津波注意報の発令で情報収集に追われる岩手県の釜石市役所=26日未明【拡大】
深い眠りをさえぎる不気味な揺れが東日本を襲った。26日午前2時10分ごろ、宮城、福島、茨城、栃木の4県で震度4を観測。福島県の相馬で40センチなど東北太平洋沿岸の各地で津波を観測した。震源は「3・11」より南の福島沖で、今後は活動域がさらに南下する危険がある。房総沖のマグニチュード(M)8級を誘発すれば、首都圏が東日本大震災の発生当日以上の大混乱に陥るのは必至だ。
気象庁によると、震源地は福島県沖で、震源の深さ約10キロ、M7・1と推定。東日本大震災の余震とみられる。北海道から九州の広い範囲で揺れを記録。気象庁は岩手、宮城、福島、茨城各県と、千葉県九十九里・外房に津波注意報を出した。大震災の余震による津波注意報の発表は、昨年12月に三陸沖で起きたM7・3の地震以来のことだった。
各地で観測された津波は岩手県の久慈港で40センチ、宮城県の石巻市鮎川で30センチ、岩手県大船渡市で20センチ。気象庁は「M7クラスの余震はこれからも発生する恐れがあるので注意してほしい」と呼び掛けている。
今回の地震について、武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)は、「海溝の外側を震源とするアウターライズ地震。さらに規模が大きかった場合、地震の揺れはそれほど強くなくても、大津波が襲ってくる『津波地震』になる危険があった」と解説する。
津波地震の代表例は1896年、三陸沖を震源とする明治三陸地震(M8・2−8・5)。揺れは最も強いところで震度4ながら、最大38・2メートルという巨大津波が発生し、2万人以上が犠牲となった。26日未明の地震は、規模によっては「3・11」級の被害をもたらす危険もあったわけだ。
警戒すべきなのは津波だけではない。
「3・11の巨大地震では岩手から茨城の沖が震源となった。ただ、なぜ震源域の南側が茨城沖で止まったのか、原因は解明できていない。茨城沖よりさらに南、つまり房総沖に大地震が隠れている可能性がある。房総沖で蓄積されているエネルギーがM8規模の地震として解放されれば、首都圏は3・11よりはるかに大きな影響を受けることになる」(島村氏)
2011年3月11日、首都圏では515万人が自宅に帰れない帰宅難民となった。東京により近い房総沖で巨大地震が起きれば、交通インフラが受けるダメージはさらに拡大。線路の損傷、道路の陥没、大規模停電などにより、3・11を上回る大量の帰宅難民が生まれるほか、都市機能のマヒは長期におよぶ可能性がある。
三陸沖から茨城沖で強い余震が起きているなか、ひたすら沈黙する房総沖。隣接区域の活発な動きは、蓄積された“満タン”に近いエネルギーを刺激してしまうのか。
作業員D?もちろん、我々にもやらなくちゃいけないという思いはあるんですが、正直キツい。作業員の数は変わらないのに、仕事は増えていくばかり。トラブルが起きれば、その対応でまた仕事量が増える。キャパシティを超えて、みんな疲れきっています。「汚染水を処理する」ことばかり注目されていますが、現場の感覚からすると、放射性物質を取り除いた低濃度の汚染水を海に流せるように政治の力で話をつけてもらわないと意味がない。処理後の汚染水が貯まる一方で、いまでもタンク工場みたいになっている。
作業員B?あとは作業員を増やすべき。特に熟練工を福島に戻さんと。
作業員D?東電は、最初は威勢のいいことを言うんです。『お金がかかってもいいから、ちゃんと収束させましょう』と。ところが、実態が伴わない。これから廃炉まで30年も40年もかかるのに、作業員の詰め所はプレハブにクッションシートを敷いた簡素なもの。汚染水用のタンクもそう、「カネがないカネがない」でも「急げ急げ」で造ったから、トラブルが絶えない。
作業員C?一部の東電の協力会社がバカみたいな安い値段で入札して、イチエフの労働価格のデフレを引き起こしたのも問題。労働者の中には借金などでヤクザに送り込まれた人や食い詰めたヤクザ本人がいる。現場はヤクザとど素人ばかりです……。
作業員B?原発に潜入したジャーナリストが「作業員の1割はヤクザ」と本で書いとったけど、たしかにヤクザ者は増えた。刺青入れた作業員にも会ったことあるわ。安く人を派遣して中抜きしたり、単純にシノギとして若い衆を派遣したりしとるんやろね。一方でヤクザに頼りでもしないと、人が集まらんのも事実。
作業員D?そもそも事故対策を考えてなかった会社に事故対応をやらせることが間違い。しかもプライドは高いから「このままでは無理です」と頭を下げることもできない。汚染水はどんどん増えるのに、作業員はどんどん減っていく。それなのに子ども・被災者支援法はあっても被曝労働者の支援法はないというんだから、そのうち素人もヤクザもイチエフからいなくなってしまいますよ。
「週刊現代」2013年10月26日号より
南海トラフ付近で起きる大地震の発生メカニズムを解明するため、紀伊半島沖にある巨大分岐断層の掘削調査が来月から始まる。海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」で海底下5200メートルまで掘り、分岐断層の試料を採取して活動の実態を探る。(伊藤壽一郎)
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世界記録更新へ
掘削調査を行うのは、和歌山県新宮市から南東75キロの熊野灘。南海トラフのプレート(岩板)境界から複数の巨大な分岐断層が枝分かれしている場所だ。計画では水深2千メートルの海底から5200メートル掘削し、分岐断層の根元まで掘り抜く。
この場所での掘削は昨年11月にいったん着手したが、強い風と潮流の影響で掘削機器が損傷し、海底下2千メートルまで掘ったところで中止した経緯がある。今回はその仕切り直しだ。
ちきゅうはすでに現場海域に到着。前回の掘削孔を一部利用するため、穴を密閉してガスや水の逆流を防ぐ装置の設置や、孔内の清掃などの準備を進めており、順調に行けば来月中旬に掘削を始める。
掘削孔をパイプで補強しながら掘り進むが、前回の穴は深部が未補強で崩壊している可能性がある。このため海底下860メートル地点からは、わずかに斜めにずらして新たな穴を掘る。来年1月下旬に同3600メートルに到達し、来年度から巨大分岐断層の試料を採取する計画だ。
ちきゅうの掘削性能は世界一で、昨年9月には青森県八戸沖で研究目的としては世界最深の同2466メートルまでの掘削、試料採取に成功している。同5200メートルの巨大分岐断層まで掘削できれば、世界記録の更新は確実だ。
昭和東南海で連動
南海トラフは西日本を乗せた陸側プレートの下に、海側のフィリピン海プレートが沈み込む浅い海溝。両プレートの境界面ではマグニチュード(M)8級の東海・東南海・南海地震が繰り返し起きてきた。
熊野灘付近では、プレート境界の途中から上方に枝分かれした巨大な断層が伸びている。海洋機構は一昨年、ちきゅうで採取した試料の分析から、この分岐断層が昭和19年の東南海地震でプレート境界の深部と一緒に動いたことを証明した。
分岐断層が動くと津波が巨大化する恐れがあり、綿密な調査が必要になった。調査では掘削を行いながら岩盤の硬さや、周囲からかかる力を測定。採取した試料は肉眼だけでなく、コンピューター断層撮影(CT)も駆使して調べ、地震で生じた摩擦熱による有機物の変性などを解析する。
同機構地球深部探査センターの高瀬弘次サブリーダーは「過去の地震で分岐断層がどう動いたかを調べ、発生メカニズムの解明や予測につなげたい」と話す。
昨年の調査は低気圧で荒れ狂う風と波浪の中、ちきゅうと掘削パイプを切り離す判断が遅れ、機器が損傷して中断に追い込まれた。「今回は気象情報を綿密に分析し、危険なときは無理をせず速やかに離脱する」(同機構)としている。
地震観測にも活用
地震が多発する熊野灘周辺の海底には、地震計と津波計を網の目のように張り巡らせた観測監視システム「DONET」を同機構が整備している。異変をキャッチしたら、光ファイバーの超高速通信で陸上局にデータを送り、気象庁などに配信して津波警報や緊急地震速報に生かす仕組みだ。
生命に直結する防災情報は少しでも早い方がいい。このため分岐断層の掘削調査後は、残った穴の底部に地震計やひずみ計を設置し、DONETと接続して情報の補強に役立てる。
掘削計画に参加している千葉大の金川久一教授(構造地質学)は「巨大分岐断層付近に観測機器を設置してデータを収集できれば、地震の察知がこれまでより確実に早まり、防災に役立つだろう」と話している。
世界では信じられないような出来事がたびたび起きているが、2歳の男の子が自身の片割れである「双子の兄弟」を出産したとのニュースが報道され話題となっている。このニュースは動画「Xiao Feng, 2-Year-Old, Gives ‘Birth’ To Own Twin In China」で確認可能だ。
米「Huffington Post」が伝えたところによると、中国・貴州省貴陽市にある花渓区で、2歳児のシャオ・フェンくんの腹部が異常に膨らんでいることに両親が気づいた。呼吸に困難をきたしていたシャオ君を病院へ連れて行き検査をしたところ、医師がシャオ君の腹腔に未成熟の胎児がいることを発見した。手術の結果、体内の胎児は摘出されたという。
摘出された10インチ(約25センチ)の胎児は背骨も手脚も形成されており、シャオ君の結合双生児の片割れだったことが分かった。1個の受精卵が分裂して双子になる一卵性双生児に対し、受精卵の分裂が完全に行われず、双子の体の一部分が結合する症例を結合双生児という。
シャオ君の場合は子宮にいた時に、結合双生児だった片割れの未成熟な胎児を、自分の体内に吸収したために起きた症状だそうだ。
この症例は、昨年ペルーでも報告されており、3歳の男の子から未成熟の双子の兄弟が摘出されている。また2008年にギリシャでは、9歳の女の子の体内に残っていた未成熟の胎芽が、間違って腫瘍と診断された例もある。
シャオ君は手術をしなければ命の危険に及んでいたとのことで、大事に至らず何よりだ。一緒に生まれることができなかった兄弟の分も、すくすくと元気に育つことを願いたい。