好きだからだよ!!  邦画

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原田芳雄の遺作になった阪本順治監督作品
プロらに評判が大変いい作品なのだが、私は少しだけ違和感を持ちながらの鑑賞になってしまった。
田舎の描き方が、都会のインテリ監督らしいきれいすぎるまとめ方に不満なのだ。
でも、この映画の核になる「愛」を中心に据えた物語の進行にはほろっとさせられたり、笑ったりしてしまう。
原田の妻に逃げられた男の悲哀は十分に理解できるし、未練の引きずり方の潔さは見習うべきなのだろう。
私が最も気に入った場面は、バスの運転手役の佐藤浩市と村の職員役の松たか子の会話。
松が恋人に会いに東京に行こうとするところを佐藤が「行かせねい」そして歌舞伎調で愛を告白する。
「好きだからだよ」そういう単純な動機こそ人には必要なわけで、生きている原点なようなものが描きこまれた優れたラストシーンだと思っている。

人は愛の素晴らしさとはかなさ、いや哀しさも含め、生きていかなければならない。
私たちは「愛憎」は表裏一体であることも知っているのだが、そうしたことも含め、愚痴を言ったり、嘆いてみたり、喜んでみたり、そして少しずつ年を取っていく。

どうしても小津の描く「絶望」が頭に浮かんできてしまうのだが・・・。
がん死した原田は「最後に残るのは人間関係」といっていたのを思い出す。
きっとそこに希望を託したかったのだろう。

私がある人に自分の愚痴めいたお話をしたときに「あなたは生きていることの素晴らしさを享受していない」と、そうなのだ、生きていれば修正はいくらでもきくから・・・。

この映画を見ながらいろいろなことを考えていました。
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