長崎県教育委員会は4日、竹松遺跡(大村市)にある弥生時代後期(2世紀ごろ)墳墓群の祭祀用の穴から、火葬した人骨を砕いてまいた跡が見つかったと発表した。仏教伝来前の日本では火葬自体が珍しく「西日本では例がない貴重な発見で、特殊な葬送儀礼とみられる」と説明している。
県教委によると、穴は縦約1・8メートル、横約2メートル、深さ約0・2メートルの楕円形。別の場所で火葬した後、数センチ程度に砕かれ、まかれていた。焼けたガラス製の小さな玉や鉄製の小刀も出土した。
県教委は死者を弔う際、墓域全体を浄化するため、特殊な儀式を行った可能性があるとみている。
千葉県教育委員会は31日、市川市の雷下遺跡で、約7500年前の縄文時代早期に作られたとみられる丸木舟が出土したと発表した。県教委によると、縄文時代の丸木舟はこれまで全国で約160隻が発見されているが、縄文早期では初めてで、国内最古と考えられるという。
昨年11月に地表から約5・3メートルの深さの土中から舟の底部と側面の一部が見つかった。長さ約7・2メートル、幅約0・5メートルで、木を石器でくりぬき、漁や物資の運搬などに使用していたと推測される。
放射性炭素年代測定法による分析で年代が判明。茨城県つくば市の森林総合研究所で素材を調べてムクノキと分かった。
発見場所は当時、海のすぐ近くで、周辺から貝塚なども見つかっている。発掘調査を担当した県教育振興財団は「現在の東京湾で漁などをしていた生活を想像できる貴重な発見」としている。