「「蟹工船」を読む」
1968年の初版の小林多喜二全集があるのに、なぜか「蟹工船」の載っている第4巻がない。友人が貸してくれたので、早速読んだ。
40年も前に読んだと思うのだが、こんな風には読めなかったのだろう、部分部分しか覚えていない。
蟹の缶詰工場の生臭い臭い、漁夫の体から発するすえた臭い、糞壺と表現される船底の様子、漁夫や雑夫、水夫のストライキなど一通りは読んだはずなのに、こんなにリアリティを持って受け止められたのは、やっぱり、私も40年いろいろと年を食って経験をつんだからか。
いま、派遣の若者達をして「それって蟹工じゃん」といわしめるほどに、若者自身が我がことに重ね合わせて読まれていると言うことに、歴史のあゆみを感じる。
1928年の作品、今から80年も前の作品、多喜二20代の著作である。
老いも若きも、今のこの時代に大いに読んでもらいたいと思う。
すごい人だったんだなあと、あらためて思う。すごい作品を残してくれてありがとう。すごい生き方をした人だったんだ。少しづつあらためて著作集を読みつぎたい。