2007/3/27
正論が世論に負けた〜
巨人 今年から希望枠撤廃に合意へ(2007年3月27日 スポーツニッポン)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000000-spn-spo
ドラフト制度改定で、希望入団枠が今年から撤廃されることが決定的となった。即時撤廃に唯一消極的だった巨人がFA取得期間の短縮など条件付きながら、他球団に同調する考えであることが26日、明らかになった。巨人の滝鼻卓雄オーナー(67)は同日、アマチュア球界首脳や他球団首脳と連絡をとり、枠撤廃を前提とした制度設計の方針を示した。4月2日の実行委員会で枠撤廃を決議し、新制度策定に入る。
滝鼻オーナーはついに譲歩と取れる発言を行った。「巨人は今年の希望枠に固執しているわけではない。ドラフトの制度設計が必要」とあらためて訴えた上で「2、3日で(制度を)つくれと言われても無理。その方向性だけを出してもらえればいい。(30日の)セ・リーグ開幕前には決着させる。それまでには自分の考えを皆さん(報道陣)に伝える」と語った。方向性とは来年に向けて巨人が主張するFA権取得年限を含めたドラフト制度改革に球界全体で着手することで、他球団も了承すれば「(今年からの希望枠廃止で)賛同する」と続けた。
西武の裏金問題に端を発した希望枠撤廃論争。巨人は球界全体の希望枠即時廃止という早急な流れに異議を唱えてきた。しかし、同枠を不正の温床とするアマ側が猛反発。そのアマ側の反応を受け、プロ側もヤクルトを皮切りに、パではリーグ全体で今年の希望枠を返上する動きが展開され、結果的に巨人は孤立無援の立場に立たされてしまった。
それに先立って出演したラジオ番組では、他球団の無策を非難した。「他球団がメディアの批判を避けるため(制度改革の)議論もしないで枠をなくせと言ってるのはナンセンス。巨人を風よけに使って、巨人だけを悪者にしようという思惑を感じる」。とはいえ“正論”を主張しても“世論”には逆らえない。読売本社関係者は「アマ側の反発もあるし、軌道修正せざるを得なくなった」と実情を明かした。
この日、滝鼻オーナーが他球団のオーナーに電話を入れ「今年から枠撤廃でいきます。その後に制度づくりをしっかりやっていきましょう」と意向を伝えた情報もある。またこの日朝に全日本アマチュア野球連盟の松田昌士会長と会談したことも明かし「巨人の考えを伝えた。巨人は(今年の希望枠撤廃から)逃げているわけではないと。“なるほど”と言ってくれた」とアマ側の理解を得たもようだ。
「2日の実行委員会では今年の枠撤廃で決まる方向になった」とNPB関係者。93年から大学・社会人のドラフト候補生に限り始まった「逆指名制度」がピリオドを打つ。
<巨人オーナー>ボヤきまくり「毎日、一人だけ悪者に…」 (2007年3月27日 毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070327-00000000-mai-spo&kz=spo
「巨人ばかりがたたかれる」――。巨人の滝鼻卓雄オーナーが26日、ボヤきまくった。
この日、東京都内で取材に応じた同オーナー。西武の裏金問題に端を発したドラフト改革論議で、12球団中で巨人だけが今季からの希望入団枠の撤廃に消極的な姿勢を取ったことが批判にさらされ、我慢がならない。「毎日、巨人が一人だけ悪者になっている」と険しい顔で語った。
しかも他球団は、世間の風向きに敏感に反応し、複数の球団が今秋のドラフトで希望入団枠を返上する動きを見せている。これも同オーナーは気にくわない。「マスコミが怖いから、マスコミの風をよけようとしてオレを盾に使っているわけだ。そんなことでいいのかね」と反撃し、「単に希望枠だけやめてくれで、方向付けとかへったくれもない」と言い放った。
さて、放言といえばこの人、渡辺恒雄球団会長。この日は東京都内のホテルで知人と会食。ほろ酔い加減で報道陣の前に現れ、「(巨人は)いつも悪者だなー」。かつての「球界の盟主」も、影響力低下は著しく、出るのは愚痴ばかりか。【田中義郎】
「巨人」にしてみれば、「巨人」は正しいことを言っているのに、それも今回の裏金問題は、西武が悪いはずなのに、なんで「巨人」ひとりが悪者になるんだ、という気持ちでしょう。でもね、腐っても「巨人」は球界の「迷主」ではなく「盟主」なんだから。

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