
(和田先生の総合地球環境学研究所退官記念講演)
■十数年にわたって、いろいろお世話になってきた和田英太郎先生(京都大学名誉教授、海洋研究開発機構プログラムディレクター)が、長年取り組んでこれらた「流域単位の生態系の多様な構造の解明と環境変動への応答に関する研究」で、日本学士院のエジンバラ公賞を受賞することになりました。日本学士院エジンバラ公賞は、エジンバラ公フィリップが日本学士院の名誉会員となったことにちなんで創設されたもので、特に、自然保護、種の保全の基礎となる優れた学術研究に対して隔年1件で授賞されるものです。以前、勤務していた琵琶湖博物館の館長である川那部浩哉さん(川那部さんは、「先生」と書くと怒るから・・・)も、1996年に受賞されています。
■1997年、琵琶湖博物館で主任学芸員として勤務していた時代、和田先生は、京都大学理学部生態学研究センターのセンター長をされていました。そして、「これから大きなプロジェクトをたちあげるので、博物館からもぜひ参加してください」と、博物館に要請にこられました。それが、和田先生との最初の出会いでしょうか。その大きなプロジェクトととは、日本学術振興会が進めた、未来開拓学術研究推進事業のなかの、 複合領域6:「アジア地域の環境保全」 のなかの和田先生を代表とする「地球環境情報収集の方法の確立−総合調査マニュアルの作成に向けて−」です。和田先生のご専門は、安定同位体を使った同位体生態学で、環境社会学を専攻する私とはまったくの分野違いなわけですが、いろいろな面でご指導いただきました。先生を代表とされるこのプロジェクトに参加させていただくことで、その後、学際的環境科学研究に深く関わっていくことになりました。
■未来開拓のプロジェクトが終了したあと、和田先生は、新しくできた総合地球環境学研究所に異動されました。こんどは、この未来開拓のプロジェクトをステップにして、「琵琶湖-淀川水系における流域管理モデルの構築」というプロジェクトをたちあげるということで、私もコアメンバーとして参加することになりました。私のような社会科学のなかの社会学、それも環境社会学という分野を専攻する者が、異分野の、それも自然科学の人たちとひとつのプロジェクトに取り組むということは、想像以上に大変なことでした。まず、なかなかお互いの話しが「見えない」。異星人と話しているような感じさえします。和田先生と私は、プロジェクトのなかではまったく正反対のような分野にいるわけです。しかし、和田先生は辛抱強く私の話しに耳を傾けてくださいました。これからの環境科学、地球環境学では、従来の自然科学のトップダウンアプローチだけではなく、ボトムアップアプローチ(住民参加・参画、環境ガバナンス)が、うまくつながっていくことが必要だからです。総合地球環境学研究所のプロジェクトは、実質的には2002年から始まりました(昨年、終了)。そのプロジェクトの途中ではありますが、和田先生は、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)のなかにある地球環境フロンティア研究センターの生態系変動予測研究プログラムに、プログラムディレクターとして就任されています。
■今回の和田先生の受賞、とっても喜んでいます。和田先生、おめでとうございます!!
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地球シミュレータ」

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