(弥生壱拾日) 若き作家の死  

余命わずか、ガン末期の「オレ」が語るバイク、ドラッグ、クラブ、そして友人イデイ…余命2年を宣告された著者が、闘病記「31歳ガン漂流」「32歳ガン漂流エボリューション」につづけて放つ自伝小説『ヴァニシングポイント』。その著者・奥山貴宏氏がなくなったのはこの本が出版された3日後の昨日の夜だった。

2002年末に余命2年を告げられ、そこから2年4ヶ月、懸命に疾走して、勢いよく虚空へと飛び出し、そして消えた。信じられないほどの気力をもって、死病の床で成し遂げた『ヴァニシングポイント』。同じ時代を生きる人たちへの、彼の渾身のダイイング・メッセージがそこにはある。

14日に上梓されるのを待っているかのように奥山は最後の力を振り絞って生きていた。ソクラテスの言葉「ただ生きるな、よく生きよ」。それを本当にやってのけた男である。静かにこの本を読んでみませんか。
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