2007/3/31
18世紀になるとプロテスタントの特権階級(アイリッシュ・プロテスタント)の間でアイルランド人としての意識が芽生え始めた。さらに1775年に勃発したアメリカ独立戦争の対処に追われた英国は、アイルランドに対して強硬策がとれなくなった。
こうした中、ヘンリー・グラタンにより率いられた党派は、英国との貿易不均衡の改善やアイルランド議会の尊重を訴え、1782年事実上立法権を回復させるなどアイルランド議会の地位を向上させた。こうしたことから、この時期の議会はグラタン議会とも称される。
しかしながら、アイルランド人の結束が一枚岩であったわけではない。当時のアイルランド議会はプロテスタント系地主が中心であり、多くの人々はカトリック教徒の政治参加など一層の議会改革を求めていた。
1789年にフランス革命が勃発すると、アイルランドにおいてフランス革命政権との連携を通じて急進的改革を図ろうとする動きも見られ、革命の波及を恐れた英首相ウィリアム・ピットまでが、カトリック教徒の政治参加に理解を示す妥協的姿勢をみせた。
こうして、アイルランド議会のプロテスタント勢力は孤立し、英国への完全併合をむしろ必要とするようになった。一方1791年にはウルフ・トーンによって、信教の自由と英国支配からの独立を掲げるユナイテッド・アイリッシュメンが設立された。この活動は1798年の武装蜂起となり、ナポレオンに派遣されたフランスの援軍があったにもかかわらず、英国軍により鎮圧された。
アイルランドで高まったフランス革命への共感は、フランスと対立する英国政府の大きな懸念材料となり、その解決策としてアイルランド併合が指向された。カトリック教徒解放という公約を示した上で、1800年に英国議会とアイルランド議会で連合法が可決され、グレートブリテンおよびアイルランド連合王国が建国され、アイルランドは国外植民地としての自主性も失い、完全に英国に併合された。
そして、アイルランドは英国議会に32名の上院議員と100名の下院議員を送り込むことになった。しかし、国王ジョージ3世の強硬な反対などもありカトリック教徒解放の公約は留保され続けた。
結局、アイルランドの地位向上はナポレオン戦争の終結後となった。1823年、弁護士のダニエル・オコンネルはカトリックの解放連動を展開。各地で運動が起き、1829年に平和的にカトリック解放法が勝ち取られた。
英国に完全に併合されたとはいっても、実際はそれ以前からイングランド国王がアイルランド国王を兼任していたため植民地であることには変わりなかったが、形式上連合王国の一員となったことでさらなる英国への同化圧力が加えられることになった。
アイルランドの議員たちは大半をロンドンで過ごさねばならず、アイルランドを離れてイングランドで暮らす不在地主になり、商工業も急速に衰退した。現在アイルランド共和国を構成する地域は産業革命もほとんど起こらず、不在地主制の下で貧しい農業経済に甘んじていた。英国との併合は、かえってアイルランドの経済や社会に惨たんたる結果をもたらすこととなった。
by ウィキペディア

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2007/3/30
FAを含め徹底論議を(2007年3月29日 朝日新聞)
【解説】会見で、根来コミッショナー代行が言った。「セの大球団も今年の帝望枠を使わないと言った。使わないのに、制度を置いておいてもしょうがないわけだから」
セの大球団とは、明らかに巨人だ。ここが折れたから、今年からの帝望枠廃止が決まった。これまでプロ野球界は、巨人の意見が少数派でも、数の論理ではなく巨人の意向に流れることが多かった。それが今回は多数派が勝った。希望枠という制度を形骸化する方法があったからだ。巨人だけが待望枠を使えば、残りの11球団はウェーバーになる。21日の代表者会議の後、ロッテの源戸山球団社長を先頭に多数派が「使わない」と公表したことで、巨人の孤立感が強まった。
ただ、08年以降の制度改革となると、簡単にはいかない。巨人は元々、待望枠自体にはこだわっていない。「FA取得年数の短縮とセットでなけれはだめ」と言っているのだ。一方で、広島など育成が基本のチームにすれば、FA短縮は1年でも譲れない。いくら少人数で議論をしても、全員が納得できる制度ができるのは考えにくい。
入り口の自由の待望枠(最初は逆指名)。出口の自由のFA。選手の権利に見えるこの二つの制度が、日本では巨人の主導で93年に同時に生まれた。元々は、そこに矛盾があるのだから、片方がなくなったから、片方を短縮、という議論も矩絡的だ。根来代行が言う、「FAの理念から議論を尽くしましょう」を実現することが、望まれる。(志方浩文)
「大歓迎」「なお不十分」の声
プロ球団
「一歩、前進した」。今年のドラフト会議から待望粋がなくなることに、プロ球団の多くは賛同の意を表明した。
パ・リーグ各球団で希望枠を「返上」することを主張していたロッテの浦戸山球団社長は「大歓迎。来年のドラフト制度については、12球団、アマ球界と連携を取り、できるだけ早い時期に作り上げる努力をしたい」。日本ハムの島田チーム統轄本部長も「撤廃ははとんどの球団の総意だった」と歓迎。ソフトバンクの角田代表は「野球界の被るべき行動」と話した。
すでに「返上」の意思を明らかにしていた中日の伊藤代表は「球団の主張していた通りに(撤廃が)決まって良かった。FAを触りだしたら、何も進まない」。横浜の山中専務も「我々のほか、アマ3団体、選手会が強く望んでいたもの。一応の前進を見たと評価している」と話した。
一方、FA短縮を条件にした待望枠撤廃に反対してきた広島も、了承する姿勢を見せた。松田オーナーは「世論を考えると希望枠は無理。今の混乱を収めるには撤廃してもいい」と語った。
選手会長
待望枠の即時撤廃を訴えてきた選手会の宮本慎也会長(ヤクルト)は「アマチュアやファンからの信頼という部分で、希望粋が撤廃されたことは素直に評価したい。野球界にとって、第一にやらなきゃいけないことは出来た」と一定の評価をした。
ただ「(高校生と社会人・大学ドラフトの)一本化がされてないのが、ひっかかる。何とも中途半端、というのが正直な気持ち」と懸念も口にした。「FAなどリンクすることは多くあるし、まだ議論されるべきことはたくさんある」とし、今後の経過を注意深く見守る姿勢を示した。
この日、宮本会長は根来コミッショナー代行の記者会見があった午後5時には神宮球場で練習の真っ最中。何度も報道陣に評細を逆質問するなど気をもんだ横手だった。
アマ球界
高校、大学、社会人のアマ側3団体は早大選手への裏金問題発覚以降、「不正の温床」として希望枠撤廃を訴えてきた。それだけに、「撤廃はよかった」とそろって前向きに受け止めた。
日本高校野球連盟の脇村春夫会長は「今後はプロアマが協力し、絶対に違反行為が起きない仕組みを作らないといけない」、社会人を統括する日本野球連盟の松田昌士会長も「希望枠即時撤廃は第一歩。不適切な利益供与問題を根絶させることが重要」とコメントし
た。
全日本大学野球連盟の八田英二会長は「大学側も襟を正し、よりよいプロアマ関係を築いていきたい」との談話を発表。08年以降の新制度について、同連盟の内藤雅之常任理事は「プロから意見を求められれば応じてい
きたい」とした。
仲裁案に盛り込まれた「潅外流出対策」には反発も出ている。日本高野連の田名部和裕参事は「ドラフトの段階で入団待望が受け入れられないために、選手がメジャーに流出した例はない。まず日米が対等な立場でルールを作るのが先だ」と主張した。
巨人も同調
巨人の滝鼻卓雄オーナーは28日、今ドラフトからの帝望枠撤廃という根来コミッショナー代行の仲裁実に同調する意向を示した。巨人は選手の職業選択の自由を理由に、FA期間の短縮が待望枠撤廃の条件としていた。
滝鼻オーナーは「コミッショナー代行が、そういう案を発表されたということであれは、巨人としても従う」と話した。また、「新人選択(ドラフト)制度、FA制度など、選手の夢動に関する問題は、しつかり議論しなければならない。部分的なつなぎではいけない」とこれまでの主張も繰り返した。
総意に従う
西武・太田秀和球団社長の話 ドラフトに関してコミッショナー代行から仲裁案が出たことを真摯に受け止めています。各球団の総意に従わせていただきます。

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2007/3/29
希望枠廃止:プロ野球の決定、アマ3団体は歓迎の意向(毎日新聞 2007年3月28日)http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/pro/news/20070329k0000m050086000c.html
プロ野球が今年からドラフト希望入団枠の廃止を決めたことについて28日、アマ3団体は歓迎の意向を示した。
日本高校野球連盟の田名部和裕参事と全日本大学野球連盟の内藤雅之常任理事は28日、阪神甲子園球場内で記者会見した。田名部参事は今年のドラフトも分離方式で高校生は10月初旬、大学生・社会人は11月に行われるとプロ側から説明を受けたことを明らかにした。その上で「完全な意味でのドラフトが1日も早く実現することを願う。アマチュアの健全なフィールドが守られる制度をアマも協力して仕上げていきたい」と述べた。
内藤常任理事も「プロ側から申し入れがあれば、協議を受け入れたい」と話し、要請があれば、ドラフト制度の協議にアマ側も参加する意向を示した。
社会人を統括する日本野球連盟の松田昌士会長も「今回の決定は歓迎する。ただし、希望枠即時撤廃は第一歩であり、不適切な利益供与を根絶させることが重要。今後もプロ野球界全体で一致協力して取り組んでほしい」との談話を発表した。【滝口隆司、大矢伸一】
▽日本高校野球連盟・脇村春夫会長 アマチュア野球からの申し入れが理解されて良かった。今後はプロアマ双方が協力して絶対に違反行為が起きない仕組みを作らなければならない。
▽全日本大学野球連盟・八田英二会長 アマチュア3団体が要望した希望枠撤廃が決まったことは良かった。大学側も襟をただし、より良いプロアマ関係を築いていきたい
希望枠廃止:ファンや世間の支持なしにできず 解説(毎日新聞 2007年3月28日)
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/pro/news/20070329k0000m050132000c.html
21日のプロ野球代表者会議で「今秋からの廃止」を打ち出せなかったのは、巨人が「廃止はフリーエージェント(FA)権取得期間の短縮と一緒に行うべきだ。制度全体の設計を後回しにして、希望入団枠だけ廃止するのは良くない」と主張し、同枠廃止とFA論議を分けたい他球団と折り合いがつかなかったためだ。
巨人の主張も理解できる。しかし、裏金問題が明るみに出ながら、原因の一つとされる同枠の即時撤廃に踏み切れない球界を、世間は「自浄能力がない」「指名する選手と話ができているからでは」と不信の目で見た。マスコミの批判的論調に加え、コミッショナー事務局にはファンからの抗議の電話が相次いだ。もちろん、即時撤廃を求めていたアマ3団体や選手会は猛反発し、選手会の宮本会長はクライマックス・シリーズのボイコットさえほのめかした。
この状況では、仮に同枠が存続しても、使える球団などあるわけがない。ならば今秋から撤廃となるのは自然の流れだった。
代表者会議で「巨人に助け舟を出した」(球界関係者)とされる根来コミッショナー代行は「『世間が許さない』とか『ファンがやかましい』というようなことで議論を進めるべきではない」と語った。政治や法曹の世界なら正論だ。しかし人気商売であるプロ野球は「世間」や「ファン」の支持なしに論議を進めることなどできなかった。【神保忠弘】

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2007/3/28
希望枠廃止:ようやく決着 プロ野球界もついに結論出す(毎日新聞 2007年3月28日)
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/pro/news/20070329k0000m050059000c.html
今秋からの「希望入団枠」廃止が28日、ようやく決まった。西武の裏金問題発覚以来、迷走してきたドラフト制度の改革論議。21日の代表者会議では7時間半の議論を尽くしながら、今秋からの廃止を打ち出せなったプロ野球界も、アマチュア球界やプロ野球選手会、ファンの反発や批判の声の大きさに屈し、ついに結論を出した。今後はフリーエージェント(FA)制改革と一体化した、新制度の検討に議論は移る。
大学・社会人選手が球団を自由に選べる「希望入団枠」の原形である「逆指名制度」が導入されたのは93年。この年に始まったサッカー・Jリーグのブームに、プロ野球界は危機感を覚えた。従来から新人獲得の自由競争化を訴えていた巨人と西武が、野球機構脱退−新リーグ結成までチラつかせ、短期間で逆指名制度とフリーエージェント(FA)制度の導入を実現した。
もちろん巨人、西武の思惑だけで両制度が実現したわけではない。サッカー人気が急速に高まり、野球は底辺の競技人口を奪われつつあった。そこで選手にチーム選択の自由を与えることで、若者を引きつけようとした面もある。
逆指名制度は、新人獲得資金の高騰を招いた。93年秋のドラフトでは逆指名で入団した選手の契約金が最高1億6000万円まで高騰。吉国一郎コミッショナー(当時)が「常軌を逸している」と批判する事態を招いた。有力新人から逆指名を得るために、各球団はアマ選手の囲い込みを行い、04年の一場問題、今回の西武問題のような裏金を生む余地ができた。
逆指名制度とFA制度は人件費の大幅増を招き、球団経営を圧迫した。それでも逆指名制度が続いたのは、大きく二つの理由がある。資金力のある球団は有力新人を獲得しやすい。逆に資金力の乏しい球団は、逆指名制度がなくなれば、FA権取得期間が短縮されることを恐れたのだ。
さまざまな思惑が絡んだ逆指名制度だが、西武の裏金問題をきっかけとした世間の逆風の中で、ついに終わりを迎えた。
◇根来コミッショナー代行が会見…「大局的な判断もあった」
根来泰周コミッショナー代行の会見は、28日午後5時から始まった。
根来代行によれば、21日の代表者会議で各球団に対し「この秋、仮に希望入団枠が残っても、制度を使うつもりがあるのか」と尋ねたという。しかし、各球団からは反応がなかったため、今秋からの希望入団枠廃止については明確な決定ができないまま、代表者会議は終了した。
その後、ほとんどの球団が同枠を使用しない旨をコミッショナー事務局に連絡してきた。そこで今秋からの同枠廃止を前提にしたドラフト制度を策定しようと、セ・パ両リーグの理事長が各球団と折衝したが、まとまらなかった。このため根来代行が仲裁案を作成し、12球団の内諾を得たという。コミッショナー事務局関係者によれば、最後の球団の内諾を得たのは、根来代行の会見の約2時間前だった。
根来代行は「セ・リーグも30日に開幕する。こういう問題をいつまでも引きずっていれば、プロ野球に対する認識も悪くなるという、大局的な判断もあった」と語った。今秋のドラフト会議実施方法の細部については今後、実行委員会などで詰めていく。
また来季以降のドラフト制度については、FA制度と一体化させ、海外流出対策も念頭に置きながら、論議していく。そのためにコミッショナー指揮のもとに委員会を設置する。委員会の編成は、根来代行が「12球団が集まって議論しても、なかなかまとまらない。全国を対象にしている球団、地域密着型の球団など、球団の特性をうまく合わせて少人数で作りたい」と語ったことから、巨人、ソフトバンク、楽天、広島などをメンバーとし、6球団程度で構成されると見られる。
◇巨人が譲歩
希望入団枠の今年からの廃止に消極的だった巨人が譲歩した。東京都内のホテルで取材に応じた巨人の滝鼻卓雄オーナーは「コミッショナー代行案が発表されたなら、巨人も従う」と語り、「案が示されたことに対してノーとは言わない。一体改革の方向性をコミッショナー代行が見せてくれたのなら、それで大いに進めていきたい」と説明した。
21日の代表者会議で、大半の球団が同枠の即時撤廃を主張したが、巨人は「全体の制度設計をすべき」と慎重な姿勢を示した。26日には滝鼻オーナーが、全日本アマチュア野球連盟の松田昌士会長と会談し、即時撤廃を改めて強く要望されたとみられる。さらにパ・リーグが同枠を返上する動きを見せるなど、巨人は苦しい立場に追い込まれていた。
ただ、巨人が強く求めていたFA権取得期間短縮について、仲裁案には新制度はドラフト制度とFA期間の一体的改正について議論することが盛り込まれた。滝鼻オーナーは「新人選択制度、FA、そういう選手移動に関する問題は全体できちっとしたものを確立したい。部分的に手直しすると、問題が出てくる」と、これまでの主張を改めて述べた。【田中義郎】
今秋から「希望枠」廃止…根来コミッショナー代行が発表(2007年3月28日 スポーツ報知)
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20070328-OHT1T00201.htm
日本プロ野球組織(NPB)の根来泰周コミッショナー代行は28日、東京都内で緊急記者会見を行い、ドラフト制度の希望入団枠を今秋のドラフト会議から廃止すると発表した。21日の12球団代表者会議では、大学・社会人の一部有力選手を自由に獲得できる希望枠廃止は来年からと決めた。しかし、アマ球界など各界の反発を受けて、即時廃止に繰り上げた。
根来代行は会見で〈1〉今秋のドラフトから希望枠を廃止〈2〉今秋のみの特例として大学生・社会人の1巡目が重複指名の場合は抽選〈3〉高校生は従来通りで1巡目指名重複は抽選―などの案を示し、12球団に受け入れられたという。
正式には4月2日のプロ野球実行委員会で決まる。希望枠の廃止で、1993年の逆指名制度導入から始まった「一部アマ選手の選択の自由」は消滅する。
根来代行は仲裁案の中で〈4〉新人獲得時の違反行為への制裁を通達として出し、今秋から適用〈5〉アマ球界に対し、日本のプロ野球を経由しないで大リーグなど海外に新人選手が流出しない措置を要請する―方針も示した。
根来泰周プロ野球コミッショナー代行「セ、パ両リーグの理事長が奔走して努力したが、若干煮詰まらないものがあった。この辺で見切り発車というか、きちっとした方がいいと思い、仲裁案を作成して12球団の内諾を得た。いつまで引きずっていてもプロ野球に対する認識も悪くなる。大局的な判断」
日本ハム・島田利正チーム統轄本部長「希望枠撤廃はほとんどの球団の総意だったので一歩前進したと思う。問題は希望枠を撤廃することではなく、不正をなくすことなので、今後2度とこのような不正が起きない仕組みづくりなど問題は山積み」
ソフトバンク・角田雅司球団代表「パ・リーグは撤廃するつもりだった。まずは世論のことを考えて、今取るべき行動は希望枠撤廃だ。FA短縮の話も出てくるだろうが、そこは議論しなければならない。地域密着で生え抜きを育てているうちとしてはつらい」
ロッテ・瀬戸山隆三球団社長「本年より希望枠撤廃を決定していただいたことは大歓迎。来年からのドラフト制度についてはコミッショナー代行のご指導のもと、12球団、アマチュア球界と連携を取り、できるだけ早い時期に作り上げる努力をしたい」
オリックス・機谷俊夫球団代表「12球団まとまって今季から希望枠を撤廃するのならオリックスとしては受け入れますという話をした。FA短縮は今後の議論で良いと思う。理想は完全ウエーバー制度。プロが注目されるという意味では、1巡目は抽選でも良いかなと思う」
楽天・米田純球団代表「細かいことは実行委員会で話し合うが、希望枠がなくなることは了承する。うちは終始一貫してドラフト一括開催、完全ウエーバー制を主張しているが、コミッショナー(代行)案は受け入れる。まずは一歩前進というところ」
西武・太田秀和オーナー代行「仲裁案が出たことを真摯(しんし)に受け止めています。各球団の総意に従わせていただきます」
滝鼻卓雄・巨人オーナー「コミッショナー代行の考え方を早く出してもらいたいと願っていた。仲裁案を出してくれて12球団が合意したということだから、一つの区切りじゃないか。セの開幕前に一段落し、ファンのみなさんに明るい雰囲気で観戦してもらえる」
中日・伊藤一正球団代表「何の異論もない。付け入られるすきのある制度はこういう事態になった以上やめるべきだ。大多数の球団の意向が通ったということでしょう」
阪神・宮崎恒彰オーナー「とりあえず一番要請されている希望枠撤廃を決め、それから後のルールを決めていけばいい。コミッショナーもリーダーシップを発揮して、話をまとめようとしている。球界のためにも好ましい」
広島・松田元オーナー「球界の混乱を収めるためには撤廃もやむをえない。ただし完全ウエーバーは反対。フリーエージェント(FA)の期間短縮も反対。FA権自体が諸悪の根元だと思ってる。FAの短縮を取るか希望枠を取るかだったら、うちは希望枠を取る」

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2007/3/27
正論が世論に負けた〜
巨人 今年から希望枠撤廃に合意へ(2007年3月27日 スポーツニッポン)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000000-spn-spo
ドラフト制度改定で、希望入団枠が今年から撤廃されることが決定的となった。即時撤廃に唯一消極的だった巨人がFA取得期間の短縮など条件付きながら、他球団に同調する考えであることが26日、明らかになった。巨人の滝鼻卓雄オーナー(67)は同日、アマチュア球界首脳や他球団首脳と連絡をとり、枠撤廃を前提とした制度設計の方針を示した。4月2日の実行委員会で枠撤廃を決議し、新制度策定に入る。
滝鼻オーナーはついに譲歩と取れる発言を行った。「巨人は今年の希望枠に固執しているわけではない。ドラフトの制度設計が必要」とあらためて訴えた上で「2、3日で(制度を)つくれと言われても無理。その方向性だけを出してもらえればいい。(30日の)セ・リーグ開幕前には決着させる。それまでには自分の考えを皆さん(報道陣)に伝える」と語った。方向性とは来年に向けて巨人が主張するFA権取得年限を含めたドラフト制度改革に球界全体で着手することで、他球団も了承すれば「(今年からの希望枠廃止で)賛同する」と続けた。
西武の裏金問題に端を発した希望枠撤廃論争。巨人は球界全体の希望枠即時廃止という早急な流れに異議を唱えてきた。しかし、同枠を不正の温床とするアマ側が猛反発。そのアマ側の反応を受け、プロ側もヤクルトを皮切りに、パではリーグ全体で今年の希望枠を返上する動きが展開され、結果的に巨人は孤立無援の立場に立たされてしまった。
それに先立って出演したラジオ番組では、他球団の無策を非難した。「他球団がメディアの批判を避けるため(制度改革の)議論もしないで枠をなくせと言ってるのはナンセンス。巨人を風よけに使って、巨人だけを悪者にしようという思惑を感じる」。とはいえ“正論”を主張しても“世論”には逆らえない。読売本社関係者は「アマ側の反発もあるし、軌道修正せざるを得なくなった」と実情を明かした。
この日、滝鼻オーナーが他球団のオーナーに電話を入れ「今年から枠撤廃でいきます。その後に制度づくりをしっかりやっていきましょう」と意向を伝えた情報もある。またこの日朝に全日本アマチュア野球連盟の松田昌士会長と会談したことも明かし「巨人の考えを伝えた。巨人は(今年の希望枠撤廃から)逃げているわけではないと。“なるほど”と言ってくれた」とアマ側の理解を得たもようだ。
「2日の実行委員会では今年の枠撤廃で決まる方向になった」とNPB関係者。93年から大学・社会人のドラフト候補生に限り始まった「逆指名制度」がピリオドを打つ。
<巨人オーナー>ボヤきまくり「毎日、一人だけ悪者に…」 (2007年3月27日 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000000-mai-spo&kz=spo
「巨人ばかりがたたかれる」――。巨人の滝鼻卓雄オーナーが26日、ボヤきまくった。
この日、東京都内で取材に応じた同オーナー。西武の裏金問題に端を発したドラフト改革論議で、12球団中で巨人だけが今季からの希望入団枠の撤廃に消極的な姿勢を取ったことが批判にさらされ、我慢がならない。「毎日、巨人が一人だけ悪者になっている」と険しい顔で語った。
しかも他球団は、世間の風向きに敏感に反応し、複数の球団が今秋のドラフトで希望入団枠を返上する動きを見せている。これも同オーナーは気にくわない。「マスコミが怖いから、マスコミの風をよけようとしてオレを盾に使っているわけだ。そんなことでいいのかね」と反撃し、「単に希望枠だけやめてくれで、方向付けとかへったくれもない」と言い放った。
さて、放言といえばこの人、渡辺恒雄球団会長。この日は東京都内のホテルで知人と会食。ほろ酔い加減で報道陣の前に現れ、「(巨人は)いつも悪者だなー」。かつての「球界の盟主」も、影響力低下は著しく、出るのは愚痴ばかりか。【田中義郎】
「巨人」にしてみれば、「巨人」は正しいことを言っているのに、それも今回の裏金問題は、西武が悪いはずなのに、なんで「巨人」ひとりが悪者になるんだ、という気持ちでしょう。でもね、腐っても「巨人」は球界の「迷主」ではなく「盟主」なんだから。

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