(文月廿七日) CLOSE YOUR EYES  

久しぶりにシングルCDを買った。長渕剛が12月に公開される「男たちの大和/YAMATO」のために書き下ろした「CLOSE YOUR EYES」「YAMATO」である。8月11日の報道ステーションで、尾道にあるロケ現場の実物大の「大和」の甲板から歌っていたのをみてから気になっていた曲である。

今年の5月、広島に帰ったとき呉の「大和ミュージアム」で見たあの大和の美しい姿が眼に焼きつき、さらに東シナ海で散っていった兵士の写真が目に浮かんだ。自分達を守る飛行機もなく、片道航海という半ば自殺行為に世界の目は奇異に映るのではないだろうか。しかし、あの和やかな面影を浮かべる少年兵の写真を見ていたら、自然と涙が出てきた自分はおかしいのだろうか。

「大和」が最後の出撃に出たのは4月上旬である。母港呉から瀬戸内海、豊後水道と行く沿岸には日本の象徴たる桜が満開だったはずである。甲板から見えたであろうあの桜は乗組員にはどう見えたのだろうか。親兄弟を故郷に残し、先に去り行く自分を桜の花になぞらえていた人も多かったのではないだろうか。

東シナ海で散っていった何千もの兵士の慟哭は波間に消えていった。いま、平和ということが当たり前のこととして実感の湧かない現代人にとって、60年前のあの海の出来事をもう一度噛み締める必要があるのではないだろうか。大和には数多くの少年兵がいた。今の高校生と同じ年齢で死んでいった彼らの思いを長淵の歌とともに考えてみたい。
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