(睦月五日) NHKと朝日新聞  

昨日のラグビー日本選手権の2回戦の好カード、トヨタ自動車VS早稲田大学の試合は大いに注目されていた。日本選手権を共催しているNHKは当然中継権があり、LIVEで放映するものとされていた。ところが、昨秋ラグビー協会とスポンサー契約を結んでいた朝日新聞が審判の胸や背中にロゴを入れていたのが、1回戦で判明したため、NHKは協約違反ということでLIVEを中止しようとした。ところが、まあ早稲田ファンがほとんどだろうが、抗議の電話が殺到。ラグビー協会がNHKに全面謝罪して、これを受けて当日昼にLIVEをすることに再決定したわけである。新聞の、当然朝日新聞も、番組欄では深夜の録画だけで、同時間帯では別番組が記載されていたのだから、異例中の異例である。

しかしそのLIVEをみていると、通常のアングルよりも遠目の映像が多く、ガツンとぶつかり合うスクラムなどの臨場感はほとんどなかった。審判を映さないようにしているのだから、そういったアングルは期待できないのだろうが、なにかぎこちなくて違和感を感じた。試合は勝ちに拘る早稲田がキックを多用し、後半30分までリードを保ち、トップリーグ4位のトヨタは早稲田のしつこいディフェンスに手を焼き、焦りからイージーミスを繰り返し、早稲田の大金星かと思われたが、リザーブに力のある外国人が控えていることがようやく試合終盤で実力を発揮し、かろうじて早稲田を振り切った。観客の90%以上が早稲田応援という中での劣勢もあったのだろうが、二年前にトップリーグ入りを果たせなかったトヨタの勝負への淡白さもあったのではないだろうか。

このNHKと朝日新聞の対立からグローズアップされたラグビー日本選手権だが、社会人と学生のチャンピオン同士が成人の日の1月15日に国立競技場で対戦するという構図が、両社の力の格差があまりにも広がり、試合にならない100点差ゲームとなったのを機会に、第二次社会人選手権と化した日本選手権の中身のほうが問題ではないだろうか。

マスコミが注目したこの試合にしても秩父宮ラグビー場は満員かと思いきや、両サイドは空席が目立ち、ラグビーがマイナースポーツであることを証明したようなものである。ワールドカップには連続出場しているものの、それはレベルの低いアジアだからこそ可能なわけで、同じマイナーであるアメリカ代表チームにもかなわない代表チームの実力は、ワールドカップを開催できるようなものではないだろう。

観客が集まる大学ラグビーに「おんぶにだっこ」状態を長年続けていた協会の体たらくが、一時人気化したラグビーを再びマイナーなものにさせ、花園を目指す高校チームの減少という逆ピラミッド型の選手体系をつくってしまったのだ。代表チームを強化して、そのための組織化を図るというサッカーのJリーグ構想といういい見本があるにもかかわらず、一部の人気チームに頼った理念なき組織である日本ラグビー協会の怠慢が今回のごたごた劇の根本にあるのだ。
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