ちょっと続きの「伊勢物語」を。
きのうコメントをいただいた友達は高校時代に125段読まされたとか・・

「みやび」な業平だっただけに、行く先々で恋は続き、
とてももてていた様子。
紫式部「源氏物語」も「伊勢物語」に影響を受けて書いたと言われています。
手持ちのある本で手塚治虫が次の6段「芥川」を「火の鳥」のモチーフにしたと書かれていたので????と図書館に行き、調べてきました。
昔、男がいた。女で、手に入れることも出来そうになかった女を、何年もかけて求婚し続けてきたが、やっとこっそり盗み出して(連れ出して)、とても暗い夜に来た。芥川という川のほとりを連れて行ったところ、草の上におりていた露を、(女が)「あれは何か」と男に尋ねた。これから行く道のりは遠く、夜もふけてしまったので、鬼が住む所とも知らないで、雷までもとてもひどく鳴り、雨も激しく降ってきたので、荒れ果てた蔵に、女を蔵に押し入れて、男は、弓と、やなぐい(矢を入れる入れ物)を背負って戸口にいる。早く夜が明けて欲しいと思いながら座っていたところ、鬼があっという間に女を一口で食べてしまった。「あれえ。」と言ったけれども、雷が鳴るやかましさで、(男は悲鳴を)聞くことが出来なかった。しだいに夜も明けていくので、見ると、連れてきた女もいない。足を地にこすって(=地団駄を踏んで)泣いても、無駄である。
真珠か何かとあの人が尋ねたとき、露だよと答えて(私も)消えてしまえばよかったのになあ
http://www.id-core.co.jp/tokiise.html
6段はこれで終わりではなく
無粋な「実は・・」の話が後半ついていて
二条の后が仕えていた藤原基経の妹高子が
さらわれたことに気づき、取り戻しに追いかけてきたらしく
この「鬼」は「基経」のことだというのです。
もし手塚治虫が読んで「火の鳥」のイメージが浮かんだとすれば
雷のなる夜、襲われた美しい娘が蘇るという光景なのでしょうか。
「1Q84」の青豆のように
「実は死んではなかったのだよ、のちに二条の后になるのだから・・」
という付け足しは、いらなかった気がします。
「1Q84」のbook3は・・・?

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