(師走壱拾壱日 大寒) 高津宮  

大阪の谷町9丁目から西北に歩いていくと「高津(こうず)神社」がある。祭神は難波の宮を造営したといわれる仁徳天皇で、もともとは現在史跡になっている難波宮にあったものが、秀吉の大坂城築城のため現在地に移ったらしい。近くに国立文楽劇場もあり、文楽が境内で上演されたり、春の桜の季節には高台になっているため昔から桜の名所で有名だったりするのだが、最近の目玉は毎年成人の日に行われる「とんど祭」である。「とんど祭」は正月のお飾りを小正月の15日に神社でかがり火に投げ込んで、家内安全などを祈願するのだが、ここの「とんど祭」はこういう縁日に欠かせない屋台で有名なのである。

普通神社の屋台というと、たこ焼きや焼きそばなどが定番だが、この高津宮の屋台は日本一の屋台とも云われるのだ。出店しているのは、今年から参加したホテルニューオオタニ大阪のフランス料理店「サクラ」や、イタリア料理の「リストランテ・イタロ」、焼肉の「遊山」など地元の高級レストランなのである。これは5年前から神社に近い島之内で居酒屋「ながほり」の中村店長が中心になって、なじみの店に声をかけたのが始まりらしい。

名の通った高津宮も近年とんど祭に参加者が少なくなり、何かイベントを、ということで、自称「日本一の屋台達」と銘打っている。(日本一という交差点が近くにあるというのは洒落かな)「サクラ」など平日のディナーでも一万円を超えるのが、500円というワンコインで「鴨もも肉のロースト」や鴨肉のエキスたっぷりの「野菜スープ」が食べられるということで、10時半の開店から一時間半でSOLD OUT。食に照準をあてたイベントは「うまいもんを、ぎょうさん、安う」という大阪人気質に見事にアピールした。それまで一万人そこそこだったのが、今では4万人というのだから大したものである。

もちろん各レストランが手を抜いているわけではないので、採算は全く合わないらしいが、そこは大阪商人の心意気でカバーというところだろう。神社と高級レストランのコラボレーションというのも意外だが、結構大阪でははまっているようだ。
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