接種後に全身に痛みを伴う副作用の報告が相次いでいる「子宮頸(けい)がんワクチン」。神奈川県内ではこれまでに25人が副作用を訴え、厚生労働省も6月、接種を積極的に勧めない方針を決めたが、接種は今も行われている。「これ以上被害者を増やしたくない。ワクチンの怖さを知って」。県内の副作用患者の家族や支援者らで作る「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会県支部」は接種の中止を求めている。 (古川有希)
「まだワクチン接種が行われていることが信じられない。元の体に戻してほしい」。平成24年9月から3回に分けて子宮頸がんワクチンを接種後、過呼吸や関節痛などの症状が次々に表れ、今年9月からは車いす生活を余儀なくされている同県平塚市内の中学2年生の女子生徒(14)はこう訴える。
小学1年生から続けていたダンスは踊れなくなった。最近は味覚にも影響が出ているのか、「今までおいしいと思っていたものもおいしいと感じられなくなった」と視線を落とす。
女子生徒の母親(43)は、「病院をたらい回しにされた揚げ句に『子宮頸がんワクチンの副作用ではない』といわれ続けてきた。精神障害と診断されたこともあった」とくちびるをかみしめる。
被害者連絡会県支部の代表で、次女(16)が2年前から副作用に苦しんでいる山田真美子さん(48)=横浜市泉区=は、11月の県支部発足以降、「まず副作用に対する理解を深めてもらうことが大事」と、ほかの被害者家族とともに県内の議員などに実態を説明する活動を続けている。
県は年内に専門医のいる医療機関をホームページで紹介する取り組みを始めるほか、横浜市議会でも副作用に対する治療法の早期確立や治療体制の充実などを安倍晋三首相らに求める意見書を全会一致で可決した。自治体や議会にも理解の輪が広がってきたが、接種が今も行われている事実は変わらない。
県内自治体で最大となる10人の副作用患者がいる横浜市では、23年2月から25年3月までの接種率が7割以上だったが、今年6月以降は接種者が激減し、10月に1回目のワクチンを接種したのは7人だったという。市健康安全課は「国の対応に準じており、中止はできない。ワクチンの副作用は十分説明している」と強調する。
山田さんは副作用患者の大半が10代であることにも危機感を募らせ、「本人の高校や大学への進学問題だけでなく、彼女らを支えている家族の負担も大きい。被害者の個々のケースに寄り添った長期的支援を求めていきたい」と強く訴えている。
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子宮頸がんワクチン 子宮の入り口付近にできる子宮頸がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ効果があるとされる。国内での接種は平成21年から開始。20〜30代の女性がかかるがんの中では乳がんに次いで多いため、小学6年生〜高校1年生の女子が接種対象となっている。今年4月から希望者は無料で接種を受けられるようになったが、厚生労働省は6月、接種後に副作用の報告が相次いだことを受け、接種を積極的に勧めないことを決めた。25日に有識者会議を開き、接種の推奨を再開するかどうかの方針が示される予定だ。
ハワイ沖の海底で見つかった旧日本軍の大型潜水艦「伊400」(中央)=8月(ハワイ大海洋調査研究所、ロイター=共同)
【ロサンゼルス共同】米ハワイ大の海洋調査研究所は3日までに、旧日本軍の潜水艦の残骸をオアフ島沖の海底で発見したと発表した。原子力潜水艦が建造されるまでは世界最大級だった「伊400」で、第2次大戦の終結直後に米軍が押収、高度の技術がソ連の手に渡るのを警戒し、破壊して沈めた。
オアフ島南西沖の深さ約700メートルの海底で、同研究所の有人潜水艇が見つけた。
伊400は全長約120メートルで、翼を折り畳んだ攻撃機を3機搭載できた。給油無しで地球を1周半連続航行する能力があったとされる。
日本の技術は今も昔もすごいですね。