2008/12/4
「(無題)」
唐突ですが、詩を一篇紹介します。
「くらし」 石垣りん
食わずには 生きてゆけない
メシを
野菜を
肉を
空気を
光を
水を
親を
きょうだいを
師を
金もこころも
食わずには生きてこれなかった。
ふくれた腹をかかえ
口をぬぐえば
台所に散らばっている
にんじんのしっぽ
鳥の骨
父のはらわた
四十の日暮れ
私の目にはじめてあふれる獣の涙。
もう、五十も半ばになりましたので
この詩の意味がわかるようになりました。
この詩に流れる厳しさは
女性ならではの強さでしょうか。
先日、猫のシロ君がメジロを捕って咥えた時、
心の中で
「どうせなら全部食べてくれ」と願いました。
いたぶって、そこいらに放り出されるのでは
メジロも成仏できません。
きょうはちょっと重たかったです。

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