(皐月廿七日) 巨星墜つ  

私が社会人になって世の中のインフラで特に進歩したのは、コンビニと宅配便であろう。他社の呼称があるので宅配便という「共通語」で括られるが、なんといっても「宅急便」のネームバリューはパイオニアというだけではなく、その進化に真髄がある。その宅急便の生みの親であるヤマト運輸の小倉昌男氏が亡くなったのは、先月末ロスアンゼルスの長女宅であった。年間30億個という天文学的な数字である宅配便市場の基礎を築き上げた功績は計り知れない。このシステムのおかげで、我々はどんなに便利な生活が送れるようになっただろうか。宅急便の無い日常生活などもう考えられない。その市場に対して、果敢に打って出た小倉氏の先見性は役員全員の反対を押し切って、傾きかけた会社の起死回生となった。週明けには郵政民営化法案が採決となるが、この民営化は小泉首相の執念だけでなく、小倉氏がいなければ今まだ親方日の丸にどっぷり使った郵政省が生存していただろう。

路線免許をめぐって、運輸大臣を相手取って訴訟を起こした「官と戦う経営者」の精神は、勇退後の障害者福祉事業にも如何なく発揮された。スワンベーカリーの成功は多くの福祉関係者にとってまさしく革命であった。自助努力なくして福祉はありえないし、金儲けが決して福祉という言葉の反意語ではないという実践を示されたことは、障害者を持つ私にはまさしく☆であった。
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