(卯月壱拾六日) 東京の感覚  

NHKのプロジェクトXで大阪の淀川工業高校の合唱部が取り上げられたが、事実と異なる内容で物議を醸している。東京の感覚でいうと、大阪の下町のしょうもないツッパリ高校が熱血教師を得て、周囲の反対にもめげずに合唱で日本一になった、というあの伏見工業ラグビー部がモデルになった「スクールウォーズ」仕立てにしたかったのだろう。ところが、この淀川工業は松下のお膝元の町工場のど真ん中にある高校だ。中途退学者のほとんどが卒業前に就職先が決まり、問題行動で退学する者はほとんどいなかったというのが事実である。さらに初めてのコンクールでパトカーがやってきたという段に至っては、滑稽さを通り越して、ふざけるなというOBの声がしきりである。

ドキュメンタリーではないのだから、それなりの脚色はいいだろうし、伏見工業のラグビー、淀川工業の合唱と様になるしと思ったのだろうが、世の中そんなに甘くはない。さらに音楽の授業はないし、音楽室もピアノもないというのも嘘だらけだ。新米先生がやってきた当時の同校には全国レベルの吹奏楽部存在しているが、音楽には無縁の高校ということで全く触れていない。シナリオが違ってくるので嘘をつかざるを得ないということになったのだろう。全く情けない話だ。

もうそろそろこの番組も終わりにしたほうがいい。「立つ鳥後を濁さず」である。
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