(霜月壱日 朔) 怒りの方法  

辛淑玉(シン スゴ)著 岩波新書

今年読んだ本で一番よかったと思った本である。最近、自分が怒りっぽくなっていることにある種の不安感を覚えていたからだ。自分を表現するということで「怒り」というのは、なかなか和をもって貴しの日本では受け入れられない面が多い。

そもそも、「怒る」のと「キレる」のとはまったく違う。前者は言葉で表現する(関係を築くために行なう)が、後者は言葉が途切れた末の暴力(関係を断ち切るために行なう)である。その「怒り」にも様々な種類がある。例えばレストランで30分たっても自分のものだけ出てこなかったとき、店員を罵倒する「噴火型」、その変形である「イヤミ型」、周囲をたきつけて怒りを代弁される「放火型」、踏まれても踏まれてもじっと我慢する「玄関マット型」。この最後の玄関マット型は、そのストレスを己に向けて自爆するか、DV(家庭内暴力)のごとく弱いものに爆発的に当たってしまいがちである。(俺の場合は噴火型が多いなあ)そこで、彼女が提案するのは「問題解決型」の怒りである。詳しくはこの本を読んで頂きたい。

そんな中に次のように書かれているところがある。「自分を強いと感じている人、自分を肯定できる人が怒ると、それは目の前の壁や障害を越えて行こうという、夢や願望になる。他方、自分が弱いと感じていると、怒りは表に出て来ないで、絶望となる。」含蓄ある言葉ではないだろうか。

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