「地域づくりの「基本」ってどういうことなのだろう」
環境/まち・中京

■今年の6月11日のエントリー「
生涯学習と地域づくり-各務原市で考えたこと-」では、お手伝いをしている岐阜県各務原市の「『地域づくり型生涯学習』推進モデル事業」についてお伝えしました。その後、このモデル事業は順調に進み、
8月25日(土)には中間報告が行われました。そして、先週の週末12月22日(土)には、最終報告会が開催されました。最終報告会では、「歴史グループ」、「文化・教育・地域情報支援グループ」、「自然・健康グループ」、「コミュニティ支援グループ」の4つのグループがそれぞれの取り組みについて報告されました。
■それぞれのグループの皆さん、早稲田大学WABOT-HOUSE研究所の小笠原伸先生のアドバイスのもとで、以下を自らのグループの課題として設定し活動されました。また、角グループには、生涯学習を担当する各務原市役所の職員もメンバーとして参加され、活動をアシストされました。
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【歴史グループ】
○鵜沼宿を中心とした文化史跡の情報発信を市民に対して行う必要がある。
【文化・教育・地域情報支援グループ】
○市民が作成した作品を身近で発表できる「場」の情報整備が必要である。
【自然・健康グループ】
○毎年厄介者扱いされる「銀杏」と「いちょうの葉」を、市民の喜びにかえていく必要がある。
【コミュニティ支援グループ】
○各務原の四季を感じる食物をとおして食文化を次世代に伝える必要がある。
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■4つのグループの最終報告、大変、興味深く聞かせていただきました。今回は、自然・健康グループの日比野さんの
レポートがネット上に公開されているので、少しご紹介したいと思います(トップ写真は最終報告)。
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〜いちょう通りの宝を拾う日〜
実施までの道のり
自然・健康グループ 日比野聡子
わたしの住む各務原市では、今年度、身近な地域課題を住民自らの力で解決しようとする活動を行う、「地域づくり型生涯学習」推進モデル事業を行っています。この事業は、四つのグループ(歴史、自然・健康、文化・教育・地域情報支援、コミュニティ支援)に分かれて活動しています。私が所属する自然・健康グループは、通称「いちょう通り」のいちょうの木の「ぎんなん」と「いちょうの葉」に着目しました。いちょう通りは、各務原市のほぼ中央に位置する東島の池北側・関江南線から分岐して岐阜市方面に伸びている県道で、歩道と車道の境にいちょうの木が植えられています。このいちょうの木がちょうど「ぎんなん」が実る樹齢に育ってきて、9月下旬〜10月下旬ともなると、ぎんなんが、歩道や車道に落ちて車に踏み潰される様子を見かけました。そこで私達は、このぎんなんといちょうの葉を課題に取り上げて、地域の皆さんのお力をお借りして課題解決していこうと考えました。
まず、ぎんなんについてですが、今年は例年より実が落ちるのが早いため、ぎんなんを拾う日を10月13日(土)に設定して、現地調査を行いました。候補地は、道路側に借りられそうな駐車場があること、大粒のぎんなんが実っている木があること等を踏まえて、那加石山町2丁目、いちょう通り南側の歩道を考えました。
手順としては、自治会長さん宅へ案内を持参して事業の趣旨・概要を説明しました。そして自治会内で回覧する回覧板に案内を入れていただくようにお願いしました。また、駐車場としてお借りできそうな場所を探し、持ち主の方及び店舗事業主の方への説明を行いました。また、歩道を使用しての活動を行いますので、各務原警察署への道路使用許可申請を行いました。当日必要な三角コーン・ガードパイプ等備品は市観光交流課でお借りしました。イベント当日は、天候に恵まれ主催者側を除いて住民側の方約30名程参加していただけました。作業は、地域の方のご協力で約1時間程度で無事終了し、いちょうの木のぎんなん拾い及び周辺道路清掃を行い、通りがすっかりきれいになりました。また、いちょうの葉の効能は、個人差がある民間療法ですが、青い時期に採取しハーブティーに利用できますと書かれたチラシも配布しました。参加していただいた地域の方の感想は、おおむね好評で、できれば来年も範囲を広げて作業したいと考えています。
市民生活の課題を自分たちで解決するというこのワークショップを通して、私が感じたことは、最初は名前も知らない方たちの集まりが、一つの共通の目標(課題解決)ができたことによりそれぞれが持っている知識・技術等を合わせ課題解決に向かって協力していくことのすばらしさや、地域の方の協力が不可欠であること等多くのことを学びました。
このワークショップを通して学んだ内容を、今後の活動に活かして地域参加していきたいと思っています。(青字は、わきたが強調)
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■報告のさい、日比野さんは、次のようなことを指摘されました。たとえば、活動をするにしても、「掃除をしたあとに手に入る銀杏は誰のものなの?」、「道路での清掃作業は、交通の障害になるかもしれない、どうすればよいの?」、「近くの皆さんの協力を得たいけれど、誰に頼めばよいの?」、こんなことがよくわからなかった。つまり地域社会に課題があることは漠然とわかってはいても、その解決にむけて具体的に進めていく具体的な「手順」をどうすればよいのか、そのあたりのことがよくわからなかったのだといいます。また、清掃に参加していただくにも、なにか事故等がおきたときのために保険をかける必要がありますが、その費用をどのように捻出するのか、という問題も浮上してきました。
■日比野さんご本人が上にお書きになっていように、そのような活動上の問題を、グループのメンバーの皆さん(もともとはお互いに面識はない)が、それぞれ「持っている知識・技術等を合わせ課題解決に向かって協力して」いくことで乗り越えていかれました。日比野さんは、並木道の清掃作業という、たいへん身近な課題に取り組み、自ら活動をリードするなかで、地域づくり活動の「基本」(=多様な人々による協働関係の構築)が具体的にどういうことなのかを、身をもって学ばれたのだなあと、とても感心したわけです。地域づくりのノウハウって、自分の経験のなかから身についてくるんですよね〜。
■それからもうひとつ。これまで知り合うこともなかった人びとと協働関係を構築する過程に、ある種の「喜び」や「達成感」が伴っていることです。具体的な課題解決の背後で生み出されるこのような「喜び」や「達成感」(人との関係のなかでしか実感できないもの)、言い換えれば、「自分たちもやればできるじゃないか」という感覚、このような感覚が共有されていくことが大切なことなのだとも思うわけです。このような感覚をもった人びとを、地域社会のなかに増やしていく。そのような方たちの間に協働関係が生み出されやすい状況をつくっていく。行政が地域づくりを進めていくさいに、具体的な事業や成果ばかりに目が行きがちですが、同時に、こような「人びとの意識」にも十分に目を向けていく必要があるように思うのです。
【追記】■街路樹関連ですが、「
街路樹剪定と地域の景観」(2006/7/16)をエントリーしています。

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