2010 リレー3[2010.01.13-01.26]春を待つ
雪降るひるは
駆けまわり
雪降るよるは
こたつで暖をとる
春を待つひとひ
雪の日の幼き日を
想い起こして *1 繁人 2010.01.13
太陽は 冷たく輝き
澄みわたる青空に
光 乱反射して
川面を
寒風吹き抜ける
*2 繁人 2010.01.13
太陽は
日ごと新たな
絃を張れ
光の指で
地を奏でよ
*3 恵美 2010.01.14
光浴び
煌めきながら
消えゆく氷柱
その涙で
雪融かす
*4 輝美 2010.01.15
ほどけ土
伸びゆく根と
新たな芽を用意せよ
ゆるめ水
生を栄養する糧を運べ
*5 恵美 2010.01.15
光の指で
弾かれた地は
自ら励起し
土は
覚醒する
*6 恵美 2010.01.15
風は
生まれたての
赤子のように
ほほえみ
地をふきわたる
*7 恵美 2010.01.15
死の懐
闇の冷気のなかで
季を待っていたものたちは
来るべき時を謳歌しようと
新生の息吹きを準備する
*8 恵美 2010.01.15
綿のような雪の下
球根は
春の夢を
抱いて
眠る
*9 千代子 2010.01.16
母が子を抱くように
土の
褥は
未生のいのちを
抱いている
*10 恵美 2010.01.16
冬を越す蕾
いくたびの
寒風を
くぐり抜け
春を待つ
冬を越す蕾≠ヘ、宮本百合子が一九三四年十二月の
『文芸』に発表した評論。 *11 慶一 2010.01.17
仮死を装うことなく
希望を
蕾に託して
越冬する
いのちの芽
*12 恵美 2010.01.17
薄氷を割り
咲く
ふきのとう
輝くいのちの
たくましさ
*13 輝美 2010.01.17
とけよ薄氷
幸魂
(さきみたま)奇魂
(くしみたま)
いでまして
地の皿を馳走でみたせ
地はいのちに盈ちみちて咲け
*14 恵美 2010.01.26

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