(霜月廿九日) 大納会  

4割もの上昇相場となった今年の日本株市場も今日で納会である。昔は市場いっぱいの場立ちの一斉の手拍子で活気あふれた光景を経験しているものにとって、最近の取引所の有様はいささか寂しい気もするが、それも時代の流れだろう。しかし、その電子システムで不祥事が繰り返されるのも皮肉なものである。

最後の最後でも上司と諍いがあって何とも納得のいかない年末だが、顔を会わさなくてもすむということが心の安らぎになるものだ。親会社におんぶにだっことという致命的な欠陥に対して、自己判断をすることもなく流れのままに済ませている逆回転はいつ起こるかわからない。商品開発にうつつをぬかし、発想の転換をできない組織ほど怖いものはない。

頭のなかを空っぽにして帰り支度を済ませ、家に帰り着替えをして広島に向かう。夕方になったので少し混雑が緩和されたかと思ったが、新幹線の混雑は予想以上。京都で最後に乗り込んだと思われる子供連れの母が降りる客のために一旦車外に出ようとするが、ベビーカーの車輪が引っかかって上手く出られない。先頭に立っていた私も少し手伝ったが、この混雑で二人連れはきついだろう。そうこうするうちに新神戸について席が空くと、近くにいた初老の人がデッキにいたその母子に声をかける。普通なら席に座ってしまうだろうに、久しぶりに日本人の親切というものを目にした。すっかり機嫌のよくなった赤ちゃんの笑顔が車内を明るくしていく。いい光景だ。
0




AutoPage最新お知らせ