(弥生九日) ある教師の死  

50年に及んで一教師として教育実践の場に立ち、退職後も新しいテーマを研究・発表しつづけていた大浜はまさんが今日未明亡くなった。彼女の講演録として「ちくま学芸文庫」から「教えるということ」が出版されているが、プロの教師とはどうあるべきかを述べている。一部引用すると
                       
まず説明をして、「やってごらん」、これでおしまいになるような行き方は、魅力を生まない。教室は、「やってごらん」という場所ではないからです。それを自然にやらせてしまう場所だからです。

「もっとよく読んでみなさい」「詳しく読んでごらん」そういう場所ではなくて、ついつい詳しく読んでいた――そういう自覚もないぐらいに

子どもというのは、これからどんなに成長するかわからないのですが、いまは子どもです。ですから、学習そのものを、やらせてしまわないとだめだと思います。

「やってごらん」「できたか」これはもう禁句だと思います。やらせてしまわないとすれば、教師の方が怠慢だった、教師のいたかいがなかったことになります。

「こうこうですよ」「やってごらんなさい」「できましたか」「それじゃ、まだだめですよ」そんなことはだれでも言えます。

教師はそんなにやさしいことをして、そんなに楽をしていては困るわけです。やらせてしまわなければ、――詳しく読ませる必要があれば、その場で詳しく読むという力そのものを、その子の身につけてしまわなければ、ただ「してごらん」では、教師の仕事が、あまりに安易すぎると思います。

今の日本にはプロの教師はいない。98歳。また惜しい人を亡くした。合掌。

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