電車の中などで本を読むことが多いので
藤沢に居る時に図書館から数冊、いつも調達しています。
重量も内容も軽い本がいいと思い、
今回アガサ・クリスティーを1冊入れておきました。
その1冊が、彼女のたくさんの推理小説の中で
犯人も探偵も登場しない6篇の中の1冊だったのです。
「Absent in the Spring」和訳では「春にして君を離れ」
これが、結構重たい内容の本で
中年の、夫も子どももいる女性(ジョーン)が
バグダッドからイギリスに陸路帰る途中で
天候悪化のため砂漠のレストハウスにたった一人、数日足止めされ
今までの自分に気付いていく・・というストーリーです。
アガサ・クリスティーのテーマにもよく出てきますが
「幸福のもろさ」「自己満足のおぞましさ」「占有欲の罪深さ」
が、一気に描かれています。
自分(ジョーン)が愛情を注いできたと思っていた家族のことを
実は何も知らなかったことに気付かされる・・・。
家に帰ったとき、はたして彼女は違う自分になれたのだろうか?
人間、そう簡単ではなかったのですね。
元の環境にもどると、また前のように振舞うことになる・・。
自分の価値観を家族に押し付け、それが自分の愛だと勘違いする。
ある意味、殺人が出てくるクリスティーより怖いかも。
こんなケースは日本にもたくさんころがっていますね。
自分の思い描く幸せが、子どもにとっても幸せだと思う親。
私もそうだったかもしれません。
最近、電車の中や駅などで
赤ちゃんを連れた若いお母さんが携帯のメールに没頭している姿をよく見ます。
赤ちゃんが何か言いたそうだったりしてもまるで気にしていません。
100%赤ちゃんに向く必要はないのですが
頭の隅で、赤ちゃんは今どうしているかな?と
何に興味を示しているのかな?と
気にしていて欲しい・・と思います。

この写真は、姪の赤ちゃん(5ヶ月)のかわいい手です。
姪は体は細いけれど、
しっかり逞しいお母さんになっていました。

0