
収穫の秋だ。
朝から、お母さんは庭の柿をもぎだした。
お向かいのOさんが高枝切りバサミを貸してくれた。
僕はこの数日間、落ちてきた柿を食べたりしていた。
だからお母さんはよほど今年の柿に期待していたらしい。
一番甘そうなのを口に入れた瞬間、
水道のところに駆け寄り、口を濯いでいた。
毎年、甘くはないが渋くもない柿なのに
今年はどうしたことだろう。
僕は人間より渋さを感じないのだろうか?
昨日の夜10時過ぎに、外で人の話す声がした。
僕は「ワン!ワン!」と吠えたが、
どこかに行きそうな気配がない。
出てみると、近所のWおじさんだった。
千葉でシイタケ栽培を始めるらしい。
育ちすぎたしいたけを山ほど持ってきた。
ここに干したのだけでも3分の1位だ。
今晩のメニューはきっとバター焼きだ。

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