
■今日、iGaさんのブログ『
MADCONNECTION』のエントリーでは、
石川初さんがお仲間の
田中浩也さんと実践されている「グラウンディング」が紹介されていました。建築・都市計画の雑誌『10+1』の
ウェッブ・サイトでの「
見知らぬ場所へのアプローチ──グラウンディングのまなざし」です。
■ふだん、『10+1』のような雑誌を読むことがないので、iGaさんの情報は本当に助かります。iGaさんどうもありがとうございました。
■さて、「見知らぬ場所へのアプローチ──グラウンディングのまなざし」なかに書かれているのですが、石川さんたちのグラウンディングのねらいは、「
広域デザインと空間デザインの乖離」をどのように乗り越えるのかというところにあるようです。これは、建築、都市計画、ランドスケープアーキテクトといった工学的分野の世界の話しだけではなくて、私たち環境社会学のような社会科学の立場から環境について学んでいる者にとっても、重要なテーマのように思います。環境社会学にひきよせていえば、
環境に対するリアリティが空間スケールによって異なり、そのあいだに乖離が生じてしまうということです(私自身は、その問題を、流域管理の問題で、コミュニケーション、ガバナンス、コモンズといった概念との関係で考えています)。
■石川さんたちは、この乖離を乗り越えるための方法が2つあると述べています。1つは、「
さまざまな『地図』を駆使しつつ、地図的な視座が拾うことのない土地の潜在性を読み取るような、いわば『地図のリテラシー』を磨くこと」です。2つめは、「
地表の実体験の感度をあげること」です。「時に電子デバイスで『拡張』した私たちの身体をして、都市を探査するセンサーにしようと思う」ともお書きになっています。では、このような実践の目的はどこにあるのでしょうか。『10+1』のウェッブサイトでは次のように書かれています。「
『地図』と『地表』の絶え間ない往復運動と循環のなかから、都市の(一見)人工的な層の下に隠れて眠っているものを見出す、いわば新しい都市観/自然観を作り出したいと考えている。」実際の記事は、3月下旬に発売される『10+1』に掲載されるようです。
■この拙ブログで「
はまってしまったGoogle Earth マズイ!!」(2006年1月14日)を投稿したときに、石川さんにコメントをいただきましたが、そのときは、「虫の目マインドで使いこなす神の目ツール」なんてことをお書きになっていましたし、石川さんのご自身のブログ『身辺メモ』のエントリー「
Tokyo according to Kenzo」(2006/1/29)、そのコメント欄での私とのやり取りのなかで、「全域的視点と局所的経験の乖離をめぐる問題」、略称「鳥虫問題」などともお書きになっています(石川さんは、ユーモアのある人ですよね〜)。
■いろんな分野の皆さんと、この「乖離問題」について考えていければなと考えています。
【追記1】
こういう紹介は、少々うんざりされていると思うけれど、ランドアーキテクトである石川さんは、「
東京ナス化計画」で有名です。このことがひとつの契機となってTV番組『タモリ倶楽部』(ナスカの地上絵を越えろ!「我らがタモリをGPSを使って地球に描こう!」)にも出演されたようです。
水道橋博士さんのブログにも紹介されています。知り合いの学生たちも、このタモリ倶楽部をみたといっていました。でも、そのようなユーモアの石川さんの隣には、生真面目な石川さんが存在しています。そこが「いいな〜」と思うのです。
【追記2】
以下のサイトに、『10+1』の記事について、次のように説明されていました。
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=R0175115
「グラウンディングとは『ground(地表)+ing(進行形)』、地表の現在進行形をあらわしています。iPodやGPS携帯、デジタル万歩計などがごく日常的に使用される現在、それらを持ち歩く私達は知らず知らずのうちにグラウンド(地表)と連動しているのではないか、というのが今回の特集テーマです。前半の【テクニック編】では、石川初氏の論考を中心に、東京の凹地を観察し体験するグラウンディング集団「
東京スリバチ学会」の活動などを取り上げ、後半の【テクノロジー編】では、田中浩也氏を中心に、GPSやiPodなどの身近なツールを取り上げます。巻頭インタビューでは、『
アースダイバー』で話題の
中沢新一氏も登場の予定。」
へ〜、巻頭インタビューもおもしろそうですね。ところで、私も【テクニック】や【テクノロジー】にはとても関心があるのですが(今のところ使いこなす能力はありませんが…)、私の関心の中心は、このような実践が、さまざまな場所で「カスタマイズ」されながら、「どのようにして」地域社会に浸透していき、「地域の力」となりうるのか、ということのほうにあるのかなと、自分自身では思っています。そういう点から、このような魅力的な考え方を自分なりに受け止めていきたいと思います。

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