シュンタロウ君が亡くなって5年が過ぎました。
息子の小学校からの同級生。
中学・高校は部活も一緒でした。
大学院の時、脳腫瘍を発病し、手術もしたのですが
彼岸の人になってしまいました。
部活の試合の時などは、自転車を連ねて移動するとき
列の一番後ろを走り
そして、よその中学や高校の体育館を出るとき
彼は必ず周りを見渡し、
「忘れ物はないか、ゴミは落ちていないか」チェックする人でした。
実際のキャプテンではなかったけれど
部員の誰より、みんなの信頼を得ている人でした。
大手術のあと、
「脳のこの部分を取ってしまったから、立体感がわからなくて」
と言いながらも、うちに遊びに来てくれました。
「大丈夫。知っている家だから階段だとわかる」と
一人で息子の部屋に上がって行きました。
長いこと二人で話したあと、息子はたくさんの勇気を彼からもらったようでした。
「どうしてこんなに冷静に、強くいられるのだろう」と感じました。
アガシがまだ元気だった頃
散歩の途中で、自宅療養中の彼を訪ねた時
アガシは黙って彼の膝の間に自分の頭を埋め、何分間かじっとしていました。
とても長い時間だったような気がします。
アガシは一瞬で癌を患うひとを察知するのでは?と思ったことがありました。
私の父に対しても、同じ格好でしばらくじっとしていました。
アガシ自身も癌で逝ってしまいましたが
「あなたの悲しみを僕はわかります」と
シュンタロウ君と会話しているような時間でした。
若くて希望をたくさん持ち、これからという時に逝ってしまいました。
彼のことを思い出すとき、その強さと明るさが降りてくるような気がします。
きょうはシュンタロウ君の命日です。

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