篠崎友選手のレポートです。
バイク&ハイクで火・木の日中勤務、火・木・日の20:30よりローラーズ(バイク&ハイク内)で直接話が聞けます!
2015年4月17日 篠崎 友
IRONMAN TAIWAN 2015日時 2015年4月12日
場所 台湾 墾丁
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モンスタートライアスロンクラブ
BIKE&HIKE
PLaGG
サプライヤー
バイク BMC
ランニングシューズ On
ランニングアクセサリー ランポケ
エナジージェル PowerBar
結果 DNF
レース報告
今年はIRONMAN HAWAIIに向けてポイントを集めに宮古島トライアスロンへの出場は止めました。HAWAIIの出場に必要なポイントは5大会の合計ポイントで毎年おおよそ4000ポイント。今回の大会は優勝で2000ポイント。
今まで70.3までしかなかった台湾でしたが、今回初のIRONMAN開催となりました。
プロ男子は17名がエントリー予想外にも自分以外全員が西欧人。
水温23度プロはウェット無しとなりました。ウェットスーツ無しの条件で使えるスイムスーツでしたが今回持っていないのは自分だけでした。
スイムスタートから大きなかたまりとなってスタート、徐々に集団が引き伸ばされていきましたが海のコンデションもよく遠くのブイまでしっかり確認できました。1km地点からはノルウェーの選手と二人になり前半1.9kmは自分が後ろで余裕を持って大きな泳ぎをする事が出来ました。スイム会場の海は透明度が高く水中には無数に青く光る何かを見ながらノルウェーの選手の足を触らないようギリギリの距離で泳ぎました。後半始め自分が前にでて中盤からはまたノルウェーの選手の後ろで泳ぎました。水の感覚がテンポよく、距離を泳いでも疲労感無く泳ぎきることが出来ました。今までのIRONMANの中で一番楽に泳ぎきれたスイムでした。冬から取り組んできたスイムの課題も気をつけながら泳ぎしっかりと感覚を持って泳ぐ事が出来ました。とはいえ先頭から7分優勝争いに加わるには後5分の短縮が必要です。ノーウェットスイムでは今までで一番タイムもよく57分台でスイムアップ。
バイク前半は峠道を含むテクニカルなコース、後半は平坦基調な高速コース。前半のペース配分次第で後半の平坦でのペースもランのペースも決まってしまうので慎重にペースを考えなくてはなりません。スイムで同じだったノルウェーの選手はスイムスーツを脱いでいる時間分で自分が先にトランジッションをスタート。前半は海沿いの平和な道、スタート直後は脚が軽く、ペース配分がつかめずに簡単にオーバーペースになってしまうので慎重に、よりリラックスをしてトレーニングのウォーミングアップの感覚で走る事にしました。10km付近で一つ目の上りがあり眺めの良い海岸線で朝日を右側から受けながら走ります。途中からは道幅が狭くなり対向車、進行方向共にオートバイ、車の様子をうかがいながら慎重に走行、コース上は全くレースに関係なく生活をしている車も多くあります。しかし日本を出ると交差点以外は交通規制をしていないIRONMANレースが多くこのような状況でも安定したペースを作れなければなりません。途中海岸線では猿もいました、ニホンザルと見た目は同じ。後ろからディスクホイールの音と共にチェコの選手にあっと言う間に抜かされあまりのスピード差に圧倒されました。後からリザルトを見たらその選手のバイクタイムは4時間37分今回の優勝者に次ぐ2番目のバイクタイムでした。
海沿いのから内陸に入っていくとすぐにアップダウンが始まります。細い田舎の山道といった路面状況で所々工事中の場所もありコーナーでは対向車と砂利に気をつけなければなりません。センターラインは引かれているのですがコース下見の時には明らかに片側車線では納まっていないバスがブラインドコーナーで現れるなど目安でしかないのだと考え、センターラインからは1m〜2m間を開けて走るようにしました。勾配のきつい区間はさほど長くはないのですが変化をしながら7kmほど上りが続く峠もあります。しかしまだバイクの60km全体の三分の一でしかありません。出来る限り軽いギヤを選択し回すペダリングは崩さずに上りきりました。下りはテクニカルで始めは余計なブレーキも多かったのですが後半はコーナーの形状にも慣れ楽しく下る事が出来ました。最後はダムから街に向かって舗装も綺麗な道を下っていきます。山での疲労もほとんど無く45〜50km/hで10km近く下ります。後半90kmはほぼ平坦な周回コースとなっており前半90kmでは男子選手1人とスイムで先行していた女子選手、西内真紀さん、田中敬子さん、女子トップの選手の4名にしか会えませんでした。前半は他の選手の情報を確認する事は出来ませんでしたが自分の感覚的には無理無く前半を終える事が出来ました。周回の始め100km地点で西内洋行さんに先頭から16分と聞いて驚きましたが前半のチェコの選手もみていたので速い選手に影響されずに走ろうと考えました。周回は3周回で一周おそらく25kmくらい一周毎にエイドステーションが一箇所、西内さんのタイムを教えてもらえるところが一箇所。ここまでは気温も高くなくしっかり給水、パワージェルもとる事ができていました、しかし2周目先頭から22分差明らかにタイム差の開き方が大きくなっていました。平地に入り後半という事もありペースを徐々に上げていたのですが先頭とのタイム差を見る限り先頭が入れ替わったもしくは平坦区間での得手不得手の差だと感じました。自分の中ではうまくペースを作る事が出来ていたのでそのスピードの差を感じました。少しずつ気温は上がってきていたのですが給水ポイントの感覚が広い事を考えておらず少しずつ脱水症状が出てきました。最後の3周目では先頭から30分差が開き、脱水症状での痙攣もおきてしまいました。最後10kmは痙攣の様子を見てペースを落としほぐしながらバイクフィニッシュ。最後の減速以外はペース配分もうまく走る事が出来ました。タイムは4時間54分49秒このタイムも自分のIRONMANレースで2か3番目の好ラップでした。
トランジッションでは脚の痙攣を警戒しながらも一番の心配は脱水症状で初めの1km地点のエイドステーションまでの上りは長く感じました。初めのエイドステーションからカラダを十分に冷やし、給水をして先に進みました。7kmなだらかに上り折り返してくるという単純なコースの為、先頭も自分の順位もすぐにわかりました。ランニングに入った段階で順位は10位先頭からはおそらく35分くらい。少しずつ気温の上がっていくランコース上でしたがランでのタイムを今回一番の課題にして取り組んできたのでベストを尽くすという気持ちで臨みました。2km毎のエイドステーションでは給水とカラダを冷やす事に気を配り走りました。14km地点反射的に突然の吐き気があり、始めは水にあたったのだと思いました。バイク途中で明らか水道水という味の水があったのでそれかと思いましたが、おそらく脱水症状だったのだと思います。バイク後半での給水ポイントが長くなっている事、ペースを上げていた事、気温の上昇を考慮していればもっと気をつけてボトルを2本ずつ交換する事も出来たと思います。そこからはランニングのペースが上がらずに補給も給水もしても嘔吐する繰り返しになってしまいました。21km地点では状態が悪化し少し歩きながら回復を待ちましたが吐き気は変わらずにゆっくり走ったり歩いたりしながら28km地点へここでリタイアをしました。無理をすれば完走は出来たと思います。しかしその代償として熱中症でのカラダの反応が低レベルでも起きてしまうようになってしまいます。簡単に言うとたいしたゆっくり走っていても嘔吐しやすくなってしまいます。そして何より現状ではまだ世界レベルに無く、早くトレーニングを再開させたいという気持ちが大きかったと思います。
スイム、バイクで目標には達しました。しかしその目標自体が世界のレベルに達していなかったというレースでした。日本のレースにだけ出ていたら気づけない事がたくさんあります。ここから新島、セントレアと国内レースが続きますが見据えるのは6月末のIRONMANコーダアレン(アメリカ アイダホ)です。トレーニングの方法方向性はタイムの向上から確認出来間違いが無かったと思います。 世界で力勝負が出来るようにトレーニングを積もうと思います。


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