわけないだろ」
もちろん、あるがここでそう言わないと面倒だ。
サキ「ふぇ!?そんなマスター」
・・・・・・・・・・!!!サキは素でそんな反応を示した。
・・・・・・・ちゃんと説明したろうが!!
サキ「はわっ!!なんでもないです!!」
しかし、もう遅かった。
佐野「サキ・・・・ちゃん・・・・・・その反応はもしかして・・・・・しかも「マスター」ってなんだ?」
もうここまできたらごまかせないと思った。
行人「・・・・・はぁ・・・・・そうだよ、サキは今俺の家で一緒に暮らしてる」
佐野が切れるのにもう何もいらなかった。
佐野「行人!!てめぇ!!裏切りやがったな!!」
行人「俺とお前に裏切るような物があったか?」
佐野「そうゆう問題じゃないだろ!!この変態め!!どうせ家でいたいけなサキちゃんにあんな事やこんな事を!!」
サキ「ぇ・・・・・えええ!?わっ私そんなことされてませんよぉ!!」
行人「そうだ、俺は何もしていない」
いつのまにか佐野は立ち上がって叫んでいた。
佐野「あぁ行人!!お前はいい奴だったのに!!
そんあ変態の道を歩むなんて!!俺は悲しいぞ!!」
行人「だから違うって!!」
段々腹が立って来た。
佐野「サキちゃん!!こんな変態につかまって可愛そうに!!
できるなら俺がッ・・・・・」
行人「ぇ?」
突然佐野が意味不明な倒れ方をした。
しかし、その後ろに立っていた人物で理解できた。
「五月蝿い・・・・・・・・・屋上で騒がないで」
行人「藤野!遅かったな、いや、助かったよ!!」
こいつは 藤野 真紀 整った顔立ちに赤ぶちの眼鏡。典型的なダンマリ。THEクラス委員のオーラ、佐野と俺と藤野は中学からの付き合いで一年の頃、俺が最初に作った友達だ。
そいつが居るとなぜ納得かというと、藤野の家は武道の家で、当然小さな頃から藤野もその影響でとても強い。そんじょそこらの男にも負けない。
昔、俺と佐野、同級生数人が十人ほどの不良に絡まれていた所を見事助けてもらった事があるほどだ。
今、藤野は佐野に手刀をかまして眠らせたようだ。
藤野「別に・・・・五月蝿かったから」
そっけない反応だがいつもこうだ。
藤野なりの照れ隠しの一種かもしれない。それか元々感情が薄いか・・・・・・・。
行人「いや、ありがとう!!助かったよ!!」
と、言っていると藤野が急にこちらを試すような目つきになる。
藤野「いや・・・・・私も聞きたいことが・・・・・ある
その・・・・・・サキさんと本当に一緒に住んでるのか?」
・・・・・・・・聞かれてか。
行人「聞いてたのか」
藤野は黙って首を縦に振る。
行人「そうだ・・・・・だけど、聞いてくれ、俺は何もしていない、本当なんだ」
必死に説得を試みる。
藤野「・・・・・・・・本当に・・・・・なにも無いんだな?」
行人「おう」
藤野「間違いなど・・・・・・・起こってないな?」
行人「あぁ、起こってない」
藤野「・・・・・・・・なら・・・・・いい」
その後はいたって普通。
倒れる佐野をよそに三人でおとなしく昼を食べた。
その放課後、学校は特に問題は無かった。
サキがほとんどの授業で”はてな”を浮かべていた事以外は。
俺とサキは理事長に呼ばれてたから佐野や藤野と別れた後に理事長室に向かう。
サキ「”りじちょうしつ”ってあの・・・・・・私が最初に向かったところですか?女の人しか居なかったんですけど・・・・・・・」
行人「あぁ・・・・つい最近見るようになったけど、秘書のマキナさんだよ。あいつはあれでも忙しいらしい」
サキ「そうなんですか」
やがて豪華な材質の板に理事長と書かれたものが掛かってる部屋に着く。
俺はかまわず、部屋のドアを開ける。
サキ「ちょっちょっと、マスター、ノックくらいしないと!!」
行人「いいんだよ」
サキ「え?」
部屋に入ると接客用と思われる大きな机が一つ、豪華なイスが並んでる。
その奥にこれまた社長が使うような豪華な机、その隣にマキナさんが立っている。
そしてそのまた隣に大きくてここにあるどのイスよりも豪華でなんかムカつくイスが外向きになっている。
「やぁ行人君、サキ君も連れてきたようだね」
行人「あぁ、で、話ってなんだ?」
「ふっふっふ・・・・・・それはね」
イスが静かに回る。
サキ「ひにゃ!?」
途端サキが小さな悲鳴を上げる。
そして俺の後ろに隠れ尻尾をピン、と立てている。
サキ「だっ誰ですか!!」
行人「理事長の月宮 英司だよ」
サキが驚いたのも無理は無い、月宮は顔に変な仮面をつけているからだ。
それも日ごとに変わる。今日はガスマスクだった。しかも体型は俺達くらいだから妙にアンバランスだ。
月宮「驚くことは無い、私はみての通りここの理事長だ」
何処が見ての通りなのか説明して欲しい。
サキ「でも・・・・そんな変な仮面つけてる人が理事長だなんて!!信じられません!!」
月宮「ふむ、存外だな、この仮面は結構気に入ってるのだが・・・・・・」
行人「それで、話ってなんだ?」
このままでは一生続きそうだから俺は本題に入るように促す。
月宮「あぁ、そうだったな、ではまずは掛けてくれ」
俺達は言われたとおりにイスに座る。
すると、月宮がパチン、と指を鳴らす、それと同時にマキナさんがすばやく出て来る、そして飲み物と書類を出してきた。
月宮「まず、それが入学関係だ、あらかたは私がやっておいたが本人が書かないと行けない所があるから、君かサキ君が書いてくれ」
行人「あぁ、分かった」
月宮「それと・・・・君達に話しておきたいことがある」
急に声色ががらりと変わる。
行人「・・・・・・・・なんだ?」
俺も流石にまじめになる。
月宮「君達はこれを見たことがあるだろう?」
そうして出された物はペンダントだった。
そしてそれはとても見覚えがあるものだ。
そう、サキが人間になったきっかけの石のついたペンダントだ。
行人「お前、それ・・・・・・・・」
サキも驚きが隠せないようだ。
月宮「最近、この町で十数個見つかっている、幸いなことに人間になった動物は少ないようだが、適応があるらしい、そして、そこにいるマキナも私の猫だった」
!!!!・・・・・・・・・・。
もはや言葉が出ない。
月宮はかまわず続けた。
月宮「ついこの間この石が私のところに届けられてね、なにか特別な物ではないか調べてくれという物だ、そして、私の可愛いマキナがこうなった」
するとマキナさんにいつの間にか耳と尻尾が生えていた。
しかし、俺はもう何も言うことが出来ない。
月宮「一応はこれは人間には無害みたいだが、これはまだ未知ゆえに多くの危険を孕んでいる、君自身にも危険が及ぶかもしれない・・・・・」
話は聞いていてはっとした。それは・・・・・・サキと俺を放したほうがいいということか?
月宮「どうするかね?なんならサキ君と君を隔離という手も・・・・」
行人「くそくらえだな」
サキ「え?」
これ以上は言わせない、言わせちゃいけない。
行人「確かにこれを持っていると危険が及ぶ可能性は否定できない、だけどな
俺はサキの飼い主(保護者)だ!!
サキと一緒に住み始めてから、俺はサキを最後まで必ず面倒見るって、絶対に守るって決めたんだ、例え・・・・俺の身を犠牲にしてもだ!!」
サキ「マスター・・・・・・・・」
月宮「・・・・・・・クックック・・・・・アッハッハッハッハ!!
参ったな!!いやこれは失礼、君がそこまで言うなら私は何も言わないよ、・・・・・・クックック・・・・私も出来る限り協力しよう」
行人「じゃあ・・・・・今日はもういいか?」
月宮「あぁ・・・・・・大丈夫だよ、気をつけて帰りたまえ」
マキナ「・・・・・・・コク」
マキナさんは最後までしゃべらなかったが最後に礼を一つしていた。
========完===========

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