あちこちで、高齢者にパソコン教えて、
同じ高齢者にボランティアで教えてもらうという
一石二鳥のような発想で講習が行われている。
それは、それでよい事なのだが・・・
教え方の方法や対処の仕方は確立されていない。
高齢者に対する講習の仕方は、
一般のそれとは違った観点が必要である。
身体的、思考的能力の問題もさる事ながら
残りの人生におけるライフワークと
道具としてのITの役割は、個々千差万別である。
その方にとって何が必要なのか?
事前によく話し合う必要がある。
ほとんどの教室でワード、エクセル至上主義のように
教えている。
たしかに、世間では、圧倒的シェアを占めている。
独占禁止法や自由競争の話を持ち出す気はないが
個々の生徒さん達に必要かどうかは疑問である。
初心者の生徒さんに「何がしたいか?」と聞いても
答えられない人がほとんどであるが
事前にカンセリングして、趣味や特技、身体の状態
などを聞き出して提案して行く事は出来る。
その内容にそった、ソフトの選定や機器の設定も
我々の仕事ではなかろうか?
CPUがこれくらいで、
メモリーがこれくらい
ハードディスクの容量がこれくらい
と機器のスペックだけをアドバイスしても
本人が電気屋に行って購入出来る物では無い。
店員に益率の高い機器を売りつけられるのが落ちである。
出来れば購入時に同行して本人の意向を聞きつつ
店員と渡り合う事も必要かもしれない。
キーボードの大きさ、文字の大きさ、視認性、色
といった事も重要な要素である。
モニターの大きさや解像度も考えなければならない。
バンドルされたソフトも重要なファクターである。
通販などで、「400ものソフトをバンドルして・・・」
などと言っているが、現実には、そんなに、使いこなせないし
そんなに、ソフトを入れればハードディスクの容量も減る。
トラブルの元である。
しかし、初心者は、お得感で買ってしまう。
失敗に気づくのは1年後位である。
話を戻そう。
高齢者の年齢は、講習内容を変化させる。
現在、教えている80代の男性は
「この機能を全部使いこなせるようになる頃には、お迎えが来ますな!」
と言いながら練習している。
それでは、意味が無いと思う。
パソコンを習う事が目的であってはいけない。
パソコンと言う道具を使って社会と関わったり
何かを創造したり表現する手段として使ってほしい。
衰えた身体的能力の補助であってほしい。
もちろん、講習の半分位は、
話し相手をする事もある。
毎週、講習に行っていると
精神状態や体調の変化も気になる。
ケアマネージャーや居宅介護事業所との
連携が必要な場合もある。
パソコンの専門家だけでは勤まらない。
会話の端々から状況を読み取って
何が必要で、何が必要でないのか
判断して行く必要がある。