(師走廿八日) 歴史は繰り返す?  

今日のNHKスペシャルは「不動産投資ファンド」。番組の意図としては外資が日本の、特に首都圏の不動産取得で、いわゆるハゲタカファンドとして振舞っていて、日本の地域金融機関や地元の商店街が翻弄されるという対図を描きたかったのではないだろうか。番組で取り上げられた「セキューアード・キャピタル」は確かに旧長銀の物件を格安で取得し、転売することで大きな利益を上げたり、リップルウッドと宮崎のシーガイアの争奪戦を演じるなど、既に日本の不動産市場では重要な地位を占めるに至っているが、外資系はこの会社ばかりではない。外資が日本の不良債権を初めて取得したのは、東京三菱銀行からカーギルが購入したのはきっかけとされている。90年代の日本の金融システム崩壊から、こうしたリスクを取れる投資家が日本にいなかったのが原因である。

番組を見ていたら、90年代前半の場面を思い出した。当時デリバティブ取引が注目されるようになり、地方の信用金庫が紹介されていた。テレビ東京のWBSで斎藤立教大教授は、こうした信金の動きを歓迎する旨の発言をされていたが、のちにこの信金が破綻したことをご存知だろうか。

新しい商品にのめり込むリスクを犯さなければ、ある程度のリターンを得ることはできるが、ビギナーズラックがより多くのリターンを追求しがちであるのは歴史が物語っている。不動産投資ファンドというのは、いわゆるJ-REITというガラス張りの上場投信と私募ファンドに分かれている。NHKではこの区別はほとんどしていないので、視聴者は区別がわからないだろう。私募ファンドには償還がある。つまり出口が予定されているわけだ。しかし、出口とは物件を売却して可能になるわけで、この出口が最大の問題点なのである。詳しくは別の機会にしたいが、TVが伝える情報の限界を感じた。
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