敢えて歌謡曲映画の名作と言おう  邦画

ほぼ30年ぶりに山田洋次監督「下町の太陽」を見直した。

山田監督作品で一番好きな映画で、倍賞千恵子の珠玉の代表作だと思っている。
倍賞の勝気な性格を読みきった監督の勝因でもあるのだが、なんと言ってもかわいらしいのだ。
女優は美人であることはもちろんだけれども、人に好かれることも重要なのである。その点、倍賞の立ち振る舞いは、我々庶民と多く違わないと思わせる要素があるのだ。

もう一つ、男の私が見ても倍賞の衣装が素敵だ。華美ではない庶民ファッションなのだろうけれど、はつらつとした彼女にぴったりなのだ。

1963年公開だから、そんなに古い映画ではないが、ここに出てくるほとんどの老俳優たちは死んでいる。
実にいい味を出していて、彼女のフォローにまわっている。

高度成長の時代は私も覚えがあり、多くの人たちが人より多く稼ぎたいと思い、無理して背伸びして生きていた。
それでも貧乏を選び、心を大事にしようとしていた人たちが世の中にはいたことを、山田監督は言いたかったのだと思う。

山田洋次監督、「寅さん」映画前の鬱屈した時代の名作なのである。
「寅さん」という鉱脈を掘り当てるのは、この映画から6年後になる。


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