
■あけましておめでとうございます。昨年の12月27日(といっても、5日前ですけど…)、「
わがやのお雑煮大会」をアップしました。東京在住の建築家・玉井一匡さんが、ご自身のブログ『
My Place』で多くの皆さんに呼びかけられた企画に、呼応したものです。多く皆さんとともに、各自のブログでお正月の「
わがやの雑煮」についてエントリーしようという呼びかけなのです。以下では、我が家の元旦のお雑煮をご紹介させていただこうと思います。
■その前にちょっとお詫びを。お正月そうそう、とんだピンボケ写真になっています〜。テーブルに焦点があってしまっているようです。すみません。というわけでサムネイルサイズです。そのことを、グッと我慢していただき、さっそく元旦の雑煮の説明にはいることにいたしましょう。トップの写真、左が元旦のお雑煮、右が二日・三日の雑煮です。

■我が家のばあい、元旦は、「おすまし雑煮+焼いた丸餅」です。昆布でとった出汁に、鶏モモ肉を加え、そこに水菜(京菜)を加えます。東京だと、水菜ではなくて小松菜なのでしょうが、まあ関西で簡単に手に入る菜っ葉ということで、水菜になっているものと推測されます。味付けは、酒・薄口醤油少々・塩少々です。あとは、焼いた丸餅を加えて、雑煮椀にもります。香りとして、柚子の皮を添えます。
■左上の写真は、作る前の材料を撮ったものです。丸餅は10個。家族4人の数としては多いように思われるかもしれませんが、ひとつがとても小さいものですから…。残念ながら、パック入りの餅です。昔は、餅ひとつといっても、もっと大きなものでした。それに手で搗いた餅は、しっかりしていました。最近のパック入りの餅は、なんだか柔らかすぎていけません。でも、まあ、仕方ありませんね〜。

■二日と三日は、「白味噌雑煮+焼いた丸餅」です。昆布出しに鶏モモ肉を加えるところまでは同じですが、野菜は、金時人参と祝い大根です(左の写真)。里芋を入れることもありますが、今回は入れていません。祝い大根とは、太さ4cmくらいの小ぶりの大根のことで、関西ではお雑煮に欠かせません。そして、やはり焼いた丸餅を加えます。香りとして、柚子の皮を添えるのは、元旦と同じです。三つ葉を入れることまありますが、今年はなし(なんだか、今年はちょっと手抜きですね)。関西では、雑煮の餅は、一般にはあまり焼かないはずなのですが、我が家のばあいは、どういうわけだか焼き餅です。
■我が家のお雑煮、どうして元旦と二日・三日目とは違うのでしょうか?私の家のルーツに関係しているのでしょうか?あまり深く考えたことは、ありません。「我が家のお雑煮」はいわば自明の存在となった「伝統」食だからです。
■私の父親の系統の出身地は、和歌山の紀ノ川沿い、高野山の麓るにある地域です。ところが、父親の父親、つま父方の祖父が東京で事業を起こし、私の父親は東京に暮らした経験があります。私の頭のなかでは、この時点で、我が家のお雑煮に「東京風」の「すまし」が入ってきた…子どものときから、そのように頭のなかで整理されていました。それを疑うこともありませでした(まあ、よく考えたら変なんですけどね)。
■いっぽう、母親の母親、母方の祖母の系統のルーツは、四国の徳島です。そして、母親自身が育ったのは大阪です。というわけで(かどうかは知らないけれど)、二日と三日の朝は、白味噌の関西風の雑煮になります。しかし、母親の父親、母方の祖父は福岡の出身ということもあり、煮しめは、いわゆる筑前煮になります。福岡では、「
ガメ煮」と呼ばれます。
■元旦は父親の幼い頃の経験が尊重された雑煮で、二日・三日は母親の系統のお雑煮に、そういうふうに私の頭のなかでは、(少年の頃から30数年間…)ずいぶんシンプルに整理されていたのです。ところが昨日の元旦、両親のところへいったときに意外な事実を知ることになりました。母親がいうに、元旦のお雑煮も母親の系統のものであり、関西でもすましの雑煮を食べていたというのです。「だから、水菜が入っているやないの。水菜は関西の野菜やで。大阪でも昔から、すましのお雑煮をいただいていました。」が〜ん、頭のなかに整理されていた“お話し”は、見事に砕け散りました。ガーン!そうだったのか〜…。
■伝統とは何でしょうね。明確な実体をともなった、いわゆる正統な、きちんとした伝統も存在することは間違いありませんが、その一方で、伝統とは、その時々の事情により人びとによっていろんな要素が付け加えられたり、引かれたりしながら、常に組み替えられながら再生産されている側面をもっているはずです。そのばあい、伝統の実体そのものよりも、「これが伝統なのだ」という信念のもとに行われる実践やその過程そのものに、「伝統」を考えるさいの関心は移行していくことになります。
■本来、「正月」というのは民俗学的・歴史学的にみれば、家の先祖を祀る祭祀儀礼でした。そのため、各「家」の祭祀の料理も、その「家」のなかで伝承されていたように思われます(社会化されにくい)。雑煮についてもそうです。ですから、玉井さんが「
わがやのお雑煮大会」のなかで、「現代の社会では、しごとや結婚による移動が増え、それぞれに生まれた場所と生活する場所、さらには親や祖父母の出身地などがお雑煮の形式に反映しつつ混じり合うようになっているのではないでしょうか」とお書きになっていることは、とても興味深いわけです。我が家の「伝統」と思っていることも、そのような社会移動や遠隔地間の婚姻により複雑化していくことは避けられません。そこでは、「伝統」は再創造されている可能性があるわけです。
■が、しかし。お正月からこんな話しを続けるのは「なんだかな〜…」なので、ここで家内の系統のほうに話しを移しましょう。家内の両親は、福井の出身です。福井の雑煮はとてもシンプルです。餅そのものを重視しているようでもあります。具は入れても、大根とかカブ。味は、白味噌ということにるそうです。もちろん、福井のばあいも、家々によって入るものが多少異なってくるのでしょうが。興味深いのは、福井のほうは味噌雑煮だと思っていたのですが、家内がいうに、子どもの頃、醤油味、それもかなり濃い色をした醤油の雑煮を食べたことがあるというのです。具は餅だけ。これは意外ですね〜、そんな雑煮もあるんですね。今日の晩、妻のほうの両親に新年会で会うので、少し伺ってみることにしましょう。
■ここまでの説明で、「わがやの雑煮」は、私の実家の系統ばかりで、妻の系統が入ってきていないことがおわかりいただけたと思います。交配していません。しかし、私が独裁的で抑圧的に「雑煮はこうじゃないとダメや!!」と強制しているからではありません。家内のほうに、「雑煮はこうでなきゃ」というこだわりがなかっただけなんです。そういう意味で、「わがやの雑煮」とは、なんだか現代の「家族内の人間関係」や「夫婦両方のパーソナリティ」が深く関係しているように思うのですが、いかがでしょうか?
■さて、ここで他所様の「わがやの雑煮」についてご紹介しておこうと思います。お2人の岩手県在住の、ぼんずさんと菅野亜紀さんが、情報をお寄せくださいました。
【ぼんず さん】ぼんずさんのご実家は、岩手県南部の地域にあります。
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だしはカツオとイリコ出汁の「もと」をつかったそうです。
具は油揚げ、大根、にんじんを細切りにして
それに鳥肉を適度に入れて醤油で味を調えます。
それについた餅を一口よりちょっと大きいくらいに手切りしたものを一人当たり2,3つ分一緒に煮て椀によそります。
椀によそったらその上に醤油いくらを大匙二杯くらい。さらにミツバをちょっと乗せて出来上がり。
どこ風のものかはわかりませんが多少の変化はあれどもずーっとこんな感じ。
隣には数の子と黒豆の煮た物、季節の漬物などが並びます。
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【菅野亜紀さん】菅野さんは、岩手の大学で教えていたときの教え子です。お住いは、岩手県の真ん中、北上市です。
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ちなみに我が家のお雑煮は岩手発で、かつおだしに千切りの大根・人参・牛蒡そしてしいたけと油あげが具で醤油ベースです。おもちはちぎったもちを入れます。オリジナルはだしは煮干か無ければしいたけだけだったそうです。ハレのメニューとはいえ、おもち以外は質素ですね。「わがやのお雑煮大会」を見たのでつい。。
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■こうやってお2人のお雑煮情報を拝見していると、手でちぎった餅を入れるというところが共通していますね。岩手県の南部の一関あたりだと、餅がしっかり生活文化のなかに根付いています。そこからの影響なのでしょうか。それから、油揚げがはいっているところも共通していますね。ぼんずさんのところは、「醤油いくらを大匙二杯くらい」というトッピングが、岩手らしさを感じさせます(岩手は、新潟県と同様に“鮭どころ”です。)
■“ご近所ブログ”の玉井さんが企画・発案された、「わがやのお雑煮大会」には、以下のブログの皆さんがすでにエントリーされているようです。“ご近所ブログ”のエントリーからリンクを転載させていただきました。あわせてご覧ください(確認できしだい、エントリーは随時追加していきます)。
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af_blog(塩尻)
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藍blog(盛岡・花巻)
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aki's STOCKTAKING(関東・水戸)
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Chinchiko Papalog(関東)
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CHRONOFILE(佐渡)
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どないですか
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一年三六五枚(名古屋)
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kai-wai散策(関東風)
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KARAKARA-FACTORY(茨城県古河)
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MADCONNECTION(東京)
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MyPlace(新潟)
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N的画譚(東京)
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iwakiさん(mixi)(東京、和歌山)
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たまには日記でも・・・
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東京クリップ(東京)
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some origin(熊本)
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谷中M類栖(広島)

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