(神無月壱拾壱日) 移民政策の難しさ  

日本では詳しい報道がなされていないため、対岸の火事というのがフランスの暴動である。アルジェリア系の少年が警察に追われて変電所で死亡するという事件が、アフリカ系移民の不満を募らせ、各所で車への放火が全土に広がっており、フランスは戒厳令さながらの厳戒態勢が夜間続いている。ワールドカップで予選敗退の危機を救ったのはジダンだが、彼はアルジェリア出身であり、他にも多くの移民出身の代表がいる。

フランスは現在出生率が上がっており、近い将来にはドイツを抜いて欧州で最大の人口になるといわれている。私の記憶ではフランスの人口構成はいわゆる釣鐘型で人口減少のイメージしか持っていなかったが、移民政策を積極的に取り入れて人口減少防止に取り組んだようだ。その結果というにはあまりにも短絡的だろうが、高齢化社会が急速にすすみ、来年にも総人口が減少しようとする日本にとっても参考にすべき点が多い。

移民にとってその国で暮らしていく苦労というのは、最近放映されたブラジルに移民した日本人のドラマを見ても明らかのように並大抵ではない。フランスに移住した人々が就職などで何不自由なく過ごせるほど甘くはなかったはずだ。集団心理という隠れ蓑はともかく、機会均等という奇麗事だけでなく、彼らを自国社会に入れるためにどれだけのインフラが整備していくか、どこの国でも苦悩している。

少子化問題で担当大臣を配し、国としても取り組もうとしているようだが、積極的な移民政策というのはまだまだ議題になっていない。しかし、世界史で稀な高齢化を迎える日本にとって避けられない問題だけに、今のフランスの状態に不安を抱く人は多いはずだ。人種問題ほど厄介な問題はない。総論賛成各論反対の典型だけに。
0




AutoPage最新お知らせ