2007/2/9
さまようドラフト改革
プロ野球実行委員会のドラフト制度検討委員会(委員長=横浜・山中正竹球団専務)が2月7日、那覇市内のホテルで開かれ、2年間の暫定試行期間を終えた現行のドラフト制度について、12球団のスカウト責任者からヒアリングを行った。
山中委員長は「意見は出尽くした。今年どうするかを早く決めたい」と話したが、各球団が透明性、海外流出、球界の繁栄、ファンの注目度、年俸や契約金の高騰−などの項目を3月5日までに検討し、結論を出すこととなった。
メンバーのひとりである読売の清武英利球団代表は会議後、報道関係者らに、スカウトからは「現行制度で透明性や公平性が確保できるようになった」「高校、大学、社会人の指導者への調査で、58%が現行制度を続けるべきとしている」と話した。
日本学生野球協会、全日本大学野球連盟、日本高校野球連盟は8日、日本プロ野球組織(NPB)がアマ側団体の同意がないまま、アマチュア野球指導者にアンケート調査を実施したとして、根来泰周コミッショナー代行に連名で抗議文を送った。これは、前日開かれたドラフト制度検討委員会で、読売清武代表がアマチュア野球指導者に対するアンケート調査結果を公表したことについて、調査の実施自体がアマ側の同意を得ていないとした。
プロ野球の12球団代表者会議は1月24日、アンケート実施の方針を決めたが、日本高野連などは同26日までに「アマ側の同意を得ないのは、信頼関係を損なう」として中止を申し入れていた。抗議文は「選手の意向を反映する監督のアンケートによってアマ側の意向を探ろうとするのは、正しい現状把握とはいえない。事前にその内容を統括する競技団体に開示しなければ信頼関係を損なう」と改めて指摘した。
これに対し、読売球団の清武代表は同日、調査は読売球団が独自に行ったものであり、「昨年12月からスカウトが面談した際、原則として大学、社会人を対象に現行ドラフト制度について意見を聞いている。それを発表しただけで、アマ側には誤解があるのではないか」と反論した。
ドラフト制度検討委の山中正竹委員長(横浜球団専務)は「委員会としてアンケートを行うことは現段階ではないし、実施する場合にアマ側の了解が必要なことは承知している」と語った。またコミッショナー事務局の長谷川一雄事務局長は、「ドラフト制度検討委員会では、アンケートは行わないと決めた。アマ側には『申し訳ない』と伝えた」と話した。アマ側は今回の調査結果を検討材料としないように求める。
以上、新聞記事から
スポーツ報知
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20070207-OHT1T00196.htm
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20070208-OHT1T00170.htm
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20070208-OHT1T00181.htm
ヤフースポーツ
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=npb&a=20070207-00000097-mai-spo(毎日新聞)
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=npb&a=20070208-00000106-mai-spo(毎日新聞)
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=npb&a=20070208-00000155-jij-spo(時事通信)
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=npb&a=20070209-00000016-sanspo-spo(サンスポ)
8日の検討委員会では一括開催などに変更を求める球団もあったが、読売の清武代表は「制度はうまくつくったと思う。何を変える必要があるのか」と主張。分離ドラフトは、ドラフト1位が2人になって却って契約金が高騰したという話もあるし、希望枠が残ったことから、契約金高騰の抑止力はないし、裏金問題の解決になっていない。
分離ドラフトは、財政力のある読売球団にとって有利な制度であり、現行・分離ドラフト制度維の補強材料として、「高校、大学、社会人の指導者への調査で、58%が現行制度を続けるべきとしている」と勝手に公表したのだろう。
アマ側にとって、アマ側団体の同意がないまま、アマチュア野球指導者にアンケート調査を実施され、それをもってアマチュア側の総意として、プロ野球側に勝手に利用されたくないといった意向があるものと思われる。「選手の意向を反映する監督のアンケートによってアマ側の意向を探ろうとするのは、正しい現状把握とはいえない」という抗議内容からみると、社会人・大学ドラフト希望枠の維持や高校生ドラフトへの希望枠の導入などの補強材料にアンケート内容が使われることを恐れたということでしょう。

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