私は、バイク小説や、オートバイが出てくる書き物が大好きでした。片岡義男をはじめ、多くのひとが書いていた、70〜80年代、小説だけでなく、いろんな作家が、エッセイなどにオートバイを登場させたりしていました。オートバイが登場しているというだけで、片っ端から読んでいました。
登場人物と自分を重ね合わせたり、オートバイとの係わり合いを憧れたり、風景をイメージして走ったり、と自分のオートバイ生活のひとつでした。それが、一冊の本として、オートバイの読み物が出る事の無い時代になってしまいました。自分のオートバイ生活のなかから、オートバイの書き物を読むということも少なくなっていました。
それが再び戻りかけ始めたのは、片岡義男が漫画と一体になった出版物(雑誌なのか?)に短編を書いていることを知ってからです。読むと、懐かしくもワクワクするような気持ちが甦ってきました。オートバイ趣味は、オートバイに乗るだけでは物足りないものだと思わされます。
でも、私は片岡義男を読んでいた時代から、ずいぶん年をとりました。そんな中、読んだ短編、
“ジェームス.マクダウエルのゴールドスター”
年をとるということは、感動したり、心を動かされるということが弱くなっていくことか?いや、その逆だということをこの短編は教えてくれます。一気に何度も読み返してしまいました。
これを書いた作家は、柴田知幸氏。この名前におや?っと思われる方も、そうです、群馬のアピアメカニカの柴田さんです。


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