LLOYD Shopping Mall
今日はジム・パーカーがポートランドのブルワリーを案内してくれる日ですが、昼くらいまで用事があるとのことで近くのショッピングモールへ行ってみました。ガイドによるとモール内にスケートリンクがあって珍しいそうですが、子供のころ新松戸のダイエー内にあるスケートリンクに行っていた身としてはそれほど珍しくない光景でした。それよりドムドム・バーガーが併設されていなかったのが残念。果たしてアメリカにドムドムはあるのか?
ホテルに戻ってジム・パーカーと落ちあい、さっそくポートランド・ブルワリーツアーに出発。
Roots Brewing Co.
まず最初はポートランドで最も新しいブルワリーRootsです。
ジム・パーカーの自動車に先導され、ホテルから10分程度で到着した所がRootsでした。ここは3月にオープンしたばかりのブルーパブだそうで、ポートランドでは最も新しいブルワリーとのことです。以前、どこかのブルワリーに勤めていた人が独立して作ったブルワリーだそうですが、どこのブルワリーだったかは忘れました。
入るとすぐ右手に醸造設備が有り、左手がパブとなっています。パブとは言っても工場の中に飲めるスペースを作ったと言った方がぴったりくる感じで、工場とパブの間は明確な仕切りはありません。そのため、自由に醸造設備に近寄ることが出来ました。
醸造設備は10バーレルと標準的なサイズで、全部中古の設備だそうです。アメリカでは中古の設備が結構良く出回っているようで、資金面でも独立がしやすいのではないかと思われます。
ビールは全部で6種類。アメリカンなビールが半分です。面白かったのがheatherとporter。ホップの代わりにヘザーを使っているのがheatherで、10バーレルの仕込みに対して蜂蜜とヘザーをそれぞれ10ポンドずつ入れているとのこと。蜂蜜の香りが特徴的なビールでした。一方、Porterにはトーストしたココナッツが入っているとのことですが、チョコレートの香りが支配的でココナッツ風味はよくわかりませんでした。
Lucky Labrador Brewing
続いては“ラッキーラブ”の愛称で親しまれているLucky Labradorです。
Rootsからすぐの所にあるこのブルーパブはポートランドでも人気のブルーパブのひとつのようで、後で調べた所によると、ここの他にももう一ヶ所あるようです。外からも客席らしきものが見えるのですが、全然人影がありません。「ちょっと大丈夫か?」と思って扉をくぐり、奥へ進むと、バーカウンターがあり中はかなり賑わっていました。カウンターのちょうど裏側がブルワリーとなっており、カウンターのガラス越しに設備が見えるようになっています。ちょうど行った時は仕込みの最中で、中で働いているブルワーの姿が見えました。カウンターで好きなビールを注文して飲み始めるとブルワーが店に出てきて、ブルワリーを案内してくれることに。ビールを片手に見学開始です。
仕込み釜は14バーレルで、ファーメンターは14bblが2台と7bblが4台あるとのこと。見学した時はちょうどスパージングの最中で、ブルワリーツアーでよく見る10ガロンくらいの小さなタンクの使い方を見ることが出来ました。ロータリングの時にここにビールを溜めてサーキュレーションをして、頃合いを見てボイルケトルに移すようです。ホームブルーのやり方とかなり近いことがわかります。ここもそうですが多くのブルワリーがワンステップ・インフュージョン・マッシングの設備を採用している感じです。これでそこそこのビールを造れるのですから大したものです。
ツアーに気を取られていたためテイスティングノートは全く取れませんでした。と言うことでほとんどどんなビールだった思い出せないのですが、それだけ特徴が少ない(アメリカンなビールではありましたが)ビールだったと言うことでしょう。
見学終了後早々に次のブルワリーへと移動しました。
Hair of the Dog Brewing
続いては日本にも少し入っているHair of the Dogです。
Lucky Labradorから自動車で数分行った工業地のような所にこのブルワリーはあります。工業地とは言っても小さな町工場が集まった地帯で、ビールを造る環境とは思えないような所にあります。
ここは特にパブがあるわけではないのですが、テイスティングはできるとのこと。入ってすぐの大きな冷蔵庫の壁面にタップが設置されており、その前にカウンターを置いたととても質素なテイスティング・カウンターでしたが、必要にして十分な役割を果たしているようです。ここにはビールを購入に来る人もいるようで、ちょうど我々がいる間に何人か購入に来た人がいました。そういう人たちもたいてい一杯くらいは飲んでいくようです。
さっそく我々も片っ端からテイスティング。飲んでみて驚いたことは日本で飲むビールとは全く違うと言うこと。特に印象に残ったのはADAMで、はっきりとわかるスモーク香がありました。その他の銘柄もだいぶ違った印象で、日本で飲んでいるHair of the Dogシリーズは一体なんだったんだろうと不思議に思いました。
ちょうど行った時はバーレイワインのDoggie Clawsを仕込んでいる最中で、煮込みの段階でした。ここではブルーマスターが自分で設計したというとてもユニークな仕込み設備が使われています。4バーレル(480リットル)仕込みというとても小さな設備ですが、ひと仕込みで600〜700ポンド(270〜320kg)のグレインを使うと言うから驚きです。ホームブルーの5ガロン仕込みに換算すると10.5〜12.5kgくらいになることからもその多さがわかるかと思います。
まず目に入ったのはマッシュタンと思われる装置。長方形でかなり浅い構造をしており、大量のグレインを使う場合には都合良い形なのかなと思いました。それにも増して面白いのが煮沸釜で、形状がお椀のような形をしており下から直火で煮込んでいるようでした。この鍋を使ってDoggie Clawsの場合で4時間煮込むと言うから驚きです。そのためテイスティングの相手をしている間にも時おりホップ投入をしていました。このホップ投入がまた豪快で怪しげでした。適当としか思えない量をホップベイルから切り崩し鍋に投入しかき回す様子は、煮沸鎌の形状と相まって、さながら魔女が怪しげな液体を作っている様相でした。
店内にはここの醸造所のグッズやビールが売られていました。特に目を引いたのはマグナム瓶とダブルマグナム瓶です。マグナム瓶ではADAMを8年間Woodカスクで寝かせたものが有り、ダブルマグナム瓶のバーレイワインとどちらを買おうか迷ったのですが、結局珍しいと言うことでADAMのWoodカスク版に決定。なんとこれで$50。BeerLineToday氏が$20負担してくれたので何かのイベントの時にでも飲みましょうと言うことになりました。(そのイベントに参加されるかはご期待してください!)

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