
■私の10歳までの記憶は「団地」とともにあり、18年後の新婚生活も「団地」から始まりました。計算してみると、単身赴任時代に住んだところも含めて、20年近く「団地」で暮らしてきたことになります。私の人生にとって、「団地」の占める位置は、特別なものがあります。
■このブログでも、しばしば「団地」のことを取り上げてきました。最近では、東京の阿佐ヶ谷住宅のことを数回にわたり取り上げていますが、一番最初の「団地」関連のエントリー、全国の団地を精力的に取り上げたサイト
『団地百景』(管理人:HAMさん)を紹介した「
団地(その1)」です。そのHAMさんのお名前(ご本名の方)を、しばらく前に手元に届いた『
僕たちの大好きな団地』の執筆者紹介のなかに“発見”してしまったのでした。HAMさんだけではありません。時々お世話になっている
『ALL-A』のtksさんも執筆されています。
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04 序章 聖地・赤羽台団地を訪ね歩く
09 団地をもっと知るための基本用語集
11 スターハウスを鑑賞する
17 建物フェチなミュージシャン 大江千里が語る団地への思い
21 団地を彩る名脇役達
オブジェ/給水塔/住棟壁画/遊具/扉・住棟番号
第1章なつかしの昭和30年代-2DKの誕生-
28 昭和30年代の団地2DKをここに再現!!
30 団地2DK誕生秘話
32 産声をあげるダイニングキッチン
34 団地2DKトピックス
36 団地の食生活の変化
38 団地の中の家電製品
第2章集まれ!!団地探偵団
42 団地探偵団座談会-団地のどこに萌えるのか?-
46 映画の舞台となった団地
49 わたしの団地の見方-住宅都市整理公団 大山顕-
50 団地の「あるある!」物語
54 団地マニア界の勝ち組を直撃!!
第3章団地カタログ
56 関東編
74 関西・中部編
84 中国・九州編
91 団地のディズニーランド潜入!!
92 昭和30年代、団地・生活年表
95 参考文献一覧・協力ホームページ
Special column
72 団地と私鉄 原武史(明治学院大学教授)
88 団地の源流を辿る 大月敏雄(東京理科大学助教授)
94 団地とバス
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■この目次にも「団地2DK誕生秘話」というタイトルで出てきますが、「2DK」は私の記憶の原点です。その原点とは、神戸市の六甲山麓に建設された「鴨子ヶ原団地」です。すでに老朽化し建て替えられています。人生の記憶は、この「団地」から始まります。その後は、山口県下関市の「山の田団地」、北九州小倉の「城野団地」に引越しました。「山の田団地」と「城野団地」は少しだけ広く間取りは3Kでしたが、「山の田団地」は、いわゆるテラスハウスで庭がついていました。結婚後に住んだのが、奈良市の学園前にある中登美団地。こちらも3Kでした。その後も、公営住宅や大学の教員住宅などの「団地」に住みましたが、私のなかで「団地」といえば、子どもの頃や新婚時代に暮らした「
日本住宅公団」の「団地」、昭和30年代・40年代初期に建設された「団地」ということになります。
■『僕たちの大好きな団地』を読んでみて、思ったことが2つあります。ひとつは、最近たびたび思うことですが、自分の人生の経験・記憶が社会のなかで「歴史化」していっている、ということです。まあ、50年近くも生きていると当然ですかね。「歴史化」されることにより、「団地」での個々人の経験・記憶が、流動的で多様な現実を含む「生きられた世界」のそれではなく、メディアの影響等もあり、もっと固定化された客体、言い換えれば定型的な語りとともに説明されるモノ的な世界に置き換えられていくということでしょうか。まあ、このようなMook本が出版されるわけですから、ね。
■もうひとつは、「団地」の“楽しみ方”も含めて、「団地」との関係のあり方は実に様々なのだなあということ。それがよくわかったのは、第2章の「団地探偵団座談会-団地のどこに萌えるのか?-」、5人の団地好きの皆さんによる対談です。驚いたのは、登場されている皆さんです。
■阿佐ヶ谷住宅でトタンギャラリーを運営されている『
阿佐ヶ谷住宅日記』の大川幸恵さん。ご近所ブロガーの間では「小林@団地さん」で知られる小林良さん。「
団地百景」のHAMさんこと長谷聡さん。長谷さんと一緒に熱心に全国の団地を紹介されている
「公団ウォーカー」の照井啓太さん。5人の対談者のうち4人のお名前を、すでに存じ上げているということです(これって、どう考えたらいいんだろう…)。それはともかく、この5人の皆さんの語っておられる内容、特に、その団地に対するスタンスの違いが、私には興味深いものでした。生きてきた時代、人生のなかでどういうふうに団地と出合ったのか、そのあたりの違いが微妙に反映しているような気がしないでもありません。まあ、個人の趣味の違いといってしまえば、それまでなんですが。
■それと、『
住宅都市整理公団』(
別棟)の大山顕さん(総裁)が、「団地の楽しみ方はさまざまだ」「団地は今も生きている。ノスタルジーだけが団地鑑賞ではない。」と力説されていることも、眼にとまりました。このあたりのことは、総裁ご自身のブログでも強く主張されています。また、
石川初さんも、この総裁のご主張に関連してエントリーされています。
○
「屈折した片思いとしての団地愛」よりさらに屈折して(大山顕さん)
○
屈折した片思いとしての団地愛(石川初さん)
■感覚的に一番近いなと思えたのは、「建物フェチなミュージシャン 大江千里が語る団地への思い」でしょうか。
大江千里さんは、年齢がほぼ同じ(同じ関西出身の、しかも同窓生)、「団地」との関わり方とその時代背景が共通しているからなのかもしれません(インタビューを読んで、「建物フェチ」というタイトル、違うんじゃないのかな〜と思いましたが)。大江さんの子ども時代の「団地」での暮らしの経験、当然のことながら私とは異なるものですが、大江さんの語りはよく理解できます。これも「ノスタルジー」なのかもしれません。しかし、重要なことは、メディアも注目するような形でのノスタルジー、固定化された客体としてノスタルジー、定型的な語りとともに説明されるモノ的な世界としてのノスタルジーと異なる、そしてそこには回収できない、大江さん独自のノスタルジー、個別のノスタルジーがインタビューの語りの中には存在しているのではないかと、ということです。「個別」の経験・記憶のなかには、「特殊」の側面と「普遍(一般性)」の側面が並存しているわけですから。
【付記1】あともうひとつ。「団地マニア界の勝ち組を直撃!!」で、「小林@団地さん」(小林良さん)のご自宅の様子が公開されています。リノベーションすると、こうなっちゃうんですね〜。お風呂がまん中にあるのには、驚きました。
【付記2】ところで、このような本って、どのぐらいの取材・執筆期間でつくられるんでしょうね?すでにあるストック(人的・資料的)を、最大限活かしているようですね。
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このブログでは、団地や集合住宅に関連して、以下のようなエントリーをしてきました。
○第五回アースダイビング 善福寺川と阿佐ヶ谷住宅地の50年を探る。(その3)-阿佐ヶ谷住宅-
○阿佐ヶ谷テラスハウスの出来事(その1)−故郷としてのテラスハウス-
○阿佐ヶ谷テラスハウスの出来事(その2 )-『とたんギャラリー』-
○阿佐ヶ谷テラスハウスの出来事(その3)-iwakiさんとアコーディオン-
○トヨクニハウス
○軍艦アパート
○軍艦アパート(その2)
○軍艦アパート(その3)
○団地(その1)
○団地(その2)

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