<水道方式:復刻版>
算数の遭難スポットA:くり上がり、くり下がりの計算(第9号:2007.07)
□ 先月号から、算数でつまずきやすいところを説明していますが、今月号は
くり上がり、くり下がりの計算についてお話したいと思います。
□子供たちが、最初に算数で遭難するのは、足し算の繰り上りや、引き算の繰り下がりです。2年生になってすぐですね。
□遠因は、1年生にあります。1年生でやる足し算と引き算のタイプでは、例えば、5+3、7+3、6−2、17−8などです。
□教科書には1年生の間は、全部横書きで、縦書きの筆算は一切出てきません。
2年生になると、最初は、1年生でやった横書きで復習します。そして、例えば34+12が出てきて、やっと筆算です。これは繰上りなしの計算ですが、ここまで進んで筆算ですから、横書きの癖がつきすぎて、なかなか縦書きの筆算に移れない子供がいますね。
★まず 1けたの縦書きの筆算をしてから2けたの筆算へ!
34 59 4 9
+12 +35 ← +2 +5
46 94 6 14
□そして、59+35のような繰り上りが出てきます。これでは子供が戸惑うのも無理がないと思います。本当は、水道方式のように4+2 や 9+5 を縦書きの計算でやっておいて、2ケタの計算に入るべきだと思います。引き算も、同様です(下図参照)。
★1年生から 縦書きの筆算をしてから 2けた同士の筆算へ!
36 53 16 13
−24 ―26 ← - 4 −6
12 7 12 7
□さらに、位取りの理解と縦書きの計算をしていないと、 53+3の計算を次のように間違った計算をする子供がけっこういます。
(誤) 53 (正) 53
+3 + 3
83 56
□小学校の先生も、この問題点に気づかれ、1年生から縦書きの筆算を随時、取り入れておられる学校もあります。

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