2009年、新たな独立リーグ・関西独立リーグが発足し、日本野球の独立リーグ界も3リーグ・16球団体制となり、リーグ間の選手(人材)獲得競争も懸念される状況となった。
しかし、100年に1度と言われる経済危機は、この脆弱な独立リーグの財政状態を直撃した。まず、誕生したばかりの関西独立リーグの運営会社ステラが、資金的問題で5月に撤退してしまった。
6月17日既存4球団(大阪、明石、神戸、和歌山)と来季加入予定の三重の5球団が出資し、新たな運営会社「株式会社関西独立リーグ」の登記申請がなされた。7月8日には、大阪市内のホテルで、新たなリーグスポンサー獲得に向け、企業や広告会社を対象とした説明会が開かれ、大阪を中心に10社が集まり、リーグ側が、旧運営会社が撤退した経緯などを説明、5日終了時点の入場者数やスポンサーの広告効果をアピールした。
さらに、7月12日、再建プロジェクトチームを発足し、その中で日本プロ野球選手会が加わり支援を受ける見込みであることを発表した。支援の詳細は未定だが、同選手会の山崎祥之企画・広報プランナーは「お金をあげることよりも、選手が声をあげることで支援や注目が集まればいい」と話した。
一方、7月2日BCリーグの福井ミラクルエレファンツを運営する「スポーツコミュニティ福井」(福井市)は、臨時株主総会で、経営難で存続が困難として、経営陣を刷新し、福井新聞社の支援を受けることを決めた。新社長に吉田真士・同新聞社専務を選任するなど、同新聞社関係者が経営陣に就任した。スポーツコミュニティ福井によると、今年5月末時点の累積赤字は約5300万円。今年はファンクラブ会員数が伸びない上、景気悪化の影響でスポンサー料などが減少し、厳しい経営が続いていた。
ただし、BCリーグ自体は、7月1日、6球団とリーグ運営会社計7法人の2008年度収支報告を発表し、全体の損失額は前年度より3700万円少ない1億3700万円で、新加盟の群馬、福井を除く5法人が赤字幅を減らしたことを明らかにした。同リーグは「信濃、石川は地元マスコミとの業務提携や地元企業からの支援で黒字化のモデルを作りつつある」とし、「群馬、福井は初期投資コストがかさみ、厳しい収支となった」と説明している。
四国・九州アイランド・リーグでは、7月9日、九州のチームとして初の優勝を果たした長崎セインツが、不況の影響でスポンサーの獲得がままならず、球団存亡の機に立っていることが明らかになった。セインツはリーグ参入2年目。昨季は前期6位、後期5位と低迷したが、今季は監督、コーチ交代や選手補強が奏功し、シーズン序盤から首位を守り前期優勝した。ファンクラブ会員は増え、1試合平均の観客数も昨年の約500から、650人に増えたが、今季は、スポンサー収入も激減。リーグ分配金も昨季の3千万円から100万円に落ち込んだ。「このままでは後期日程を最後まで戦うことも難しい」と森社長は険しい表情を見せ、地頭薗オーナーは「子どもたちに夢を与え、地域を元気にするため力を貸してほしい」と訴えた。

2