(如月四日) 卒業式  

6年前の普通小学校の卒業式では人前を憚らず涙を見せてしまった。中学からの養護学校への不安というものもあった。世界が違うというと大袈裟かもしれないが、一回でも養護学校を見学すればご理解できるのではないかと思う。関西で5年間、広島の島の小さな養護学校であっという間に過ぎた1年間。そんな学校教育も今日で終了である。滅多に着ないスカート姿で胸にはきれいな花をつけてもらった娘。卒業式の主役ではあるが、(在校生とあわせて8人、今回卒業するのは娘とあと一名)そんなことはお構いなくマイペースで式次第が進んでいく。校歌斉唱の折には席を立って、得意のジャンプを披露してくれる。音楽が大好きでCDを離せない娘にとって高揚する気持ちを表す最高のパフォーマンスである。高等部の思い出がスライドで上映されると楽しかったTDLでの笑顔が眩しい。大勢の仲間はいたが、いろいろとストレスの溜まる西宮よりもこの島で自由に学校生活を送ってきたのだろうなあ。その姿をあまり見ることは無かった父親は少し寂しかったが。。。

式が進んでいると在校生の一人が突然泣き出した。どうしたのとみる娘はきょとんとしているが、彼につれてほとんどの在校生は泣き始めた。親たちはというと二人の卒業生を見ながら笑顔でいっぱいだ。「ずっとここ」「ずっとここ」と言い続けた娘の心地よさがこの学び舎にはあるのだろう。先生方も養護学校にありがちな規律を強制する先生も無く、自然と生徒と対応している姿に共感を覚えた。卒業するという意味はわからないかもしれないが、この学校でいい思い出を作ってくれた全ての人たちに娘に代わって感謝申し上げたい。

今、娘は18歳。これからの人生の方が長く親は次第に年老いていく。誰がこの子を幸せにしてやれるかと思うと、不安は尽きないが、そんな遠い将来のことよりも一日一日を笑顔で過ごしてほしいものである。人が泣いていると心配そうな顔をする娘を見ながら、人間あまり世間慣れになるのも幸せかどうか分からないものだと思ったりする。おめでとうMちゃん!
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