No.103◆ 「宇宙の法則」1990年・評価【4】  邦画

《人気映画監督・井筒和幸が、古尾谷雅人主演で描いた苦々しいリアルな青春映画。父の死をきっかけに東京での成功を捨てて家業の機織りを継ぐ決心をした良明だったが、悲しむ母は機材一式を売り払ってしまう。良明は別の形で機織りに関わろうとするが…。》

井筒監督、好不調が激しい監督ではあるがこの映画は、なかなかよく出来ている。
と言っても、私は商売がらみの映画は滅法弱く、正当な評価が出来ていないのかもしれない。
一見強固そうな家族が、実は多くの問題を抱えながら生活しているのだという、当たり前の話を当たり前に描いただけなのに妙に感動してしまった。

自殺した古尾谷雅人が元気いっぱいなのが哀しくもある。
ファンとしては、借金問題だとか、継母との折り合いだとか、遺産相続の揉め事とか、いろいろな話は伝え聞くが、そんなことでは人は死なない、いや死ねないと思うのです。
1977年女教師1983年丑三つの村」に代表されるいい作品に晩年はめぐり会っていなかったことこそが、死に近づいた真の原因だと私は思っている。
若き日の熱い時代の「熱い映画」に中年になって出会える確率はかなり低いのに、やはりあの時代の「残滓」にこだわっていたいことも「理会」出来るのである。
晩年の10年間ぐらいはVシネマ風ヤクザ映画ばかりに出演している。
生活のためだったろうが、これでは彼も疲弊したことだろう。

今一度彼の凄みのきいた演技が観たかった。
「丑三つの村」この狂気に付き合うには、やはり勇気がいる。

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