No.054◆「チョコレート 」2001年・評価【4】  洋画


<保守的なアメリカ南部、ジョージア州のある町。黒人に偏見を持つ刑務所の看守ハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)と、そこで処刑された死刑囚の妻だった黒人女性、レティシア(ハル・ベリー)が出会う。それぞれ息子を亡くした2人は、その穴を埋めるかのようにお互いを求め合い始めるが、レティシアは、ハンクこそ自分の夫の死刑を執行した男だと知らない…>

この映画を読み解くのは、なかなか骨の折れる作業になる。

誰かが言っていたが家庭とは「闇を抱えつつ」成り立つものであると。
そういう事が生きるということなのだろうが、辛い物をわざわざ背負い込むことにもなるのだ。

「制度から自由」になったとき、人間本来の優しさとか、哀しみとかが理解できるような気もするのだ。

主人公の男が、父親である老人を捨てたように見えるが、実は自分自身を捨てたとはいえまいか?

マイナスの人生を抱え込んだ人間が、這い上がることは容易ではない。
映画の、二人の未来は決して明るくはない。

しかし、よくよく考えてみると、「それこそが人生」であり、この映画こそが現代のアメリカを描いているとも・・・。

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No.053◆「海の上のピアニスト」1999年・評価【3】  洋画


<『マレーナ』のG・トルトナーレ監督が天才ピアニストの半生を描いた人間ドラマ。大西洋上の客船に捨てられていた赤ん坊は、生まれた年にちなみ1900と名づけられ、黒人機関士に育てられる。成長した1900は非凡なピアノの才能を発揮するようになり…。>

悪い映画ではなく、とってもいい映画です。
万人に薦められるし、文句も付けよもなく、しみじみとした感じがいいです。

でも、なぜか薄味の人生観を提示し、感動を強要するような感じがしないでもない。
ピアノ場面は、楽しいながら、人工的な雰囲気が漂う。
当人たちは弾けないはずだから、CGを使っているのだろう。

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No.052◆「セブン・イヤーズ・イン・チベット」1997年・評価【4】  洋画


<『愛人/ラマン』で知られるジャン=ジャック・アノー監督がブラッド・ピットを主演に実在したオーストラリア人登山家、ハインリヒ・ハラーをモデルに手掛けた感動ドラマ。1939年。ヒマラヤ登山制覇を目指して旅立ったハラーに苛酷な運命が待ち受ける。>

優れた映画は簡潔で分かりやすいと言います。
まさにこの映画は分かりやすく、ダライ・ラマと中国とチベットの関係を重厚に描いてみせた。

歴史小説を読むような感じもあり、なかなかいい。

別れた妻と子供との再会も、カラッとしていていい。日本映画ではこうはならないのだろう。残念ながら・・・。

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No.051◆「明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史」1969年・評価【1】  邦画


<石井輝男が監督・脚本を務めた官能サスペンス。「東洋閣事件」「阿部定事件」「象微切り事件」「小平義雄強姦殺人事件」「高橋お伝」の5つの物語を収録。>

この映画今で言う再現ドラマ、それを当時流行の「エログロ」路線で徹底的にやっている。
映画としては、ほとんど価値はないのだが、実在の「阿部定」が出てきてインタビューを受けているのが目玉。
石井輝男監督、この人ほど目茶苦茶な評価を受けた監督も珍らしい。確かに酷い映画を撮り続けていたが、東映という会社、儲かれば何でもやるというコンセプトで、見上げた根性会社でもある。
経営という面においては真っ当であり、「企業監督」石井も含め、後ろ指差されるものでもない。

石井監督の作品群を見ていくと、必ずしも会社に迎合したものでもなく、ある種の哲学を持っていたことも事実である。
晩年の作品を見ると、その特異性を証明しているようにも思える。

ヤクザ映画、エログロ映画、空手映画、いずれも器用にこなした石井監督も、もう亡くなって何年か経つ。

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やはり、映画は商品であり、理念ばかりの作品で会社が倒産してしまったら何にもならない。
自明の理!
見たい人がお金を出してみているのだから・・・
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No.050◆「窯焚」2005年・評価【3】  洋画

<『Keiko』『リバイバル・ブルース』のクロード・ガニオン監督が手掛けたヒューマンドラマ。父の死で心を閉ざしてしまった22歳の日系カナダ人・ケンが、国際的に著名な陶芸家で型破りな人生を送る叔父・琢磨の住む日本で傷ついた心を癒していく>

悪い出来ではない、外国人が考える陶芸家の話なのに意外と日本人が見ても違和感はないと思われる。
陶芸を志す人々は、日本人でも外国人でも、変わった人が多いだろうという事は想像するし、事実そうなのだろう。
何となく分かったような顔をして、焼き物を眺めるのも自由。
映画も結構、色々な解釈が出来そうなところが良い。

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No.049◆「松本俊夫実験映像集 I 詩としての映像」1961年・評価【3】  邦画


<日本の前衛的記録映画の第一人者であり、『薔薇の葬列』や『ドグラ・マグラ』などの名作を撮った鬼才・松本俊夫監督の実験映画集第1弾。61年製作の『西陣』、63年製作の『石の詩』、67年製作の『母たち』の全3タイトルを収録する。>

映画史を勉強しているようで、何やら妙な感覚ではある。
正直眠気が襲う、真っ正直なドキュメンタリー作品でした。

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No.048◆「エアフォース・ワン」1997年・評価【4】  洋画


<ハリソン・フォード=合衆国大統領 究極のアクション・ヒーロー誕生! ハリウッド最高のスターによる究極のアクション・ヒーロー誕生!「テロリズムに屈しない」という国家の大原則と家族への愛の狭間で苦しみながらも、敢然と戦う大統領をハリソン・フォードが好演。監督は「アウトブレイク」のウォルフガング・ペーターゼン。 空飛ぶホワイトハウスと呼ばれる大統領専用機《エアフォース・ワン》を、武装したロシア人テロリストが占拠。コルシュノフ(ゲイリー・オールドマン)を中心とする一味は要求が通るまで人質となった政府VIP、側近、そして大統領の家族らを30分毎に一人づつ処刑するという条件をつきつけた。密かに機内に潜む大統領ジェームズ・マーシャル(ハリソン・フォード)は事態打開のチャンスを狙っていた・・・。>

息もつかせぬ展開、この映画を見終わってから「Uボート」の監督だとわかり、大いに納得した。
どうも気持ちの悪いというか、気がめいる映画だけれど、現代のアメリカが抱えている問題の一部分を確かに描いている。

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No.047◆「永遠の語らい」2003年・評価【4】  洋画

<95歳の巨匠、マノエル・デ・オリヴェイラ監督による壮大なドラマ。仕事でインドにいる父親に会うために旅に出た母・ローザと娘のマリア。彼女たちはさまざまな地域の歴史や文化、人々に触れながら自らを見つめ直していく。>

この映画、私の尊敬する映画評論家「白井佳夫」のコラムを読んでみる気になったものだ。
おそらくそうでもなかったら、永遠に見ることのなかった洋画であっただろう。

地味な地味な旅と子供との対話に終始し、何か起こるわけでもない。
まったくの予備知識なしで最後まで、この映画を見続けられるかどうかも分からない

人生を語ることは、どこか退屈なものではあるが、ある人にとってはこれほど貴重な映画もめったにないのである。

また、人生とはとてつもなく「理不尽」なものも内包しているのは誰でも知っている。
ラストシーンをどう読み解くか?
それこそがあなたの、私の、「人生論」なのだと思う。

95歳の監督でも、生きることの執着がしっかり読み取れる。
枯れた老人にはなるまい。
そんなメッセージが・・・。

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No.046◆「神阪四郎の犯罪」1956年・評価【3】  邦画


<ベストセラー小説を元に、日本を代表する全能役者・森繁久彌が希代のプレイボーイ・神阪四郎を演じた法廷サスペンス。雑誌の敏腕編集長・神阪四郎が、偽装心中の嫌疑により逮捕された。法廷では4人の証言者が、神阪の意外な事実を吐露するが・・・。>

この映画、当時はそこそこ面白かったと思うが、現在の混沌とした状況の中ではあまり突出したようには感じられない。
いわゆる「藪の中」のお話はいくらでもあり、時代が変わってしまって映画の価値も変わったということなのでしょう。

森繁がしっかりした演技をしているが、左幸子のわめき散らす甲高い声が耳に残ってしまう。

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No.045◆「ミッション・トゥ・マーズ」2000年・評価【1】  洋画


<SF映画。かつて火星にいた知的生命体の痕跡と人類の遭遇を描いた作品。>

うーむ、空しさばかりのつまらない作品でした。
砂漠の嵐はどこかで見たような場面ですし、アメリカンな夫婦関係を宇宙まで持ち出すのはどうか(笑)。
余りにも、腑に落ちた宇宙人は情けないやらで・・・・

お後はよろしいようで・・・。

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No.044◆「スネーク・アイズ 」1998年・評価【3】  洋画


<アトランティック・シティのドーム会場で、大観衆を集めて進行中のボクシング王座戦。白熱する試合の最中、銃声と共にリングサイドで観戦中の国防長官が暗殺される。その瞬間を間近で目撃した汚職刑事のリックは、真犯人探しに奔走。容疑者は、スタジアムにいた14,000人全員だ…!!!>

パルマファンとすれば、まずまずかなとは思うが、正直彼のタッチにすこしづづ飽きが来ているのも事実である。
どんな天才監督も、自分のスタイルを少しづつでも変えていかなくては、行き詰まることは目に見えている。

偶然が支配するサスペンスは、やはりどこかで見た気がするのだ。

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No.043◆「いつかA列車に乗って」2003年・評価【5】   邦画


<内田吐夢監督の『たそがれ酒場』を豪華キャスト陣を迎えて現代風にリメイクした音楽ドラマ。昭和の面影を残すジャズバー“A-TRAIN”を舞台に、ジャズをつまみに酒を飲みに来る人や問題を抱えた人など、店に訪れるさまざまな人々の人間模様が描かれる。>

内田吐夢監督の『たそがれ酒場』、30年以上前に見て、そこそこ面白いとは思ったが傑作だとは思えなかった。
今回、同じシナリオで作ったにも関わらず、もう絶品ともいえる作品に仕上がっていた。
私の目が狂っていたのだろうか?
今一度、吐夢版も見なくてはと・・・・。

少し、人生を長くやってきたものにとって、この映画の一言一言が、胸に突き刺さる。
色々な人がいて、色々なものを背負いながら、それでも人は生きていかなくてはならない。
ほんの少しの希望とささやかな人とのふれあいで、・・・・。

人は生まれたことが喜びであり、人を愛することが喜びであり、一生の仕事に恵まれることが幸せ・・・

灘千造の珠玉のシナリオが現代に蘇る。
これは奇跡に近いことだと思う。

また、機会をみてじっくり見たい一本である。

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全編に流れるジャズ演奏がすばらしい。
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No.042◆「浮草」1959年・評価【3】   邦画

<数々の名作を世に残した巨匠・小津安二郎が、大映で製作した唯一の作品がDVD化。1934年の作品『浮草物語』を小津監督自らがリメイク。志摩半島の小さな港町を舞台に、ドサ廻り一座「嵐駒十郎一座」とそれを取り巻く人々の人間模様、恋を描く。>

ドサ廻り一座のゴタゴタと解散、そして再生。
かなり図式的なお話で話の内容が読めてしまうのが難点。

これもいい映画なのに入り込めないのは、女をたたいたり、蹴ったりと、そういう映画は私は好まない。

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この映画から学ぶとするならば、日本も、個人も、物事を再生するには、思い切ったこと、つまり普通のことをしていたならば何も前に進まないということ。
過去の成功体験とかは、意味をなさない時代に入ったということ。

常識というものをとことん疑う必要がありはしないか?
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No.041◆「命」2002年・評価【3】  邦画

<芥川賞作家・柳美里の私小説として話題を呼んだベストセラーを原作に、江角マキ子主演で贈る感動ドラマ。妻を持つ男性の子を身ごもってしまった美里は、困惑する男性と決別し、元の恋人・東に相談する。だが、そのとき東の体は末期の癌に侵されていた。>

実在の人物の闘病記ということになるのだけれど、この映画の弱さは、どうしても故人に気を使いすぎたように思えるのだ。
人が死んでいくという事は、もっともっとドタバタし、節操もなくなくなることなのだからと、私は思ってしまう。

いい映画なのにほしいと思う。

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No.040◆「シン・レッド・ライン」1998年・評価【4】   洋画


<伝説の鬼才T・マリックが20年ぶりに復活!ガダルカナルの激戦を、あまりに美しい映像で綴った、魂を揺さぶる映画!>

映像が美しい。
三時間にもなる上映時間が長すぎるが、中身はなかなか詰まっていて面白い。
そうであっても、戦争映画の空しさは、出来がよければよいほど感じてしまう。

日本人がどんどん死んでいくのを見るのも、我々には複雑なものではある。

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