(睦月廿五日) 暴走する脳科学  読書

〜哲学倫理学からの批判的検討〜
河野哲也著 光文社新書

人間の心はどこにあるのか。もちろん脳にあるが、心臓という呼称に惑わさせられる人も多いだろう。それはともかく最近の脳科学の進歩は凄まじいの一言である。脳科学者がお茶の間のテレビに頻繁に登場しているし、その手の本は溢れており、ゲームソフトにも基本ソフトのごとく流通している。そのような状況の中、脳科学リテラシーを再認識しようというのが骨子である。

現在の脳科学で心の動きは分かるものだろうか。先述したが、本当に脳イコール心なのか。脳を調べることは心の状態を読むことを可能にするのか。素人の私はいろいろ考えてみればみるほど、頭というか脳のシナプスがショートしそうだ。脳科学というからには、テクノロジーの話になる。テクノロジーとは科学知識に基づいた技術のことである。そして技術とはある目的を達成するために用いられる手段や手法のことである。つまりテクノロジーとは科学知識に基づいて設計・構築された技術である。

従って全く科学的根拠がないにもかかわらず、様々な社会問題の原因を脳に求める発言というか放言や俗信を著名な脳科学者や精神医学者、そして科学ライターと称する人たちがしており、一般社会に一定の反響と影響を与えているのは憂うべき状態である。

複雑な脳科学の世界を新書一冊で完全理解出来るはずもないが、専門家がこうした本を出版できる日常性を尊重すべきだろう。
0



この記事へのトラックバックURLはありません
トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ




AutoPage最新お知らせ