No.013/2011◆ 「アザーズ」2001年・評価【3】  洋画

監督:アレハンドロ・アメナーバル
出演:ニコール・キッドマン、フィオヌラ・フラガナン、クリストファー・エクルストン、アラキナ・マン、ジェームス・ベントレー、エリック・サイクス
“21世紀のヒッチコック”の異名を持つアレハンドロ・アメナーバル監督が、ニコール・キッドマンを主演に迎えて作り上げた傑作ゴシックホラー。古い屋敷に住む母親と2人の子供たち。一家のもとに3人の召使いが来て以来、次々と怪現象が起こり始める…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
面白く見ました。
ネタバレ風に言えば、死霊に怯える家族が実は「死者」だったという落語みたいなお話。
怖いといえば怖いが、日本物の幽霊話とはかなり違う。
細かいことを言えば、死霊たちの会議は何を相談していたのだろうか?とか矛盾するのかどうかもよくわからないが、一邦画ファンとしたら何となく楽しんだ。
好きな人はこういう映画を分析して楽しめるのだろうけれど、当方通りすがりの一見さん。

クリックすると元のサイズで表示します


2

映画「春との旅」再考  邦画

「春との旅」見直してみた。
やはり、どこかこの映画にはつめの甘さが感じられる。
仲代の演じる老人の情けないほどの自立心のないこと、孫娘に頼ってばかりの旅紀行。

しかしながらこの映画、私はとっても感動し、近年にない収穫だと思っている。
映画とは、何も理詰めで物事の本質を見極めればよいかというと、そうではないのだろうと考えている。

老人はニシン漁に命をかけたばかりに、周囲に混乱を巻き起こし、いろいろなものを犠牲にしてしまった。
私はそういう大馬鹿者と言われる人物に深く共感する。
人生とはそういうものだとは言えまいか?

この映画誰かに薦めようとは思わない。
なぜなら、あまりにも個人的に共鳴する部分が多く、自分だけの密かな映画として、終生大事にしたいように感じなのである。

春が父親に会いたいと思う時こそが、お互いに「必要とした」ということなのだろう。

映画の中身は結構「反映画」的志向、例えば、春にダサい服を着させ、がに股歩きを強要する、それの意味は依然として不明なのだが、私は「脱・東京物語」と勝手に理解している。

ここまで書いてきて、やはり何か釈然としないものを感じている。
素直に泣かせてくれない監督の意図を測りかねてはいる。
たとえば木下恵介的映画を現代に置き換えるとこうなるということなのか?

もう少し、考えてみたい。


1

No.012/2011◆ 「春との旅 」2009年・評価【4】  邦画

監督:小林政広
出演:仲代達矢、徳永えり、大滝秀治、菅井きん
『バッシング』の小林政広監督による人間ドラマ。北海道の海辺でつましい生活を送ってきた老漁師・忠男と孫娘の春。だが春が失職し、生活がいよいよ行き詰まったため、ふたりは足が不自由な忠男の受け入れ先を求めて忠男の姉兄弟を訪ね歩く旅に出る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この映画を見ながらこんなことを考えていた。
「反東京物語・北海道篇」
私たちはいずれ年を取る。そして、死んでいく。

人は、それぞれいろいろなものを抱えながら生きて行くのだけれど、優しくさえあればいいのかというと、そうでもない。
特に血のつながった親戚ほど厄介なものはない。

一見非情にも見える兄弟たちの態度は、愛情の裏返しなのだということは理解できるはずだ。

この映画の感想いくらでも書けそうだったのに、いざ書きだしてみるとまるでかけない。
どこにでもありそうなことを描いているから、余計書きにくいのかもしれない。

クリックすると元のサイズで表示します


とっても感動したから、今少し熟成させてから書こう。

2

No.011/2011◆ 「ある殺し屋の鍵 」1967年・評価【2】  邦画

監督:森一生
出演:市川雷蔵、西村晃、佐藤友美、山形勲
市川雷蔵が表向きは日本舞踊の師匠、裏の世界では針1本で標的を仕留める殺し屋に扮し、日本舞踊や水中アクションも披露した和製フィルムノワール。新鮮な色香を放つヒロインの佐藤友美他、西村晃、山形勲など、個性派俳優が多数出演している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
残念ながら今一歩の出来である。
殺しの理由付けが弱いから、殺し屋のほうが分が悪い。
荒唐無稽で行くのならば、徹底しないと妙な「道徳心」が顔を出してしまう(笑)。

クリックすると元のサイズで表示します


2

No.010/2011◆ 「座頭市喧嘩太鼓 」1968年・評価【2】  邦画

監督:三隅研次
出演:勝新太郎、三田佳子、佐藤允、西村晃 (グループを探す)
市は荒追の熊吉への義理から、ヤクザの宇之吉を心ならずも斬ってしまう。しかし、これは熊吉が宇之吉の姉・お袖を豪商の妾にするための罠だった。卑劣な手口に怒った市はお袖を救い出すが、彼女は市を弟の仇として狙い始める。傑作シリーズの第19作目。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シリーズ最終作だと思われる。
無茶なシーンがいくつかあるが目くじらをたてるほどでもないか(笑)。

「座頭市」シリーズこれで全部見なおした。
テレビで半分ぐらい見ていたが、十分楽しめましたね。
最高作は一作目を除き「座頭市血煙り街道」に決定です。

クリックすると元のサイズで表示します


今日は大雪。
家の中でひっそりしていようと思ったが、少し離れた喫茶店に出かけた。
雪道のリスキーな運転は大好き。
ラリーみたいで面白い。
運転の上手い下手が極端に出る。まあ言えば、ブレーキを使わない運転ができるかどうかですが・・・。

クリックすると元のサイズで表示します

2

No.009/2011◆ 「波止場 」1954年・評価【3】  洋画

監督:エリア・カザン
出演:マーロン・ブランド、エヴァ・マリー・セイント、リー・J・コップ、ロッド・スタイガー
巨匠、エリア・カザンが描く人間ドラマ。1954年のアカデミー賞において最優秀主演男優賞を始め8部門を受賞した。暴力が渦巻くニューヨークの波止場を舞台に、正義を貫く男の姿を感動的に描く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カザン監督、とかく「赤狩り」時代の行状を問題にされるけれど、どうなんだろう。
生きるために志まで売ったように言われてはいるが、判断に苦しむ。

ともかく有名なこの映画、今の目で見るとあまりにも単純で分かりやすい、時代はこういう物を欲していただろうことは想像できる。

日本映画もこの時代似たような映画を作っている。
左翼の映画人、山本薩夫、今井正らによって。

クリックすると元のサイズで表示します

2

No.008/2011◆ 「ダンシング・ヒーロー 」1992年・評価【3】  洋画

監督:バズ・ラーマン
出演:ポール・マーキュリオ、タラ・モーリス、ビル・ハンター、バリー・オットー
『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督の名を一躍世界に轟かせた青春ダンスムービー。社交ダンス界の若きスター・スコットは、大会で規定外のステップに挑み優勝をライバルに奪われる。名誉とパートナーを同時に失い失意のスコットだったが…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダンス映画に疎い私もなかなか面白く見た。
必ずしも全面的に酔うほど物語に入り込めなかったが、ダンスシーンの陶酔感は「フラッシュダンス」に匹敵すると思う。
やはり、親子の関係が整理不足のように思える。

クリックすると元のサイズで表示します


1

No.007/2011◆ 「座頭市果し状 」1968年・評価【3】  邦画

監督:安田公義
出演:勝新太郎、野川由美子、志村喬、待田京介
悪党を相手に座頭の市が血まみれで奮闘するシリーズ第18作目。市が、浪人の弥五郎や松五郎一家に傷付けられた百姓を医者・順庵のところまで運んだことから、市と順庵は親しくなる。そこへ松五郎の手の者が現れ、市に用心棒になるよう頼んでくるが…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
座頭市シリーズも終に近く、何となくネタ切れを感じないわけではないが、ストーリーに安心感はある。
うとうとしながら見るのもこれはこれで極楽の時間ではある。

クリックすると元のサイズで表示します


鑑賞の後、NHKのニュースを見ていたら「ジャパンシンドローム」なる特集を組んでいた。
散々言われている日本の少子高齢化の弊害を、外国人研究者の目から解き明かしていた。
皮肉にもこの映画よりはるかに面白くためになった。
私が前回書いたブログの内容ともだぶることではあるが、過激に言うと、もう日本人の常識でこの事態を何とかしようとしたら完全にアウトだと思う。
逆に言うと、ほそぼそと何となく常識の範囲内で改革をするならば、さらなる衰退と疲弊を生むということ。
おそらく、この選択が一番楽だし、日本にとっては安全かもしれないとは思える。

村社会の再構築」ということになる。

私は少なくとも「打って出たい」討ち死にしても・・・。
必要とされる限り働きたいし、一方家庭なるものの幻想は捨てつつある。

私、仕事は「家庭的なるもの」が邪魔をすることが多々あると考える人間で、本当の仕事は結構非情で醒めたものだと考える。

実はそれぐらいの最低限の覚悟がないと、これからの日本では生きて行けないかもしれない。

寺山修司風に言うならば「家を捨て町に出よう」と言う事になる。
1

No.006/2011◆ 「必死剣 鳥刺し 」2010年・評価【3】   邦画

監督:平山秀幸
出演:豊川悦司、池脇千鶴、吉川晃司、岸部一徳
藤沢周平の原作を、豊川悦司主演で映画化した時代劇。海坂藩の物頭・兼見三左エ門が、藩主・右京太夫の愛人・連子を城中で殺害する事件が発生。しかし、意外にも寛大な処分が下された三左エ門は、1年の閉門後、再び藩主に仕えることになり…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かなり面白い。
しかし、贔屓の平山監督の実力からすれば当然の出来ということも言える。

殿と側室の俳優があまりうまくないことが全体の雰囲気を壊している。
そして、何と言っても最後の血みどろの大立ち回りの筋が読めてしまうこと

もうひとつは、これは殺陣が意外と硬直していて、スムーズさがない、おそらく俳優の資質を見抜いた監督がカットを細かくしたせいだと思うが残念な部分である。
現在の俳優に黒澤時代劇を求めるのは酷であることは分かっているが・・・。

池脇千鶴は楚々とした日本女性を上手に演じている。

クリックすると元のサイズで表示します

0

徒然に・・メガネのこと映画のこと  日々のこと

年が開けてもどんよりした空気が漂う日本。
おそらく、ずっとこのような感じが常態化するであろうことは想像できる。
私たち日本人は何処へ行くのか?

すっと背筋が寒くなる感じはどこかにある。

「まず隗より始めよ」

しかしながら、私自身を振り返ってみると明らかなどん底は脱したかに感じている。
三年ほど前のお店の閉鎖、家族の相剋等々、
そして、それでも助けてくれる人もいた。

メガネにこだわって、こだわって、そしてそれと心中する覚悟はとうにできていたが、お客がいるかどうかが問題でもあった。
幸い、インターネットでの販売は儲かるレベルではないにしても、いろいろな人々に喜んでもらえるぐらいにはなったと思っている。

もう地方では良心的なメガネ屋は完全に営業が立ち行かない、つまり破綻する時代になってしまった。
それは小売全般に言えるわけで、大手と地元の金持ちしか残らないであろう。

それでも私は悲観はしていない。
なぜなら、落ちることろまで落ちると大概なことは平気になる事も経験している。
つまり、常識というものが如何にいい加減か、また捨て身の人間ほど怖いものはないから。

地方から革命に近いものがいずれ出てくるであろう。
そういう時はもうそう遠くはあるまい。
混沌」に私たちは備えなくてはならない。

ちょっと、私はわくわくしている。
わたしは私なりの「技術」で武装しようと思うが、それとてあてにはならないのかもしれない。

映画に絡めれば、以前の日本映画にはもう少し未来への提言のようなものがあった気がするが、今はもう殆ど見当たらない。
「ふるさと」「仁義の墓場」「㊙色情めす市場」等々、優れた映画は殆ど真っ暗ではあるが、僅かな光を残しながら終わっている。
それでいいと思う。

私たちは、これからはわずかな希望と光で、慎ましく生きていかなくてはならないであろう。

行く川の流れは絶えずしてしかも、もとの水にあらず。
それでも鴨長明の時代に戻れるわけではないが・・・。

自分の立ち位置を確認しておくことは、絶対に必要な時代に入ったことだけは確かなようだ。

「戯言」最後までお付き合いいただき感謝します。


4

No.005/2011◆ 「影を斬る 」1963年・評価【3】   邦画

監督:池広一夫
出演:市川雷蔵、瑳峨三智子、坪内ミキ子、成田純一郎、松本錦四郎
市川雷蔵と池広一夫監督の代表作をDVD化。伊達藩の御天守奉行兼剣術指南役の井伊直人の下に、ある日城代家老の娘・定がおしかけ女房にやって来るが、剣道の試合を所望した彼女は直人を巴投げし…。直人は男の意地を賭け、武者修行の旅に出る。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
かなり風変わりな時代劇である
男よりも強い女房をもらった武士の話なのだが、なにせ喜劇風でもありながら「女性賛美」が色濃く、現代にも大いに通じる話である。
当時はまるで評価されなかった可能性があるのだが、現代の女性たちにこの映画を見せるとかなり面白い反応が出てきそうだ。

クリックすると元のサイズで表示します


0

No.004/2011◆ 「座頭市血煙り街道 」1967年・評価【4】  邦画

監督:三隅研次
出演:勝新太郎、近衛十四郎、高田美和、朝丘雪路
勝新太郎扮する座頭の市と手練の素浪人との凄まじい対決シーンが展開される傑作時代劇第17作目。ある旅籠で、市は病気の婦人から前原にいる夫・庄吉の下に、息子を連れて行ってくれるよう頼む。しかし、庄吉は権造一家の陰謀に荷担させられていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
座頭市シリーズ18本のうちでも、屈指の傑作だと思う。
なんといっても近衛十四郎の太刀さばきが際立っており、ストーリー展開も無理がない。

クリックすると元のサイズで表示します


0

No.003/2011◆ 「沙羅双樹 」2003年・評価【2】  邦画

監督:河瀬直美
出演:福永幸平、兵頭祐香、樋口可南子、生瀬勝久、河瀬直美
『萌の朱雀』で脚光を浴びた河瀬直美監督・脚本による感動のヒューマンドラマ。奈良の旧市街に暮らす俊は、ある日双子の兄・圭と遊んでいたが、圭が忽然と姿を消してしまう。5年後、高校で美術部に所属する俊は、兄への想いを描き続けていた…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
河瀬監督の死生観がかなり良く出ている。
失踪した兄の死(?)が、かなり曖昧に象徴的に描かれる。
それは「萌の朱雀」での自殺してしまう父親の死と共通する。

この監督の奈良へのこだわりというか、地域社会を大事にする姿勢は立派だと思うが、私にはどうしてもそこがわだかまりとして残ってしまう。
監督自身の独自性は、そこからしか始まらないと言うがどうも広がりが感じられない。
それでもいいのかもしれないとも思うが、私にも判断が出来ない。
ただひとつ言えることは、もうこの監督のこういう作品は御免だ、見たくないと。

才能ある人間も、そうでない人間も、どこかで同じことを繰り返す。
そして、成熟し、衰退していく。

経済とて同じこと、

いずれにしろお説教はまずいですね(反省)。

クリックすると元のサイズで表示します

1

No.002/2011◆ 「花嫁の父」1950年・評価【3】  洋画

監督:ヴィンセント・ミネリ
出演:スペンサー・トレイシー、エリザベス・テイラー、ジョーン・ベネット、ドン・テイラー
ヴィンセント・ミネリ監督が愛娘を嫁に出す父親の複雑な気持ちをペーソスたっぷりに描いた感動ドラマ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この映画の知識は少しはあったが、知り合いのブログが鑑賞のきっかけ。
実はもう少しほのぼのとしたお涙頂戴風のものかと思っていたが、なかなかシニカルな映画であった。
どこの国でも結婚騒動記は存在するようで、笑ったりもしたが、私の個人的な体験が素直に鑑賞させてくれなかった。

ともかく「ハレ」は苦手な当方、またしても薄暗い日本映画が見たくなった。

そうそう、エリザベス・テイラー美しいことには間違いないが私は「ナタリー・ウッド」が昔からのファンである。

クリックすると元のサイズで表示します

0

No.001/2011◆ 「ロストクライム 閃光」2010年・評価【4】  邦画

監督:伊藤俊也
出演:渡辺大、奥田瑛二、川村ゆきえ、武田真治 (グループを探す)
「三億円事件」を独自の視点で描いた、永瀬隼介のベストセラーを渡辺大主演で映画化したクライム・サスペンス。野心あふれる若手刑事・片桐と定年間近のベテラン・滝口は、ある殺人事件の被害者が三億円事件の犯人グループのひとりと聞かされ…。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
謹賀新年
今年も宜しくお願いいたします。
この偏屈ブログも、ほんの少数の熱い人達によって支えられているように感じます。
日本映画の良さは、「暗い映画にあり」という、私の信念で書き続けられており、分かる人にはわかるということで、何か自信のようなものもこの頃出て参りました(笑)。

私は映画が好きなように、人間が好きなはずなのに、どうも孤立してしまうようなところもあり、私自身も自分に呆れたり、落ち込んだりもするのですが、もう残り少ないであろう人生をわがまま放題に生きたいと思っているのです。
「説教はしない」は私の基本コンセプトで、特に女性と老人には親切にしなければと思っています。ハイ!!
ガキはいいのです。親が付いているのだから・・・。

さて、映画です。
大晦日、例のガキも喜ばない紅白何某を一切見なく、この映画に没頭していました。
実に興味深く、本当に堪能した一本でした。
実はというのがつくのですが・・・。後回しで

伊藤俊也監督「さそり」シリーズ以降、ほとんどまともな映画を撮っていなくてどうしているのかな思っていたのです。
三億円映画は何本かあるが最良の出来です。
事件の実像は誰も知らないわけだから、好きなように解釈していいわけだけれど、本当にあったような雰囲気作りは監督の腕なわけだ。
最も本当らしく感じだのは、三億円を燃やしてしまうところ、なるほどこの話の顛末だとお金が使えないはずだ。

実際、自殺した警察関係者の息子、さらに自殺した運転手等々、、、
いろいろな人達がこの事件の周辺にいることだけは確かである。

実際の事件は、映画で描いたものとまるで違う可能性だってあるわけだけれど、三億円事件ほどロマンを掻き立てるものはない。
今での貨幣価値だと20〜30億円、途方も無いお金なのだ。

ここから実はです。
この映画は私たち世代にはとっても分かりやすい芝居ですし、やや古典的な映画形式をとっている。
つまり、三億円に興味のない人には退屈な「前世紀のアクション映画」のように映るかもしれない。
渡辺謙の息子、大君の古典的大芝居がつや消しであることも感じている。
警察陣の芝居も臭いといえばどうしようもなく臭い。
それでも、私はこの映画は大好きである。

「死ぬな」
最後に奥田刑事が叫ぶ声が何時までも心から離れない。
組織から外された一刑事の悲痛さを私たちは理解しなくてはならない。
権力の怖さは、「さそり」でも十分描いていたけれど、この映画の肝でもある。
「仕事」とはこういうモノであろう。
そう思って静かに床に付いた。

クリックすると元のサイズで表示します

2




AutoPage最新お知らせ