(睦月参日) 対ロシア外交  政治

北方領土で外務省職員がロシア側から入国カードを要求され、人道支援の物資が滞っているというニュースは、北海道新聞が先行していたが、ようやく中央のマスコミに取り上げられるようになった。「出入国カード」を外務省の役人が書くということは、日本国政府として北方領土をロシア領と認めることにつながりかねない。こればかりは容認でいないことを承知で、先方は踏み絵を差し出してきたのである。

北海道新聞は取材を進めるうちに、どうやらこれは現地当局ではなくモスクワ、それも治安当局の思惑がからんでいることに気づいていったようだ。こういう時こそ外交力が試されるのである。これまで日本側は地道な人道支援を続けてきた。そうやってまいてきた種がようやく芽を出していた。このままでは日本人の元島民の墓参や自由訪問もできなくなる。もちろん日本国外務省は現地だけではなく、モスクワと東京で壮絶な外交戦を展開しているものと信じたい。

ところが、ロシア側はまた別のところからもジャブを打ってきた。鳥取の漁船をロシア当局が拿捕したというニュースが飛び込んできたのだ。日本側にもミスはあったようだが、ロシア側から日本側に戻したところで拿捕というのであれば、日本の海上保安庁は何をしていたのかという問題が生じる。入国カードの問題と漁船の釈放といい、所轄するロシアの治安当局はどちらも極東管区である。当然水面下での取引材料として使われる覚悟はしなくてはなるまい。

ところがこうした状況のなかで、日露首脳会談が計画されているという情報がもたらされている。直前でこのような問題が起こっているのに、ほいほいサハリンなどに行けば、ロシア側の思う壺である。なんとか外交で株を上げたい麻生総理だが、もがけばもがくほど蟻地獄に入っているというのに気がつかないのだろうか。
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