実録・連合赤軍 あさま山荘への道程  邦画

「孤立した精鋭は世界を変える」という勇ましいポスターとともに、1972年公開したATG映画若松孝二監督作品「天使の恍惚」。
赤軍映画としてはかなりの不出来でがっかりしたものの、当時話題性ときわもの性で大ヒットしたように記憶している。

若松孝二の映画は当時過激派諸君のバイブルのようなところがあり、学園封鎖中の大学構内で盛んに自主上映されたものである。
日本暴行暗黒史」などというおどろおどろしい看板が書かれたりしていた。
彼の描くピンク映画は裸こそ出てくるものの、乾いたタッチで、性的興奮を呼ぶようなものではほとんどなかったように記憶している。

そういう若松監督も、現在肺ガンで、おそらくこの赤軍映画が最後のような気もする。

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」2007年公開映画は、止むにやまれぬ気持ちで赤軍に関わって行った若者たちを真摯な形で、若者側から描いている。
正直三分の二ぐらいを占める「総括」「自己批判」「共産革命」が飛び交う場面は退屈、真に優れた場面は、あさま山荘内部での映画的センスである。
徹底した内部映像は、かなりの苦労のあとが見えるし、管理人とのやり取りは本当に若者の心情が吐露されて、見るものの心を打つ。
若松映画で初めて涙を流しながら見てしまった。
若松孝二の遺書にもなってしまいそうな場面は、女性に対して限りない優しさを持った監督であったのだと再認識させられた。

彼が本業の場としていた、ピンク映画は決して女性を蔑んでつくり続けたものではない。ファンは当然そういうことは分かっているのだが・・・。

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memo 2  邦画

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
テレビ出身の新人監督らしい。「いじめ」が基礎にあるような家庭劇、ブラックユーモアが売りらしいが、いやはや嫌味な映画。「茶の味」に似ているような、キネマ旬報ベスト10と言うのも驚き。

処刑の島
篠田正浩監督作品。晩年恐ろしいまでの愚作を連発(笑)して引退したが、ファンとすれば初期の作品の中にいいものが無いか探している。
復讐劇としてどうも中途半端なものしか残らない。
失敗作ではないが、人間観察不足か。

喜劇・一発大必勝
御大山田洋次監督不遇の時代の作品。
ほんんと見るべきものはない。
倍賞千恵子がかわいく、けなげということぐらいか。

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memo  邦画

どっこい生きている
今井正監督作品、ニコヨンつまり日雇い労働者の苦悩を描いているが、映画的高揚感皆無、現実が厳しいからと言ってそのままを映画にしても誰も喜ばない。
不思議な映画、どこかで見たような感覚も残る。

戦ふ兵隊」戦前、日中戦争当時のドキュメンタリー映画。
モタモタした指揮振りが本当らしく見える。「勝ち戦」であった当時としては戦闘場面が極端に少ない。
「反戦映画」として軍部が怒るのも分かる。

浪速の恋の物語
ご贔屓内田吐夢監督、遊女の深情けと言うことか?
近松物、浄瑠璃、歌舞伎の知識がもう少しあれば、楽しめたのかも知れないと思った。
この当時の有馬稲子とっても良い。

白痴
黒澤作品、余りの退屈で途中でリタイア。
以前見た「どん底」もつまらない。

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有馬稲子・私的に再評価  邦画

私のお気に入り映画小津の「東京暮色」以来、すっかり有馬稲子のファンになった。
晩年の映画の幾本は見ているものの、ほとんど印象に残っていない。
最近は舞台のほうの活躍が中心らしいが詳しくは知らない。「ごねる」ことで有名らしいがいきさつ等は知らないし、知ろうとも思わない。

1961年公開「はだかっ子」田坂具隆監督作品では女性教師役。これが実にいい。現実離れした美しい教師で、物語も大分前の教師像であり、教育像でもあるのだがなんともいえない懐かしさを感じがする。

もう一本見たのが今井正監督作品1952年「山びこ学校」こちらは自由を重んじる、今で言うところのゆとり教育というか現場教育というようなものである。

私は教育というものは、基礎そのものはある時期、理屈抜きで覚えこまなければならないと思っている人間で、ゆとり教育のようなかったるいものは嫌いなのである。

そういう意味から言っても「はだかっ子」は私が受けた教育に近く、カンドウしやすいことも事実である。
「貧乏」が教育の中心にあり、戦争で父親を亡くし、母親もまた病気で無くした小学生の主人公に涙しない人は誰もいないだろう。

子供を取り囲む大人たちの優しいまなざし、日本映画にも例をあまり見ないいい映画なのだ。

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それにしても女優に限らずいい「仕事」をしておくべきですね。
誰かが、どこかできっと評価してくれるはずです。
例え少数の人であっても、ほんの少しの理解でも当人は嬉しいものです。

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ピンク映画とポルノ映画は違うもの  邦画

DVDレンタル、日活ロマンポルノとピンク映画の違いは、明らかにあるのに一緒くたに「ピンク映画」としてくくられているのは大いに不満ではある。

日活ロマンポルノは、ピンクより明らかに金が掛かっており、ピンクにはロマンが存在しにくい映画構成が多い。

私はロマンポルノに関しては、まったくの初封切からかなり見ている。製作本数1000本とも言われる。数えたことはないが私は半分ぐらいは見ているだろう。
めぼしいものは、ほとんど見ているものの後半は、やや見過ごしたものがある。

1980年「妻たちの性体験 夫の目の前で、今… 」かなり評価された小沼勝監督風祭ゆき主演を見た。もともと私、小沼作品どうも波長が合わず敬遠気味なのだが、この作品もかなり過激で、凝った構成劇ではあるがあまり好きな部類の映画ではなかった。
ただ、特典映像の監督と風祭の話が懐かしく、実に当時の状況を分かり安く面白く解説していた。

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もう一本がいわゆるピンク映画である。
1975年小林明賛歌でもある「行け行けマイトガイ・性春の悶々」映画「パッチギ」の井筒和幸監督出世作といわれるものだ。当時の映画専門誌・キネマ旬報でほめられていた記憶がある。
いつか東京に出て行って一旗上げようという、欲求不満の若者を描いているのだが、これが今の目から見るとまるで面白くないのだ。
ピンクでは、綺麗な女優さんは使えないから、貧相なハダカを見せることになるのだけれど相当頑張った演出をしないと絵にならないのだ。
この映画、部分部分に凝ったものは見せるものの、どうにもならない「習作」のように私は感じた。

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宝塚が女優の養成所の役目を果たしているように、ピンクが監督の養成所の役目も果たしているということもかなり前から言われてはいる。
しかし、それを丹念に見続け、才能を発見することは実に骨の折れる作業にもなる(笑)。
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追悼 山城新伍  邦画

70歳で逝った山城新伍

彼は一貫して東映娯楽路線で花を咲かせた男だった。
しかし、テレビ「白馬童子」ぐらいしか主役は張ってはいない。

彼は芸術風映画、例えばATG映画のようなものを心底嫌っていた風だったが、映画そのものは大好きだったことは言動に表れていた。

東映娯楽映画、時代劇でも、やくざ映画でも名作といわれるものには数多く脇役として出演している。

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彼を最初に見たのは不良番長シリーズだったと思うが、彼の人生そのものもかなり艶っぽいものだったように思える。
女優であった奥様を悩ませたであろう数々の武勇伝は、今はしまって置いてやってほしい。
つれあいとの関係は終わったとしても、娘にまでそっぽを向かれたのは一生の誤算だったのかもしれない。

時が経ち、憎しみが浄化されたとき、線香の一本もあげてほしい。
彼の映画を愛したファンとしてそう思う。

合掌
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畏くも・・・  邦画

私の田舎の中学時代には、まだ戦争の傷跡らしきものがかすかに残っていた。
教師の中に、シベリア帰りと元将校だったと噂された人物がいた。
とりわけ、元将校だったと言われたS英語教師は子供の目にも異常に映った。
ともかく、手が早いと言うか、気に入らないとすぐビンタが飛んできた。女の子にも暴力を振るったときには心から憎んだものである。

もう、亡くなっているが晩年は決して幸福ではなかったようだ。「罰が当たった」とまでは言わないが軍隊の亡霊が乗り移ったのだろう。
S教諭の名誉のために言うと、彼の英語の授業は基礎をしっかり教えてくれたこと、それには大いに感謝している。
さらに、彼はチャップリンのファンだったらしく「モダンタイムス」「街の灯」等々盛んに話をしてくれた。
後年、この映画を映画館で見たときには、ふとこの暴力教師の一面を見た気がした。

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前置きが長くなった。
映画「異母兄弟」1957年、家城巳代治監督作品
軍国一家の長を三國連太郎、お手伝いさんを田中絹代が演じる。
ファーストシーン、馬から下りた三國が手伝いの男をいきなり、腰の入ったビンダが襲う。
実に嫌な予感がする場面であるが、後に続く画面は、それこそ軍国主義の、軍人の横暴さを次々に映像化していく。

お手伝いの田中を手篭めにし孕ませ、仕方なく後妻とするものの、異母兄弟の相克がなんともいえない軋轢を生む。
これだけ、徹底的に軍人を憎んだ映画は私は初めてである。
「人間条件」も徹底的に軍部の横暴さを暴きはしたが、家庭内の出来事、とりわけ実質「妾」という形のいびりいや暴力は強烈そのものである。

この映画のすごいところは、ラスト近く田中が「妾」から女性に自立を暗示させる所で終わっていること。背筋がすっと伸び、顔をぐっと持ち上げる。
女性映画として見る事もできるところなのである。

私たちは、男の論理で戦争を始めるけれども、後始末は女性がしているのだと。

田中絹代がすばらしい。
あの大傑作「サンダカン八番娼館・望郷」に匹敵する。


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骨っぽいお話  邦画

映画「ひとりね The Lonely Affair of the Heart」のイメージを表すとすれば、このポスターで充分であり、特に男性が想像することの大部分が映画の中身でもある(笑)。

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映画の質を問う前に、これほど固定的イメージを植えつけたらまずいだろうにと外野では思うが・・・。

大学教授との平凡な生活に入り込んでくる若者、それは自分自身であることが分かってくる。現実と幻想が入り混じると内容。

簡単に言えば主演榊原るみの「骨っぽいヌード」しか見るものないと言うか、それさえも何か無理をしている感じなのです。

こういう幻想入り混じる映画では、圧倒的な肉体と演技力が要求されているのだが、監督の力量不足と榊原るみのやる気のみ先行で空回りしている。

元愛人で現旦那がすずきじゅんいち監督、るみの娘も応援出演、涙ぐましい製作状況だけどそれは観客には関係ない内輪のお話。特典映像のほうが面白いぞ!

そういえば寺島しのぶの、骨っぽい理屈っぽいヌードも苦手だなあ(笑)。

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堕ちてしまった人々・映画「にごりえ」  邦画

「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」をオムニバス形式で映画化した1953年今井正監督作品。

普通、この形式は何となく消化不良で終わってしまうケースが多いのだが、映画「にごりえ」は実に見事に調和を保っている。

嫁ぎ先とうまくいかない「十三夜」、借金問題「大つごもり」二話でほぼ一時間、芸者に入れ込んだ話「にごりえ」だけで一時間と言う時間配分になる。

三話とも共通しているのは、徹底的に駄目な男が出てくること。
しかしながら、駄目な男たちではあるけれど、そういう堕ちた人に対してのあたたかい目というか社会的な目と言うか、それらが涙を誘うことも事実である。

ここまでこの映画のことを書いてきて、全然筆が進まなくなってしまった。
と言うのは、実にありふれた話ばかりで、何か新しいものがあるわけではない。
但し、簡潔明瞭な話の進め方、ある種の省略を実にうまく使うことにより、こんなにも素敵な情感映画になるとは予想すら出来なかった。

結局、監督の腕が冴え渡る一篇と言うことになるのだろう。

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男も女も、理屈では分かっていても、愚かしいことをやってしまうことがある。
それが人間の業と言うものだろう。

この映画の男の一途さを、笑っていいと思う。
それでも・・・私も男・・・・。

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敗走ではない転進だ!!  邦画

楽天レンタルから「ぽすれん」に移行しつつあるのですが、最初に無料レンタルしたのが「キクとイサム」1959年今井正監督作品
日本映画史を紐解くと必ず出てくる作品である。

「くろんぼ」などと蔑めらる混血児姉弟が、祖母と貧しくも逞しく生きる姿を描く。
戦後間もない時期であり、時代背景が重要なテーマであるけれど決して暗く描いていないことが救われる。

水木洋子の脚本が見事で、理屈をこねる若夫婦には苦笑してしまうが、決して誤った歴史観ではない。
当時の多くの日本人が、混血児に対し偏見を持っていたはずだし、それは自然な姿でもあったと思う。

ある番組で俳優の梅宮辰夫が、アメリカ人の奥さんとの間に生まれたわが子を「当時はアイノコと呼ばれていた」と言った。
これがどうも放送倫理、つまり差別用語だと言うことらしく、番組最後にアナウンサーが「番組中不適切な表現があり・・・云々」と釈明していた。

日本社会はいつの間にか、都合の悪いことは直接表現を極端に避けるようになってしまった。
昔の日本映画は本当におおらかだったし、自由があったと思う。50年代当時の日本映画は、差別用語満載だ(笑)。
「女中っ子」「キチガイ部落」皮肉なことに名作も多いのだ。

管理社会に突入した日本は、とにもかくにも責任回避のことばかり考える「姑息」な社会に成り下がってしまった。

大分、筆が滑ってしまった。反省!

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所でDVDの楽しみの一つに特典映像があるのですが、このDVDには明らかなミス、写真の人物と名前が違っているんですね。
こんな初歩的なミスは残念です。

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空の大怪獣 ラドン  邦画

このところ幼少期に見た特撮映画を何本か見直した。
地球防衛軍」だの「宇宙大戦争」、半世紀前のアナログ的な手作り映画がとっても心地よいのだ。
半分は眠たくなったりするのだが、これもまたよし(笑)と言うことで楽しんでいる。

円谷英二の特撮技術の大本は、戦前にほぼ完成していることが分かる。
加藤隼戦闘隊」「ハワイ・マレー沖海戦」等で確認している。

怪獣映画のなかでも異色と言われるのがこの1956年空の大怪獣 ラドン」である。
何十年ぶりかに見たのだが、徹底した怪獣との攻防が新しいと言えば新しいのだが、無味乾燥な戦争映画の様相に似ている。
そして、最後にほろっとさせるにくい演出がファンにはたまらないのかもしれない。

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個人的には「ピーナツ」が歌い、日本人が顔を黒く塗って「土人」(敢えて!)として出てくる「モスラ」が懐かしい。

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苦手なもの  邦画

映画「豚の報い」を見ながらこういう映画はありなのかと疑問に思った。

話の内容もうろ覚えで(笑)、えーと沖縄のある島に儀式のためやってきた男女が民宿に泊まるわけだが、そこで出された豚に当たる、つまり食中毒に罹り七転八倒する、このことが映画のメインではないのだが、そこが馬鹿に力の入った描写になっている。

監督が「血と骨」の崔洋一だから徹底的な写実描写は覚悟していたものの、こう汚い場面の連続では如何ともし難い(笑)。
映画は綺麗ごとばかり描く必要もないのだが、逆に汚いところばかり描く必要も無かろうにと思う。

これで思い出したのが東映に石井輝男監督、彼の描くのは徹底的なアブノーマルの世界、それはそれで見るほうも覚悟してみているわけだから、いいとも言える。

映画「豚の報い」は普通の映画の体裁をとっている所に、この汚い描写、「あめくみちこ」ほんとに女優さんとして頑張ったと思うが、彼女が一番の犠牲者だと思う。
内容は名誉のために伏せる(笑)。

男としてはハダカよりも恥ずかしいと思う。

いま、敢えて的外れ?なことを考えている。
ふっとこの映画、これからは高齢化社会、介護するほうされるほうの辛さを訴えたかったのか?と・・・

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