2007/2/13
少子化の原因
派遣社員の年齢階級別割合をみると、20〜24歳10%、25〜29歳25.5%、30〜34歳24.5%、35〜39歳13.2%、すなわちいわゆる就職氷河期時代の25〜34歳の階層が50%に達する。 ここでも、25〜34歳の階層の非正社員化が定着していることが分かる。それでは、派遣社員の賃金水準はどの位なのだろうか。
NIKKEI NET「景気を語る指標」BIZ+PLUS「(10/27)派遣社員の急増をどう見るか(斎藤太郎)」から一部を抜粋http://bizplus.nikkei.co.jp/keiki/body.cfm?i=20051027c7000kk
「労働力調査」は、年収階層別に雇用者数を調べている。これを基に雇用形態別の平均年収を試算すると、正社員の453万円に対してパートタイム労働者は110万円、派遣社員は213万円となる。派遣社員の年間収入はパートタイム労働者の約2倍だが、正社員の約2分の1である。
派遣社員は、過去1年間で失業または非労働力化して職を失った者の割合が20%程度(正社員は4%程度)と非常に高く、これはパートタイム労働者とほぼ同レベルである。派遣社員はパートタイム労働者と同様に不安定な雇用形態ということができるだろう。
派遣社員もまたフリーターと同じ、非正社員として不安定な雇用と低所得という労働環境に置かれていることがわかる。ただし、派遣社員はフリーターと異なり、労働者派遣法に基づく国策であるという点で重要であり、規制緩和と労働環境の多様化という美名の下に、労働者の非正社員化を国が自ら推し進めているという事実を見過ごしてはならない。
次は、朝日新聞が20〜30代半ばの若者に対し、ロストジェネレーションと言葉を使い始めた頃の記事をみてみよう。
ある試算によると、子どもを1人育て上げるのに2000万円かかる。ところが非正規雇用者(請負、派遣、パートなど)の生涯賃金は6000万円程度で、正社員の3分の1。子育てどころか結婚さえあきらめている人も多い。旧UFJ総合研究所が昨春発表した調査では、25〜39歳の非正規雇用者が正社員になれないことで婚姻数は年間5.8万〜11.6万組減り、毎年生まれる子供の数は13万〜26万人も減少する。今年の経済白書は、15〜34歳の非正規雇用者約360万人が、正社員でないことで失う所得は年6.2兆円と試算した。国内総生産(GDP)の1.2%にあたり、今後も年約1%分ずつ失い続ける。
また、昨年6月には、第一生命経済研究所は出生率の低下(少子化)に歯止めをかけるには、若年層の経済基盤を安定化させる必要があるとするリポートを発表した。
http://health.nikkei.co.jp/special/child.cfm?i=2006060905967p4
下の表は厚生労働省の調査による低所得層の増加にともなう配偶者及び子どものいる割合をみたもの。厚生労働省の調査によると「配偶者や子供がいる割合」は概ね所得の高い層に多く、所得が低くなるに従って未婚率が高くなるという傾向が示されており、低所得者層の増加が少子化の誘因となっている様子が伺える。
低所得者層の増加による影響 配偶者および子供がいる者の割合(%)
│所得\年齢 │20〜24歳│25〜29歳│30〜34歳│35〜39歳│
│〜99万円 │0.7 │0.6 │10.8 │12.8 │
│100〜199万円 │2.3 │7.9 │19.1 │30 │
│200〜299万円 │4.2 │11.4 │25.2 │37.9 │
│300〜499万円 │7.8 │18.9 │37.8 │51.1 │
│500〜699万円 │8.2 │28.9 │50.5 │62.4 │
│700万円〜 │10.3 │27.1 │52 │70.7 │
参考サイト ウィキペディア

0
1 | 《前のページ | 次のページ》