デボンの森で採集しているとジムニーが登ってきた。
また地主さんかな?と思ったが挨拶してみると、どうも違うようだ。
鳥獣保護云々のステッカーが貼ってあり、何処へ何しに行くか知らないが
とにかく草に覆われた林道を車体を激しく跳ね上げながら登っていく・・
暫くして今度はツナギを来たおっさんが徒歩で登ってきた。
「瓦屋さん通らなかったかい?」
「?鳥獣何たらのステッカー貼ったジムニーなら登って行きましたけど?」
「やっぱ、ここか。まだ先かい?」
「だいぶ先に行ったと思いますけど、どうかしたんですか?」
「車、落としたんだと!や〜や長靴で来ればよかったなあ」
そう言うおっさんはスニーカーで
両手にはプライヤとドライバーが一つづつだけ・・・
どうやらレスキューに来たクルマ屋さんらしいが
あれだけで何をしようと云うのだろう?
ボヤキながら、おっさんは雑草の中に消えていった。
私達もとりあえず採集を続けるが
同じジムニー乗りとしては、気にはなった。
見えている道程だけでも滅入る距離だが(笑)
人海戦術で何とかなるようなら手伝って来ようと
ピックハンマーとバールと携帯電話を持って歩き始めた。
実際歩いてみると、あのジムニーが登って行ったのは
トンデモナイ道だった!
草に隠れてはいるが、厚みがタイヤの径の半分ほどもある
角ばった大きな岩がゴロゴロあるのだ。
私なら如何にジムニーと云えど
一つ一つ除けてからでないと決して通りはしないだろう。
極めつけは林道のど真ん中に鎮座する大岩だ。
これをクリアするには横転も覚悟で
切通しの斜面を駆け上がるしかない。
付け加えるが、あのジムニーは私の2代目ジム君と同じ型。
乗用車なのである。
峠から道は下りになり、その少し下にジムニーは居た。
なんと道から20m近くも下で頭を山頂に向け
これ以上落ちないようワイヤーで杉に固定されようとしていた。
どうやら、とうとう大岩に乗り上げて「カメ」になり
車体にジャッキを掛けて脱出しようとしたが
何故かジャッキが倒れてジムニーだけが転がり落ちたらしい。
したがって瓦屋さんは無傷だった。
しかし、これはもう人海戦術で何とかなるレベルではない。
早々と引き上げることも諦めたようだ。
そりゃそうだ、ジムニーで一杯一杯で来た道を
他のクルマが救助に来れるはずもない・・・
クルマ屋さんを手伝ってナンバーを外し、車検証を潰れた車体から
取り出すのにバールを貸した以外、私に出来ることは無かった。
瓦屋さん・・こうしてジムニーを潰すこと
昨年に続いて2度目だそうである( ̄△ ̄)
落ち込む様子も無かったが、私にしたら複雑だ。
あの走りはジムニーを壊すことを厭わないものだったからねえ・・
さて我がジム君だが・・四駆にならないトラブルは解決した。
トランスファーのスイッチ配線が下回りで
剥き出しになっているのは驚きだった( ̄□ ̄;)!!
何かねえ・・ハイテク=脆弱さを感じるんだなあ。
ジムニーはタフでないと!