(師走壱拾九日) 東証ショック  

証券取引所の役割は市場に流動性を供給することである。いつでも売却できるという安心感があるからこそ、リスクの高い株式にも投資してみようという投資家がいるわけである。その取引所が根本的な役目を放棄すれば、参加者はあわてて売買をせざるをえない。本日の後場の急落はライブドアショックというよりも東証ショックそのものである。

NY証券取引所は東証の5倍の取引数があっても平気なシステムだ。これは東証のようなメインフレーム方式でなく、分散式のサーバー型という最新式のシステムに日々更新しているから適時容量の増大が可能になっているからである。流動性の確保ということを考えれば、リスクの多いメインフレーム方式からの変更が当り前だと思うが、コストのことを考えればインドのソフト会社にでもアウトソーイングすれば簡単だろうが、元東芝会長が社長の東証ではそんな考え方はないだろうなあ。

しかし、日本の取引所は堂島以来の伝統があるので、優れた仕組みを開発してきた。板寄せという仕組みはその一例である。1銘柄に注文が殺到した場合は、一時的にその銘柄の注文を止めて、集中した注文を付き合せて価格的に優先順位の高いものから対当させながら、数量的に合致する値段を求め、その値段を単一の約定値段として売買契約を締結させてきた。つまり始値と終値を決めている方法である。このシステムがあったがために、一時に大量の注文が寄せられても取引所は難なくこなすことが出来たのである。この優れたシステムを東証はこともあろうに平成10年8月24日に廃止してしまったのである。

要は昔の優れた制度を古いからと捨て、新しいシステムへの更新を怠ってきたのが東京証券取引所という組織なのである。

PS:今日の東証はいわゆるザラ場引けになっているので、引け値で売ることも出来ませんでしたし、3時に終了しなかったことから、仕組み債等の価格判定にも大きな影響を与えたはずである。
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