(神無月廿弐日 勤労感謝の日) 強度偽造問題  

週中の休日というのは何となく嬉しいものである。まあ、朝から会社の防災訓練ということで伝言ゲームならぬ連絡網の確認で、携帯電話がけたたましくなるのはうんざりしましたが。

天気もいいので黒田家のように朝から散策でもしたいが、身体の疲れで起き上がるのも辛い。しかしこうしてのんびりベッドに横たわれるのもこのアパートが耐震基準を満たしているという安心からだろう。(ここは今は廃業したが、ある建設会社が事務所兼社宅として建設したもので、さすがに本業とあって結構重装備の構造なのである。)あの偽造をした一級建築士の能面のような顔をみていると腹立たしくなるのは当り前だが、構造計算書の偽造による倒壊の危険性のある建物の数は日を追うごとに増え続けていることは、見えないところは誤魔化してやれという潜在意識がこの業界に多いという事実の再認識でもある。あの阪神大震災で新幹線の橋脚でも杜撰な工事が露見された。被害が出ないと分からないということほど恐ろしいことはない。

今回の問題は設計事務所やそこの計算書をチェックする側だが、現場での手抜きはもっとやりやすい。水増ししたコンクリートがそこら中で使われているし、知っていながら見て見ぬ振りをして自分たちの売り上げを確保し、バレれば下請けがやったこととして逃げてきたことを今まで何度となく見てきたはずである。しかしそういう業界を育てたのは官製談合などで甘やかしてきた行政にほかならず、そういう国にしたのも我々有権者ということも忘れてはならない。
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(神無月廿壱日 小雪) 挫折  

先週新規上場を目指していた会社の担当者に電話を入れたところ、何か様子がおかしい。携帯に電話を入れるとしばらくして折り返しかかってきた。嫌な予感はあったが、まさか今度辞めることにしましたと聞かされたときは呆然自失。

そんなことがあって、詳細について説明したいというので、午後7時過ぎに梅田に向かった。大阪駅ビルのホテルのフロントで待ち合わせていたが、休日前ということでフロント前は混雑しており、なかなか見つからない。しびれを切らして彼の携帯にかけようとすると、目の前に現れた。幾分穏やかな顔に見えたのは、それまでの苦悩から開放されたせいなのかもしれない。

神戸の奥に住んでいる彼なので10時までがタイムリミットということで、ホテルのスカイラウンジで夜景を楽しむには不向きな端っこの席で話は始まった。ウエイターがビールや料理を運んでくるが、味を楽しむ余裕などない、「何があったんですか」という言葉が何度となく出てくる。会社を経営するということの難しさを改めて認識する。金融機関との関係も冷え切っていて、綱渡り状態が続いていたという。なかなか連絡が取れなくなってのは忙しいせいだと誤認していた自分の考えの浅はかさを悔やむばかりだ。

今は知人の会社で臨時のコンサルタントとして籍をお貸させてもらっているという。とりあえずプータローは免れているが、年は私よりふたつほど上だったはずである。転職して新興会社を伸ばして上場させるという彼の夢は挫折したが、その表情は妙に明るい。もう次のチャンスをさがしているということだろうか。そんな彼の前向きの姿勢に思わず自分を重ねて見せる。ここがシニアのバックボーンたる所以だ。もう一度花を咲かそうとお互いの健闘を冬の到来を告げる木枯らしが吹くプラットホームで握手を交わす。つい力が入ってしまった。
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(神無月廿日) リベンジ  

2年前四谷見付の高橋尚子は息も絶え絶えで、シドニーオリンピックの雄姿のかけらもなかった。その悪印象?からアテネ代表には選ばれず、野口みゆきが金メダルを獲得したのを境に、Qちゃんはもう過去の人というイメージが先行していた。親代わりの小出監督との二人三脚も足並みが乱れつつあったようだ。そうしたなか、「チームQ」を結成し、小出監督からの自立を果たして、今回の東京国際女子マラソンに臨んだはずである。しかも直前に肉離れという故障を明かしての強行出場はコーチ陣やドクターからも呆れられたという。この大会がすべてではないと思うのが、周りの人間の一般的な考えであったことは言うまでもない。しかし、高橋は足にテーピングを張りまくってスタートラインに立った。

二年前のような前半からの一人旅ではなく、また20度を超える暑さから急速にスタミナを失うことなく、市ヶ谷の上り勾配の35キロ時点でスパートをかけ、先頭集団からあっという間に飛び出していった。何度も後ろを振り返っていた姿が印象的だったのは、そのスパートに自信がなかったのでないか。しかし、後続はついてこれない。勝利を確信した表情はゴール直前でしか見せなかったが、内心では喜びを隠し切れなかっただろう。

俺様が育ててやったんだ、自分でできるものだったら、俺様無しでやってみろ、できるわけないだろ。といつまでも自慢しつづける「親」から「子」が自立し羽ばたいたという歓喜の叫びが聞こえるようだった。「子」が自立する姿はうれしいものである。世間は親子鷹ともちあげるが、いつまでも親の自慢話を聞かされるのは面白くないものだ。横峯さくらも高橋を見習うべきだろう。


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(神無月壱拾九日) 二連覇  

宮里、不動の賞金女王争いも面白いが、男子プロのダンロップトーナメントも王者タイガー・ウッズと伏兵横尾要の四ホールにわたるプレーオフの死闘の末、ウッズが連覇を成し遂げ、優勝賞金4000万円を獲得したが、この賞金よりも多いといわれる出場料を考えると(多分TVマッチもあるだろうし)100万ドル以上を稼いだのではないだろうか。

しかし、タイガーのショットはTVカメラであらゆる角度から取っているためよく分かるが、日本人選手に比べてスピードが全く違う。そしてセカンドのターフの取り方が凄い。芝が可哀相なくらいだ。そのタイガーも前半はリズムが悪く、雨交じりの天候で半袖は身体が冷えたせいかもしれないが、後半のリカバリーショットは素晴らしいし、プレーオフ1ホール目の足を痛め、絶体絶命の危機をしのぐと、疲れの見える横尾の自滅を呼んだ。しかし、4チャンネル(関西では毎日放送)ではプレーオフは最後の4ホール目が中心で、それまでの一時間あまりの激闘が放映されなかったのは少し残念。

ヘルニア手術をして、ゴルフは厳禁といわれ、ここのところクラブも握っていないが、こういうシーンを見ているとうずうずしてくる。今度の検診の時に先生にプレーが可能かどうか聞いてみるか。
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(神無月壱拾八日) リオープン  

近くの関西スーパー広田店が改装していたのが、今日からリオープンということで多くの人が来店していた。というのはこの店に隣接しているクリーニング屋も同期間閉まっていたので、二週間の洗濯物が溜まっていたし、さすがに寒くなって夏物スーツをクリーニングに出そうと両手に袋一杯持参していったのだ。するとスーパーの入口ではなんと入場制限もしている。さすがに初日で目玉商品も多いのだろう。出口では感謝の紅白饅頭を配っていたが、当然買い物を済ませた客が対象で、貧乏根性の丸出しの私も早速レジを済ませて、おすそ分けにあずかろうしたが、レジの長さをみて唖然呆然。店内の売り場の客に比べてレジだけ並んでいるという感じ。さすが関西人は目玉商品には手は出すが、余分なものは買わないということでしょうか。
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(神無月壱拾七日) 強度偽造マンション  

とんでもないことが起こったものだ。メディアで連日報道されているので、今住んでいるマンションは大丈夫なのかと思った人も多いだろう。今年完成した物件がまさか耐震基準を満たしていないということになれば、何を信じればいいのかわからない。阪神大震災のときにも杜撰な工事が露呈したケースもあるが、被害が起こってからは遅すぎるのはいうまでもない。

仕事柄これは困ったことになったなと思ったのはREITのことである。特にレジデンス系のREITにとっては、今までも人気薄だったのだが、この事件でますます投資家心理が冷えることが予想される。信頼できる建築事務所というものが一般的に知られていない以上、物件が多く含まれているこれらのREITは下請けの建築事務所までは公表していないだろう。投資法人のIR関係者は頭を抱えているだろうが、公募価格を割っている場合が多いだけに、投資家に早急に説明する必要があるのではないか。
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(神無月壱拾六日) 国立と私立の差  

子息が大学に行く場合、できれば費用のかからない国立に行ってほしいと思うのは親御さんの偽らざる気持ちである。ところが、それは授業料に限られた話になっているようだ。2004年度に国立大学の入学料は282,000円、私立は279,800円になったようで、私が大学に入学した30年前には、国立9万円、私立10万円だったことを考えると、隔世の感がある。

しかし、デフレの時代が続いているというのが世間の常識だろうが、教育費だけはインフレが続いていることは、子を持つ親にはたまったものではない。文系理系の差があるのでなんともいえないが、私立大学の年間平均授業料は130万円、4年間で520万円、20年前の2倍になっているのが現状である。教育には金がかかるのは当り前のように言われているが、これでは子供を二人、三人と持つことに抵抗があるのも頷ける。

日本のように資源がない国にとって、人材というのは国が発展する基礎となるべきものである。もっと奨学金制度というものを充実すべきだろうが、現実はなかなか厳しい。
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