(文月廿日) 地蔵盆  

関東の人間にとって、関西に来て驚く夏の行事がこの地蔵盆だろう。地蔵盆は旧暦の7月24日なのだが、今は月遅れ盆と同じく新暦8月24日に行われている。もともと京都が地蔵信仰の発祥地のようで、子供の守り仏として古くから信仰されており、平安時代以降には阿弥陀仏信仰と結びついて、全国に広がっていたようだが、地蔵盆として盛大にお祭りするのは主に関西地方である。

なぜ関東に定着しなかったのは、お地蔵様が作られるようになったのが江戸時代と比較的歴史が新しいことと、江戸ではお稲荷さん信仰が盛んだったということも影響しているようだ。

地蔵盆の主役は子供たちである。各町内のお地蔵様の前に屋台を組んでお供え物をして、お菓子を食べながら楽しく過ごす。場所によっては提灯を吊って盆踊りをおこなうところもある。

こうして地蔵盆が終わると、夏休みも残り1週間ぐらいになる。子供たちもそろそろ宿題の仕上げにかかる時期でもある。そして五月蝿かったセミの声もいつの間にか聞こえなくなり、時には虫の音が聞こえてくる。自然は残暑を残しながらも確実に秋の気配を忍ばせつつある。

ただ、最近は少子化でお地蔵様の前には年寄りしかいないという地区もあるようで、将来この行事もどうなるかわからないというのも残念なことである。おりしも日本の人口が予測より早く今年から減少するかもしれないという記事が新聞を賑わしている。地蔵盆と少子化。関西の伝統行事はどうなるのだろうか。


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(文月壱拾九日 処暑) 後味の悪さ  

夏の甲子園で二連覇を達成した駒大苫小牧高校の野球部長が、部員に対して暴力をはたらいたということが発覚して、マスコミは大騒ぎである。開幕前に明徳義塾の出場辞退事件があっただけに、今大会は暴力で始まり暴力で終わるというなんとも情けない事態となってしまった。

たかが高校野球にあまりにも熱くなって、普通の思考が出来なくなった証明でもある。常連校と普通のクラブ活動との差が大きくなり、野球自体が面白くなくなり、さらに常連校では大勢の部員でベンチする人数が限られ、ゲームに出られない部員の親が喚きまわるという状態となったわけだ。

ここまで来るともう夏の甲子園は金属疲労を起こしているとしか思えない。目標をなくすというのは無理かもしれないが、形式を含め、抜本的にやり直すしかないのではないか。スポーツというのはピラミッド組織である。それは単に運動能力の差で決まるものであり、サッカーのJリークの組織図を想像すれば、簡単に理解できることである。管理のピラミッドを作れば、そのスポーツがつまらなくなるのは一目瞭然である。
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(文月壱拾八日) 週刊子供ニュース  

土曜の6時過ぎにNHKで「週刊子供ニュース」という番組がある。この春まで、この番組を担当していた池上彰氏の講演会のCDをフォーサイトの読者用に送ってきた。最近では池上氏の著書も数多く出版されており、結構な部数を売り上げている。

しかし、あの番組が生放送というのは驚いた。小学校高学年という生意気な年頃の子供たちが突然何を言い出すかわからない。和やかな顔の裏で、池上氏はひやひやだったようだ。中東問題で、ユダヤ人とパレスチナ人の土地争いを子供が無邪気に「子供の喧嘩みたい」と発言したところ、がんがん苦情の電話がNHKに来たらしい。子供相手の番組なのだが、年齢別では60歳以上の視聴率が20%超えているらしい。大体、平均視聴率が10%ぐらいなので、子供ニュースといいながら、これでは「週刊老人ニュース」である。(^^)子供相手ということで、極めて分かりやすくニュースを伝えているのが、受けているようである。

この現象は、いかに普通のニュース番組が良く分からないかという証明でもある。メディアの独り善がりの一面を如実に示しているわけだ。
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(文月壱拾七日) おまえらはバカか  

日曜の午前中は総選挙を前に「郵政民営化に賛成か反対かが最大の争点だ」と云っているが、小泉はともかく、自民党や公明党にとってもそうであるのなら両党はなぜ法案を上程する前に国民的議論に付さなかったのか、の説明が全くされていない。だいたいマスコミも馬鹿で、あの郵政民営化法案は継続審議になったのではなく、憲法第59条の定めるところによって、正式に廃案になったことの認識が全くない。いったん廃案になった条文を部分的に修正しても、再び国会に上程することは明らかに憲法(第59条)違反であることを報じるマスコミは全くないというのは、勉強不足も甚だしい。しかも、あの法案を否決した参院の構成は衆院解散前と変わっていないのだから、憲法違反を敢えておかして同法案を再度上程しても、参院を通る道理がないはずである。それが通れば参院など要らない、という結論になるはずである。

民営化原理主義とも云うべき郵政民営化論だが、金融行政で小泉、竹中ラインがおこなった民営化で、長銀の例を思い出すがいい。「国有」の長銀を実質的に10億円でリップルウッドに売却し、その不良債権は国民負担10兆円で埋め合わせた。たしかにあの時長銀入札に日本の金融界が手を上げなかったのだから、仕方がないという議論は横においておく。

旧長銀は外資ファンドによって新生銀行となり、上場によって株価は即座に800円を突破した。なぜ新生銀行の株価800円にも相当する、と判断されたのかと言えば、答えは簡単。総額10兆円もの税金が投入され、財務内容が改善されたからである。あの外資ファンドが上場で得た金額と現在の保有株の時価総額は1兆円を超える。事実だけ述べれば、この外資は長銀を日本政府から10億円で買って、1兆円の資金をあっという間に取得したのである。

恨み妬みだけを云うつもりはない。しかし、結果としての10兆円の国民負担を小泉、竹中は身に染みているのかどうか疑問である。所詮、彼らは傷つかない、他人の金である。政治とは結果責任ではないのか。
 

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(文月壱拾六日 望) 嘔吐感  

ホリエモンが尾道駅でもみくちゃにされる映像を見て、嘔吐感を感じるのは私だけだろうか。メディアは若者に受ける存在としてのホリエモンと旧守派の亀井静香を対比しながらという、ワンパターン報道に終始している。メディアの力というのは自らが考えているより、はるかに大きいことを自覚していない。

改革というが小泉が政権についてから、もう4年が過ぎてしまった。この間何が変わったのかというと、役所の名前ぐらいというのが実感ではないか。今になって道路公団の不正が明らかにされているが、あの田中県政になった長野県は、公共工事の入札率が7割になり、県の借金は47都道府県で唯一減少しているという事実はなかなか伝えられていない。これもメディアの問題だろう。

ホリエモンがカメラのフラッシュを浴びることが、政治に関心が向かうということになるかは別物だろう。この風景をみていると、戦後の平和ボケ教育で、周辺国の軍事情勢を理解できていない人が圧倒的多数になったのと同じく、政治にも対しても教育がされてこなかったことが如実に表れている。中国の反日教育をみても、教育の重要性がどれほど人間形成に影響を与えるかは一目瞭然だ。くさいものにはフタをし、面倒なものは先送りしてきた日本の教育が、この国の政治体制をいびつなものにしていることだけは間違いない。

総選挙で浮かれている日本を尻目に、中露は時計の針が逆回転したかのような共同軍事演習をしている。そこにある問題は郵政だけではない。厳しい世界情勢を見つめるべきである。
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(文月壱拾五日 旧盆) 247music  

森田公一とトップギャラン「青春時代」、キャンディーズ「微笑がえし」。太田裕美「木綿のハンカチーフ」、シャネルズ「ランナウェイ」、佐野元春「サムデイ」、渡辺美里「My Revolution」などの共通項が分かりますか。CBSソニー、現ソニー・ミュージック・エンタテイメント(SME)の丸山茂雄氏が世に送り出したミュージシャンたちである。

丸山氏はまたソニーのプレステの生みの親でもある。ソニーでくすぶっていた久多良木氏をSMEに引き受け、ゲーム事業を本社の反対を押し切って、進めさせたのである。しかもその間、本人は当時全盛期の小室哲哉のマネジャーをやっていたのだから、この人の才能の深さには驚かされるばかりだ。

その丸山氏は2000年にSMEを辞めている。その頃のSMEは契約アーティストが400人を超える大企業になって、ミリオンセラーつまり金の取れるアーティストを育てないと会社が食っていけない状態になっていた。これに対して異議を唱えて、それが通らなかったのが原因とされているが、今回丸山氏の旗揚げを見ていると、やっぱりなということか。

売れないだろうけどいい音楽を世間に知らせたいという願望はネット社会で可能になりつつある。SMEのように大企業になれば音楽配信も著作権が問題になるが、インディーズでは守るものがないのでプロテクト無しで配信するようだ。それが247musicである。
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(文月壱拾四日) メディアと政治  

今年の流行語なりそうな「想定内」のことなのか、ライブドアの堀江周辺が賑やかである。あの亀井静香に対抗して自民党公認候補として、広島6区に出馬かと報じられている。そんななかで、フジテレビ騒動に続いて、またメディアのテレビ東京の株を大量取得したようだ。筆頭株主の日経はお盆前に緊急会議を開いて対策を練っていたとも云われる。

各マスコミは格好の話題作りということで、面白おかしく伝えているが、肝心のメディアと政治の問題については何ら言及していない。あらゆる国の政治倫理で、メディアと政治の双方を支配するというのはタブーである。先進国ではイタリアでベルルスコーニが強権をもって、それを続けているが、これまで様々な問題を引き起こしていることはいうまでもない。所詮、二流三流国家でしか通用しない体制なのだ。北朝鮮や中国を見れば、それは明らかだし、最近は韓国も新聞法を作って言論統制をやろうとしている。

マイナーなテレビ東京だが、なにも鑑定団だけをやっているのではなく、一応経済チャンネルという存立意義のある放送局である。それを支配?しようかという人間に公認を与えて、集票マシンとしようとする小泉劇場の底の浅さを誰も批判しないのだろうか。
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